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小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

アンと愛情

2021-11-03 12:31:33 | 読書

 

 

和菓子のアンシリーズ第3作

坂木司著

「アンと愛情」

 

朝ドラ「カムカムエヴリバディ」もあんこが出てきましたね~

主人公は安子(やすこ)だけど同級生の男の子に「あんこ」と呼ばれたりしています

 

柴田よしき著「お勝手のあん」も主人公はお安(おやす)だけど

知り合いのお嬢さんから「あんちゃん」と・・・。

 

 

和菓子のアンの主人公は杏子(きょうこ)

シリーズ1では、高校卒業して目的も将来の夢もないので

取り合えず、デパ地下の和菓子店にバイトとして入りました

 

その杏子も第3シリーズでは、成人式を迎えました

少しずつ職場にも慣れ、和菓子に魅力を感じていきます

 

この本、和菓子の知識をとても上手に教えてくれます

ストーリー的には

お客さんが来て、質問を投げられるわけですね

そこで調べたり店長や同僚に教えてもらったりします

それをお客さんにわかりやすく説明するので

読者もへ~そうなんだ~

と勉強になります

 

今日の朝ドラの最初にわらび餅が画面に出ていました

このわらび餅についても詳しく出てきます

 

とにかく、美味しそうな和菓子の話しが沢山でてきます

和菓子に熱い緑茶が似合う季節になりました

 

私は、どちらかというと

干物に熱燗かな・・・

 


白光

2021-10-17 20:35:11 | 読書

 

朝井まかて著

「白光」

 

いや~結構読むのにエネルギーがいりました

山下りん

日本初、ロシア留学をし、イコン画家となるお話

イコンとは、ロシア正教の聖像画のこと

 

幕末、絵が描きたいばかりに家出までしてその意思を貫こうとします

しかし、いい師に出会えずに落胆するりん

 

ロシア正教会で彼女の一生に関わるニコライ司教と出会います

ロシアにも行き、イコン画を学ぶことになるのですが、

彼女の優先順位は絵が描きたい

本当の信仰心は薄いものでした

 

彼女が貧しくなければ、

そしてもう少し時代が進んでいたら彼女はきっと違う絵を描いていたことだと思います

 

ロシアの往路の船中での彼女

修道院での生活の彼女

 

どれも、絵が描きたいという情熱があったからこそできたこと

 

好きなことがあるって本当に人を強くします

でも、人との諍いはつきもの

仕方ないこと

 

山下りんさんの描かれた絵を見てみたいと思うのですが、

イコン画には名前を入れないんですね

 

この本の最後に主要参考文献・主要参考論文が連なっています

 

この本を書くのにどれだけの文献を読まれたのでしょうか

朝井まかてさんもきっと山下りんさんの生き方にとても魅力を感じたのでしょうね

絵が好きな方は一読あれ


あんのまごころ

2021-10-03 20:29:44 | 読書

 

 

ブルームーン

という名前

 

それにしても暑いですね

今日は大分県日田市では35℃超え

10月で猛暑日は観測史上初めてですって

 

暑さ寒さも彼岸まで

と言われてましたけど

そのうち、暑さ寒さも師走まで

なんていうことになりそうです

 

 

柴田よしき著

あんのまごころ

 

読み終わりました

 

お勝手のあんシリーズ4巻目

 

幼くして親に売られたおやす

たまたま行き会わせた品川の老舗宿屋「紅屋」の主人が

おやすが類まれな嗅覚をもつことを見抜き

宿に連れて帰ります

 

そこの料理人政一はおやすに料理を仕込むことに生きがいを見出します

 

主人が従業員思いだから

従業員も皆出来がいい

 

ひたむきに働くおやすはみんなに可愛がられ成長していきます

 

そしてシリーズ4に!

 

今回もおやすのまわりも色々あります

友達のおちよちゃんの妊娠

お小夜様が旦那様に手作りする料理の指南

そして天災が・・・

 

前回は地震

今回は大型台風が品川を襲います

何もかも水にのまれてしまいます

呆然とするおやすに

 

おやすを可愛がっているおしげさんが

「こうして生きているだけで、なんて贅沢なことだろうね。

なんて、運のいいことだろう。

だからあたしらは、生きていることに感謝して、恩返しをしないといけないんだよ」

と声をかけます

 

シリーズ5は

紅屋の再建

そしてお年頃になったおやすの恋バナかな?

