上橋 菜穂子 著
「鹿の王 水底の橋」
2015年度本屋大賞受賞作
「鹿の王」
その先を描いた命の物語
鹿の王の続編だというので
「鹿の王」で活躍したヴァンとユナのその後の話しかと思ったら
オタワル医術に携わる医師ホッサルと恋人ミラルが中心のお話でした
異なる医術の攻防
次期皇帝をめぐる政争にも巻き込まれていきます
ホッサルは目の前の命を救うためなら、どんな手段でも使うべきだと考えるのだが
そんなことは許さないと死生観の違う人々が立ちはだかります
少し前読んだ「御薬園同心水上草介」の中でも
幕末が近づいていたころの
漢方、蘭学の戦いが描かれていました
最後ホッサルは
「中途半端に、ふたつの医術を統合する必要はないように思うです。
むしろ、互いが、互いにとって、
思ってもみなかった視点を持ち続ける方がずっと意味があるように思います」
互いを隔てていたものが消えたとき、はじめて、見えてくるものがある。
上橋ワールドです
一気に読ませてくれます