原題:『Scary Stories to Tell in the Dark』
監督:アンドレ・ウーヴレダル
脚本:ダン・ヘイグマン/ケヴィン・ヘイグマン/ギレルモ・デル・トロ
撮影:ロマン・オーシン
出演:ゾーイ・マーガレット・コレッティ/マイケル・ガーザ/ガブリエル・ラッシュ
2019年/アメリカ・カナダ
怖くない怪物の意味について
『ミッドサマー』(アリ・アスター監督 2019年)同様に本作も「ホラー映画」として弱いと感じるとするならば、時代背景を勘案していないからである。1968年のアメリカはベトナム戦争の真っただ中でソンミ村虐殺事件なども起こして泥沼状態で、実際に主人公の一人であるレイモン・モラレスは徴兵忌避者である。つまり本作はベトナム戦争によりトラウマを抱えた高校生たちが見た「悪夢」であり、よって主人公たちを襲ってくるモンスターたちはどことなくかわいらしさが残っているキャラクターなのである。
メインテーマとして流れるドノヴァン(Donovan)の「魔女の季節(Season of the Witch)」は既に和訳しているので、ここではしない。