出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

ブログ初心者 その2

2005年03月04日 | ただの雑談
ブログで世界が広がると聞いてたが、ほんとに、こんなところにもいろんな人が来てくださる。おまけに、業界人間に恐怖心を抱いている私としては、「どこそこのパーティーに行かなくても」生の声が聞けるのは、涙がちょちょ出るほど嬉しい。

ちなみに私はつい最近まで部外者だったので、本で読んだり話に聞く「誰それさんの出版パーティーであの人にもあの人にも会った」系統の話に弱い。弱いっていうのは、ヨロヨロ誘われてしまうのではなくて、ケッとか思って無視しようとするってことですが。「営業苦手コンプレックス&部外者コンプレックス&ステレオタイプ編集者忌諱」などなどの複雑な思いを抱いて、結局は避けてしまうので。

ネットのありがたみをここでも感じる。

そうじゃなくても、紙やすりをはじめとして、本当に勉強になる。いや、紙やすりにこだわるわけじゃないんだけど、知らなかったら絶対わからないって! 紙やすりなんて使ったの30年位前だもん。

でも、ブログって時間食いますね。あちこち行ったりして。慣れないもんで、ページ構成が違うと余計に時間かかるし、いくらでも広がってく。

本の宣伝

2005年03月04日 | 宣伝
<メルマガのバックナンバーです。昔の話です。>

返品の山(まあ、山と言うほどじゃないけど)を目にして、ようやく出版業について勉強し始めたわけだが、ひとつ難題が出てきた。

情けないことに、私は営業嫌い&苦手。

今まで、不特定多数の人に物を売った経験がなく、なんとなく口コミで紹介された客にプレゼンする程度で仕事を得てきたせいだ(といってごまかす)が、経営者たるもの、それじゃいかん。

で、本の営業ってのはどうするのか調べた。営業というか、売るための行為ですかね。

まず宣伝。これも知らなかったことが多かった。

新聞の下の方の広告スペースが、いつも本の宣伝に使われてるなんて、今まで気づかなかった。言われてみればそのとおりだ。一面から本の宣伝だ。雑誌とか、新刊とか、あと数社並んでるのもある。

世の中にはいろんな商売がある。出版なんて、売上ベースでは小規模産業らしい。なのに、新聞というマスコミの大媒体の一部を、ほぼ固定で「本」に使っているというのが驚きだ。

出版社向けには別の広告料金があるのかと思った。だって、本なんて1冊平均千円くらいでしょ、印刷代、取次手数料、印税やらなんやら払ったら、広告費なんて出ないよな。

新聞広告の相場というか、高いことは知ってる。きっと出版向けにあのスペースは安くなってるんだ!

広告なんて、広告主と代理店の力関係なんで、知ってる代理店に聞いてみた。

ところが、その知ってる代理店のよく知ってる担当者は、書籍広告スペースについてはあまり知らなかった。とりあえず各新聞社の料金表を持ってきたが、

別 に 安 く な い 。

調べると、あのスペースは、いつも似たような面子の出版社が並んでいて、その他大勢の小さい出版社はあまり広告を出さないらしい。あんなに高かったら、うちみたいな新参でなくとも当たり前。

他には、本の広告は売れてきたときにもっと売るために出すことが多いらしい。「増版出来!」とか「5万部突破」とか。で、「こんな本が評判になってるんだ、買ってみようかな」というふうにあおるわけだ。

もうひとつ驚いたことに、「うちはまだ生きてますよ」と書店に知らしめすためにも出すらしい。

こいつはビックリだ。倒産してないことを遠方の見知らぬ小売店に知らせるために新聞広告出すバカが、どの商売にいる?と思った。

だって書店って全国に2万かそこらあるらしいけど、全部にファックス送ったってコストは知れてる。新聞広告は何十万だ。ん?変わらないか。

いやコストの話じゃなくて、なんか捜索欄みたいじゃないですか。父危篤、うちは生きてるって。

出版って古い体質がいっぱい残ってるってどんな本にも書いてあるけど、新聞広告でそれを感じるとは…

ま、うちはただの資格本だし、広告料金高いし、別の宣伝方法を学ぶことにする。