失われた大いなる喜び

昨年のことですが、ゆうちょの通帳が見当たらなくなりました。

ちまちまと入金し下ろさない、蛇口から一滴の水がコップに溜まるが如しの通帳。
一人でたまに眺めるという光景は人に見られたくないけど、けっこう楽しい。

その通帳がいつも入れてある場所に無い、探したけど無い。
こんな時は待つのが一番。

ある日、「あ！こんなところに」と発見して「よかった～！」と嬉しくなる。
しかし、待っても待ってもその日は来なかった。

半年を超えて再発行をして貰いました。
数日して届いた新しい通帳に罪は無いのに、無念の思いが・・


そして「嘘みたい！」と思ったのが行方不明だった通帳を三日後に発見したこと。

あー、思い出した。

出かけようとしたらバッグに通帳が入ったままだった、持ち歩くのはイヤだなと思ったけど、
部屋まで戻るのが面倒で玄関の物入れに入れたんだわ。

長い年月共に過ごしてきたその通帳はもう使えない、発見した瞬間、小躍りして喜ぶはずだったけど、
探し物を見つけた安堵の喜びはやってこなかった。

代わりに感じたのは、自分の迂闊さと間の悪さの苦さ。

今もけっこう引きずっていて、夜更けに一人通帳を眺める儀式はやらなくなってしまいました。