国家代表!?
2009年/韓国
‘極寒’における‘滑り方’
総合 20点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
例えば『息もできない』(ヤン・イクチュン監督 2009年)などのシリアスな物語の韓国映画は大いに共感するのであるが、コメディは笑いの壷が合わないためにあまり見る機会に恵まれなかった。しかし‘韓国で860万人動員、4週連続ダントツ1位&歴代興行成績6位の大ヒット映画’とプロモーションされている以上、今度こそは笑えるのではないのかという淡い期待を持って観に行ったのであるが、滑っていたのはスキーではなくてギャグの方だった。
とにかく冒頭のギャグから笑えず、飛行機から撒かれる農薬を主人公たちが浴びるシーンも笑えないまま、結局最後まで笑えなかった。物語自体にも疑問があり、例えばチルグが足を骨折して試合に出られなくなった代わりに彼の弟のボングが出場することになるのであるが、大ジャンプをしたものの転倒してしまったために得点が入らず、韓国代表は最下位に甘んじてしまう。特にスキージャンプに詳しいわけではないのであるが、転倒した場合は減点されても無得点ということはないと思う。‘ほぼ実話’らしいのだが、何故ドラマではなくコメディにしてしまったのか疑問が残る。
疑問ついでに言うならば、この作品をいとうせいこう氏が字幕監修しているのも疑問である。例えば韓国と映画の両方に通暁している明治学院大学教授の四方田犬彦氏であるならば、どのように頑張ってみてもそれ以上良くはならなかったのであろうと納得も出来るのであるが、いとう氏が字幕監修としてどれほどの功績があったのかが結果として全く見えてこなかった。
何れにしても‘極寒’の‘スベリ’を体感したいという奇特な人以外には勧められない作品である。
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