まあ、本人の頭の中は料理のことしかないから

彼女に惚れてしまう男性は振り向かせるのは至難の業だろうな~

 

さくさく読めますよ~

この本もお勧めです

 


魂手形

2021-10-01 10:26:35 | 読書

久しぶりの更新です

もう10月です

秋なのに日中の暑い事

扇風機がまだ働かせるの?と言いたそうに頭を左右に振っています

会社ではクーラーが入っています

台風の影響も大きいのかもしれません

 

しかし、朝晩はしのぎやすくなり虫の音も聞こえてきます

 

庭の菜園(?)にまいた、ほうれん草、春菊、小松菜、サニーレタスの芽が元気よく出始めました

ブロッコリーは苗を買って3本植えてみました

 

秋の夜長、読書にはいい季節になってきました

テレビが今一そそられるような番組がないので早めに消して読書

と、日中の疲れが出て、ウトウト・・・

ここで少し寝てしまうと後、眠れなくなります

 

そんな時は、宮部みゆきさんの本が出番です

読ませます、一気読みです

 

魂手形

三島屋変調百物語、7冊目

聞き手はおちかさんから富次郎さんにバトンタッチです

 

人が誰にも信じてもらえないような経験をしたとします

誰かに聞いてもらいたい

でも誰も信じてはくれないだろうと自分の胸の内にしまいこみます

 

そのしまい込んだものを、

聞き手の富次郎さんの優しい雰囲気に心を開き、重い荷物を降ろしにきます

 

一話完結です

 

話の内容はゾクゾクしますが、どの語り手も魅力的で

勿論聞き手の富次郎さんにも引き付けられ

読ませてくれます

さすが宮部みゆきさんです

 

お勧めです

 

 


和菓子のアン

2021-09-01 15:09:12 | 読書

 

 

坂木 司著

「和菓子のアン」

 

 

癒し系の、優しい本です

 

「曲亭の家」

のように、キリキリと胸が痛むような本を読んだ後にはぴったりの本です

 

「赤毛のアン」

が好きな私はアンと言う名前に反応してしまいます

「お勝手のあん」シリーズ追っかけています

 

さてこの本

デパ地下の和菓子売り場でバイトしている18歳の女の子のお話

 

ちょっと丸い体系でお顔もま~るい

おばちゃんや子どもには好かれるタイプ

この子の名前が杏子ちゃん

だから同僚からアンちゃんと呼ばれるようになります

アンちゃんは、この和菓子売り場の中で

ささやかな事件やミステリーに出くわします

どの事件や出来事も彼女の勉強になっていき

段々成長していく過程がとってもいい

 

そして、和菓子の奥の深い事

そしてデパ地下の内部事情もとても興味深い

 

一緒に働く人たちも個性豊か

 

この本を読んだ後

9月になって秋を感じ始めたら

緑茶飲みながら、和菓子を食べたいな~

ってきっと思います

 

この本に出合えて本当に良かった

次は

「アンと青春」

「アンと愛情」

と続きます

 

あれ、これって「赤毛のアン」のシリーズと同じ?

いやいや「と」と「の」が違うのね

ひねってるね~

 

この本の著者坂木司さん1969年生まれ

勿論男性

よくこんなに上手に若い女の子の心理描写ができるものだと感心します

太宰治の書いた「女生徒」を読んだ時と同じような驚きを覚えました

 

 

 


曲亭の家

2021-08-29 13:54:07 | 読書

西條奈加著

「曲亭の家」

 

曲亭の家の曲亭とは

滝沢馬琴のこと

ペンネームが曲亭馬琴

 

あの「南総里見八犬伝」の作者

1814年に刊行開始

28年かけて、全98巻、106冊の大作

 

 

この里見八犬伝は角川映画で

薬師丸ひろ子さんと真田広之さんが演じていたのを見た記憶があります

NHKの人形劇でもやっていましたね~

 

 

この「曲亭の家」は西條奈加さんが「心淋川」で直木賞受賞後の第一作目の本

馬琴が主人公ではなく、嫁、路から見た馬琴と路の生き様が描かれています

 

 

冒頭はこんな不穏な入りから

 

どうしてこんな家に、嫁いでしまったのだろうー。

お路は深く、後悔していた。そして今日、遂にその気持ちが爆発した。

「お舅さま、お姑さま、旦那さま、短い間でしたがお世話になりました。

私、実家に帰らせていただきます」

 

 

