MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『グリーン・ホーネット』 60点

2011-01-23 01:18:31 | goo映画レビュー

グリーン・ホーネット

2010年/アメリカ

ネタバレ

不安定な‘アイデンティティ’

総合★★★☆☆ 60

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 それにしても‘カトー’とは一体何者だったのかこの作品を観終わった今になっても分らない。カトーが上海出身だと言ったことに対してブリット・リードは「俺は日本が好きだ」と返答したのであるが、そのブリットの答えをカトーは無視していた。しかしここでカトーがツッコミを入れなければブリットはボケて言ったのではなくて上海が日本にあると本気で思っていることになってしまう。カトーは中国語を喋っているのであるが、コーヒーメーカーや、カトーが開発した‘ブラック・ビューティー’というスーパーカー内のスイッチの表記は日本語のようにも見える。中華街ではなく日本食堂内での銃撃戦、握り寿司型の盗聴器など、いずれにしてもカトーという名字から彼の父親が日本人であることは間違いないと思うのだが、とにかく終始カトーのアイデンティティが気になって物語に集中できなかった。
 物語自体は昨今の‘ヒーローもの’で描かれるようにヒーローのあり方が描かれている。『キック・アス』(マシュー・ヴォーン監督 2010年)と同様にブリット・リードの亡くなった彼の父親の銅像の首を切断することによる‘父親からの独立’から物語は始まる。
 ロサンゼルスを裏で支配するベンジャミン・チュドノフスキーは実力があるにも関わらず‘華’がないために他のギャングたちに見下されてしまうことに悩んでおり、‘緑’に対抗するように‘赤い戦士’になることで自分自身をプロモーションしようとする。他方、ブリット・リードはグリーン・ホーネットに扮することによって‘華’を獲得するのであるが、実力が伴わないために、実力があるカトーと組むことで不足している実力を補うことにする。このようにベンジャミンとブリットの対照的な二人の戦いになるのであるが、結果的には善悪とは関係なく、いかに上手く情報操作ができるかどうかが勝敗のカギとなり、「デイリー・センチネル」という新聞社の社長であるブリット・リードが勝利を収めることになる。
 このように物語は比較的分かりやすいのであるが、コメディとしては全く笑えない。せっかくキャメロン・ディアスまでキャスティングしているにも関わらず、コメディアンヌとして彼女が全く活かされていない。
 カトーのアイデンティティが不安定であるように、この作品もコメディなのかシリアスなのかはっきりしないため、残念ながら『キック・アス』のように気軽に見られる作品にはなっていない。


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