MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『サバカン SABAKAN』

2022-10-16 00:59:24 | goo映画レビュー

原題:『サバカン SABAKAN』
監督:金沢知樹
脚本:金沢知樹/萩森淳
撮影:菅祐輔
出演:番家一路/原田琥之佑/尾野真千子/竹原ピストル/村川絵梨/福地桃子/貫地谷しほり/草彅剛/岩松了
2022年/日本

売れない小説家が売れない驚きの原因について

 主人公の久田孝明は作家として生計を立てているものの、自分が書く小説は売れず妻の弥生とは離婚して娘とも離れて暮らしゴーストライターとして糊口をしのいでいるのだが、そんな時に久田は家にあったサバの缶詰を見て1986年当時に長崎で暮らしていた小学5年生の頃、一緒に遊んでいた竹本健次という友人を思い出す。健次の家は父親が早くに亡くなり母親の雅代は仕事で忙しく弟や妹もいたので母親代わりに世話もしており、兄弟に振る舞う健二の得意料理がサバの缶詰を使った握り寿司だったのである。
 しかしその母親も家を出る時の健次の様子のおかしさを気にしたまま帰宅していた途中で交通事故に遭って亡くなるのであるが、このことはもちろん観客以外に誰も知らないが故に悲哀が増す。
 両親を失った竹本の子供たちはそれぞれ親戚に引き取られていくのであるが、最後に久田は地元を後にする健次を見送るためにサバの缶詰を大量に買って駅まで届け、自分たちの友情を確認するのである。
 そのようなことを思い出した久田は小説を書き上げるのだが、不思議なのはこの後の展開で、何と久田はその後もずっと健次と友情を育んでいたのである。それならば何故ゴーストライターへと落ちぶれる前にこの題材で小説を仕上げなかったのかと不思議に思うのである。この結末には逆に驚かされた。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-134879


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