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原題:『The Second Best Exotic Marigold Hotel』
監督:ジョン・マッデン
脚本:オル・パーカー
撮影:ベン・スミサード
出演:ジュディ・デンチ/ビル・ナイ/マギー・スミス/デヴ・パテル/リチャード・ギア
2015年/イギリス
「卵巣の疼き方」について
前作『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』の原題は「The Best Exotic Marigold Hotel」で本作の原題は前作の原題に「Second」が付いただけであるが、結果的に「二番目に最高(The Second Best)」というタイトルがそのまま当てはまるような出来だと思う。
ホテルの支配人であるソニー・カプールとスナイナの結婚式でダグラス・エインズリーが引用した詩はアルフレッド・テニスン(Alfred Tennyson)のもので、『007 スカイフォール』(サム・メンデス監督 2012年)においてもテニスンの詩は引用されており、ここにイギリス映画らしさを感じさせるのであるが、ダグラスの娘のスーザンも「Beating the Bubble(誇大な計画を打ちのめせ)」という経営に関する講演をしており、インテリの家族とはこのようなものなのであろう。
しかし最も印象的なシーンはそのような知性よりも「感情的」なラストで、ソニーとスナイナの結婚式に何故かミュリエル・ドネリーだけが出席しないまま終わってしまう。体調がすぐれないとしても寝込んでいるわけではないので、出席することは可能だったはずで、他のホテル滞在者が年相応の相手を求めていたのに対して、ミュリエルのソニーに対する想いが本気であることを感じさせるのである。