周りから稀代の人気戯作者の家に嫁ぐなんて玉の輿などと言われ

そんなものかと嫁にきたものの

曲亭の家は自分の育った家とは真逆

横暴な舅

癇癪持ちの夫と小うるさい姑

家の中が暗い

 

冒頭の言葉を述べて、きっぱりと嫁ぎ先を出てきたものの

馬琴が倒れたから戻って介抱してくれと、迎えに来た夫

お腹にはこどもが・・・

 

仕方なく曲亭の家に戻ります

この家の常識人は彼女だけ

彼女がいなければ、この家は回っていきません

段々、この家の扇の要になっていきます

 

名声の高い舅に対して

路は、日々の生活の中に小さな幸せを感じながら生きていきます

不仲だった夫に路の「小さな幸せ」を語るくだりは何回読んでもいい

 

 

もともと病弱だった夫が亡くなり、

馬琴も目が不自由になります

しかし、里見八犬伝はまだ完結しておらず

路は馬琴に口述筆記を頼まれます

 

気難しい馬琴にののしられます

出来るはずもないことを無理やりにやらされ怒鳴られる路

思わず積年の恨むが口をついて出てしまいます

 

路は、気持ちを静めるために外にでるのですが

そこで、里見八犬伝を心待ちにしている市井の人達の立ち話が耳に入ります

鬼滅の刃を待ってた人と同じような気持ち

 

それを聞いた彼女は腹をくくります

馬琴の口述筆記に立ち向かいます

ここ辺は本当に感動的で読ませます

 

苦労ばかりだった路の人生ですが

彼女はこう思うのでした

 

安穏とは言えない生涯だったが、不平を言うつもりはない。

人の幸不幸は、おしなべて帳尻が合うようにできている。

お路は最近、そう思うようになった。

不幸が多ければ、幸いはより輝き、

大過がなくば、己の幸運すら気づかずに過ぎる。

 

と。

 

 

やはり西條奈加さん、読ませてくれます


おれのおばさん

2021-08-27 13:30:36 | 読書

佐川光春著

「おれのおばさん」

 

時代小説ばかり読み続けていると

こういう現代物の読み始めにかなりのエネルギーを必要とします

えい、や~

みたいな

 

たまには毛色の違う本にも挑戦することで脳の活性化

脳の活性化と言えば

 

千葉真一さんが亡くなられたニュースで

二階堂ふみさん主演の

「プロミス・シンデレラ」

の相手役の

眞栄田郷敦さんと

「イチケイのカラス」

に出ていた

新田真剣佑さんが

彼の息子さんだったなんて・・・

知らなかった~

 

知らなかったと言えば

近頃炎上したDaiGoさんの弟さんが

あの東大謎解きの松丸亮吾さんだって

ついていけてません

 

 

母がまだ70代の頃、一緒に住む孫に

「え~おばあちゃん、キムタク知ってるん!」

とびっくりされたと自慢気に話したのを思い出しました

 

 

前置きの何と長くなったことか

 

この「おれのおばさん」

結構主人公は大変なことに巻き込まれるのですが

いい男の子です

 

いいな~若いって

頭も良くて、ちゃんと切り替えもできて

人の気持ちも思いやれて

 

主人公は中学生

名門私立中学に合格してエリートコースまっしぐら

そんなる日、単身赴任中の銀行員の父親が

愛人にマンションを買うために銀行のお金を横領して逮捕されます

否応なく生活は一変し

札幌の児童養護施設に入ることになります

そこを運営しているのが主人公のおばさん

このおばさんが物凄くパワフル

 

そこで今まで出会ったことのない色んな人との出会いがあり

彼は成長していきます

 

と、まあこういう話

 

この本の冒頭

 

ぼく、わたし、おれ、わし。

我輩、拙者、俺様。

英語ではIだけですませる一人称が、日本語には今あげただけで7つもある。

 

という書き出しで始まります

 

3歳の孫が

この前まで

しゅんちゃんが~

って言ってたのに

そのうち

しゅんが~

になり、幼稚園に行きだした途端に

おれが~

って

噴き出してしまいました

 

男の子の成長は自分の呼び名で変わっていくんですね

面白い

 

食べず嫌いならぬ読まず嫌いにならないように

これからも色んなジャンルに挑戦してみたいのですが

う~ん、続くかな~

 


照降町四季シリーズ(1)

2021-07-11 16:58:22 | 読書

 

佐伯泰英著

照降町四季(1)

