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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『KANO 1931海の向こうの甲子園』

2015-03-08 00:44:15 | goo映画レビュー

原題:『KANO』
監督:馬志翔
脚本:陳嘉蔚/魏徳聖/馬志翔
撮影:秦鼎昌
出演:永瀬正敏/大沢たかお/坂井真紀/伊川東吾/曹佑寧/謝竣晟/張弘邑/陳勁宏
2014年/台湾

エンドロールで没年が訳されない作品の観賞方法について

 『バンクーバーの朝日』(石井裕也監督 2014年)と『アゲイン 28年目の甲子園』(大森寿美男監督 2015年)と共に本作が「野球映画3部作」と呼ばれている理由は、3作品共に実話が元になっているからであろうが、やはり本作は外国における野球が扱われているために『バンクーバーの朝日』と比較してしまう。不思議なことに『バンクーバーの朝日』で描かれた人種差別の問題は本作ではほとんど問題になっておらず、相手チームによる嫌がらせはあるものの、日本人と漢人と呼ばれる台湾人と台湾原住民で構成された嘉義農林野球部内で人種による対立は全くなく、寧ろ「守備に長けた日本人、打撃に長けた漢人、韋駄天の如く足の速い高砂族」とキャラとして映える。
 あるいは冒頭で札幌商業学校野球部投手だった錠者博美が列車での移動による出征の途中、嘉義農林野球部が使用していた練習場を訪れるのであるが、彼は特別な目的があったわけではなく、かつて自分が対戦した相手チームの嘉義農林野球部がどのような場所で練習していたのか確かめに寄っただけである。
 3時間5分の上映時間にも関わらず、無駄なサブストーリーは削いで、そのほとんどが野球の練習と試合に充てられており、あくまでも娯楽作品なのであるが、そのように割り切って観るならばなかなかよく出来ていると思う。


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