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「 美術品でたどるマリー・アントワネットの生涯」中野京子

2024年04月15日 08時18分08秒 | 読書(歴史/時代)


「 美術品でたどるマリー・アントワネットの生涯」中野京子

読み返し。

デュー・バリー夫人との対立について
P67
「負けて勝つ」という戦いができなかったのは、年齢のせいばかりではないだろう。皆が感じたように、すでにもうここにアントワネットの性格上の特徴がはっきりあらわれている。侮辱を許さぬプライドの高さだ。それは自信のない人間に限って極端な表出となる。

ポリニャック夫人について
P105
ポリニャック家はブルボンの疫病神だったのかもしれない。
(ランバル公爵夫人は最後まで忠誠を尽くし暴徒に惨殺される、一方ポリニャック夫人は財産を抱えて国外逃亡、息子は王政復古で首相となりブルボン終焉に導く)

ヴェルサイユからチュイルリー(1世紀以上も捨て置かれた建物で荒れ放題)へ移される・・・P135
ルイ・シャルルが、「ここはずいぶん汚いね、ママ」と言ったとき、アントワネットの返事はみごとなものだ。「ここにはルイ14世がお住みになり、居心地が良いと思われていたのですよ。わたしたちがそれ以上を要求してはなりません」。
 この誇り高い言葉は、次の感慨へ一直線に続いている、「不幸になって初めて、自分が何者かわかるのです」。

ルイ16世の遺書
P165
「我が妻には、わたしのせいで彼女の身にふりかかってしまった不幸、そしてともに過ごした期間にわたしが彼女に与えたであろう悲しみについて赦しを乞います」

P182-189
荷馬車がようやくコンコルド広場に着いた時、ギロチン台の周りには一万人もの群衆が集まっていた。アントワネットはしっかりした足取りで階段を上がったが、死刑執行人の足を踏んでしまい、「ごめんなさいね」と謝った。急激に痩せたせいなのか、その時、靴が片方脱げてそのままになったという。まるでシンデレラのように。(死ぬ直前、死刑執行人を気遣うこころばえに心がうたれる。その時の靴は、カン美術館に保管されている)


【参考リンク】
「マリー・アントワネット運命の24時間」中野京子

【ネット上の紹介】
フランスの栄華をきわめたヴェルサイユの歴史。なかでも最も魅惑的な人物として語り継がれる悲劇のヒロイン、マリー・アントワネット―その三十八年の生涯を、「ヴェルサイユ宮殿(監修)マリー・アントワネット展」の出展作品を題材にしながら紡いでいく。王妃の運命を決めた“偶然・暗転・想定外”(コラム)を収載。
[目次]
ハプスブルク家のプリンセス
変わりはじめた国際地図
嫁ぎ先ブルボン家
王太子妃としての生活
神に選ばれた王妃
ロココの薔薇
忍び寄る革命
「パリへ!」
逃亡失敗とフェルゼン
引き裂かれた家族
忘れ得ぬ王妃 

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