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「物語オランダの歴史」桜田美津夫

2024年06月24日 06時53分44秒 | 読書(歴史/時代)


「物語オランダの歴史」桜田美津夫

P6
低地諸州がヨーロッパ屈指の人口密集地域であったのは、14世紀の黒死病(ペスト)大流行の際、この地域だけ著しく死亡率が低かったことに起因する。乳製品や魚から良質の蛋白質を摂取していたおかげで総じて栄養状態がよかったためという説があるが、確かなことはわからない。

P72
一般にユダヤ人は、中世以来、ヨーロッパ・キリスト教社会に身を置き、都市生活者として主に金貸しや行商によって生きてきた。(中略)
彼らがオランダに迎え入れられたのは、主にその国際商業上のノウハウや広範な通商網ゆえである。

P153
リーフデ号には18門の大砲、500挺の小銃、5000個の砲弾など武器弾薬が大量に積み込まれていた。商売敵のオランダ人に激しい敵愾心を抱くポルトガル人たちは、この重装備を根拠として、漂着したオランダ人たちを海賊ときめつけ、極刑にするよう家康に求めた。(中略)
もし家康がポルトガル人の讒言を安易に信じて、アダムス、ヤン・ヨーステンらを「海賊」として本当に処刑していたら、その後の平戸や出島での日蘭貿易もいっさいなかったかもしれない。

【ネット上の紹介】
16世紀、スペイン王権との戦いから「低地諸州」北部であるオランダは独立。商機を求めてアジアや新大陸へ進出し、17世紀、新教徒中心の共和国は、世界でも最有力の国家となった。だが四次にわたる英蘭戦争、フランス革命の余波により没落。ナポレオン失脚後は王国として復活し、20世紀以降、寛容を貴ぶ先進国として異彩を放つ。本書は、大航海時代から現代まで、人物を中心に政治、経済、絵画、日本との交流などを描く。
第1章 反スペインと低地諸州の結集―16世紀後半
第2章 共和国の黄金時代―17世紀
第3章 英仏との戦争、国制の変転―17世紀後半~19世紀初頭
第4章 オランダ人の海外進出と日本
第5章 ナポレオン失脚後の王国成立―19世紀前半
第6章 母と娘、二つの世界大戦―19世紀後半~1945年
第7章 オランダ再生へ―1945年~21世紀

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