MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『神様のカルテ2』

2014-04-15 00:19:41 | goo映画レビュー

原題:『神様のカルテ2』
監督:深川栄洋
脚本:後藤法子
撮影:山田康介
出演:櫻井翔/宮崎あおい/藤原竜也/要潤/柄本明/市毛良枝
2014年/日本

「残酷な天使のテーゼ」について 

 主人公の栗原一止が勤務する信州の本庄病院は「24時間365日」を看板に掲げ地域医療の一端を担うのではあるが、勤務する医師たちには過酷な労働条件が強いられている。そこに一止の大学時代の同期のエリート内科医である進藤辰也が赴任してきて、さらに本庄病院消化器内科部長の貫田誠太郎が末期の悪性リンパ腫で倒れたことも手伝って、家族を顧みることをせずに仕事に没頭してしまう医師のあり方が問われることになる。
 その問題を考えるきっかけとなる出来事は貫田と妻の貫田千代に満天の星を見せるために病院の屋上に2人を連れていき、1分間だけ病院の全ての明かりを消して観賞してもらおうと一止たちが画策した時である。「24時間365日」という赤い電光の文字が消える時、一止たちが身上としていた医療方針は一旦放棄されることを意味し、その間にそれぞれが自分たちの生き方を改めて考えることになる。彼らに明確な答えが見つかったようには思えないが、それは決まりきった答えではなく、お互いが納得しながらそれぞれの新しいライフスタイルを見つけようという密かな誓いを立てるからであり、残酷にも再び「24時間365日」は光りだすのである。
 同じ後藤法子の脚本である『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』(星野和成監督 2014年)と比較するならば、本作の方が出来が良いと思う。


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