初詣で

 

一気に読みました

このシリーズは(4)まで

 

居眠り磐音や酔いどれ小藤次のように延々と続くシリーズではなく

1~4

4月から毎月

単行本、文庫本、電子書籍で出ました

 

江戸の大家と復興を通して描く町人たちの

勇気と奮闘のストーリー

 

主人公は鼻緒屋の一人娘佳乃

この佳乃の明るいキャラの為、

読後感も良く、サクサク読めました

 

小説にも、陽と陰とありますが

この小説は陽です

 

読んでいて元気がでます

 

お勧めです

 

(2)も図書館から予約確保のお知らせメールが入りました

いよいよ、「己丑の大火」です

 

(1)の感動が冷めないうちに、早速受け取りに行かなくては!

 


弥勒の月

2021-07-05 10:53:36 | 読書

 

2008年8月20日初版

あさのあつこ著

弥勒の月

 

いや~本当に面白かったですね~

 

あさのあつこさんが初めて書かれた時代小説だそうです

まずは何と言っても

キャラクターの灰汁が強い

特に北定町廻り同心の木暮信次郎

時代小説好きの私もかなりの同心に出会いましたが

このお方は断トツえぐいです

でも、なぜか引き付けられます

ダーテイーハリーのキャラハン刑事みたいな感じ?

口は悪いし、手は出るし、気分屋だし、ひねくれてるし・・・

 

この信次郎の亡き父親についていた岡っ引き伊佐治

父親とはあまりにも性格の違いについていけずに

何度も、もうやめさせてもらいます

と思うのですけど、そのたびに思いとどまり

彼に注意したり(全く聞かないけれど)、文句を言ったりしながら彼を支えていきます

 

そして、これがまたクールでかっこいい小間物問屋遠野屋の主人清之介

暗い過去を持つ清之介

その奥さんおりんが水死体であがります

 

そこで、この三人が関わって物語が進んでいきます

 

映画化されたらこの三人のキャラクターは誰だろうと想像するのもとても楽しい

 

文庫本の方の解説を児玉清さんが書かれていました

 

 

児玉さんはこの解説を書かれて数年後に亡くなられたんですね

う~ん

もしこの本を読んでみようと思われたら

この児玉さんの解説を最初に読んでから本文に入るのをお勧めします

ここまで素晴らしい解説をかいてもらったあさのあつこさんは

どんなに嬉しかったことでしょうね

その後の時代小説を沢山書いていく原動力になったのは確かじゃないかと思います

 

この三人の性格を描き切れなかったのでシリーズ化したとのこと

次は「夜叉桜」です

 


本日も晴天なり

2021-07-01 21:34:31 | 読書

 

 

梶よう子著

本日も晴天なり

鉄砲同心つつじ暦

 

主人公 礫丈一郎の父、徳右衛門は56歳

血気盛んでまだまだ息子に家督を譲ろうとしません

この時代で56歳でまだ現役!!!

 

しかし、これをいいことに丈一郎は家計のためでもあるのですが

つつじの栽培に精を出しています

つつじ大好き人間

鉄砲を担ぐより、つつじを愛でていたい

 

父、徳右衛門は鉄砲百人組の同心

お決まりの30俵2人扶持

30俵が年俸

2人扶持は月給

2人の1人がお勤めしている本人でもう1人が家来

1人扶持が1日玄米5合の支給

合わせると15石程度

家族の分はカウントされません

 

旗本の中クラスで5千石

御家人でも平均250石

 

 

礫家は家族が多い

 

丈一郎と妻と一人息子

父と母

祖母

の6人家族

↑ 本の表紙は丈一郎一家オールメンバーです

これではサイドビジネスしないと食べていけませんよね

 

ここは現在の東京都新宿区百人町

当時はつつじの名所だったそうです

 

ここの地でなぜつつじ?

とおもうのですが、なんでも鉄砲に必要な火薬がつつじの肥料にもなるんですって

 

文中に最初は鹿児島の霧島山から苗を取り寄せたと書かれています

ミヤマキリシマです

これは九重連山、阿蘇山でも時期になればじゅうたんが敷かれたように

とっても綺麗です

 

頑固一徹で手のかかる(寺内貫太郎風)父

と、温厚な丈一郎

その家族とつつじのお話です

 

時は江戸末期、勿論びっくりするような事件も起きます

 

そこで家族の絆がとても温かく描かれます

 

気持ちが癒される一冊です