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「圓朝」奥山景布子

2020年01月18日 07時58分50秒 | 読書(歴史/時代)
「圓朝」奥山景布子

名人・三遊亭圓朝の生涯。
もともと歴史と落語に造詣が深い著者の面目躍如。

P132
「おーせーふっこってなんだい?」
「さあ。公方さまがいなくなるって噂だが」
「まさか。そんな天地がひっくりけぇるようなこと、あるもんかい」
「お江戸も薩長のものになるってのは本当かい」
「冗談言っちゃいけねぇ。そんなことがありゃ、お天道さまが西から上がらぁ」

P165
「ううん。お前さんたち、『三教則』って知ってるか」
「聞いたことはありますよ。確か、敬神愛国、天理人道、皇上奉戴、でしたっけ」
 簡単に言えば、朝廷を敬い、行儀良くせよ、ってことだと(後略)

【備考】
さて、圓朝は多くの新作落語を創ったが、それには理由がある。
以下、Wikipediaより――
あまりの巧さに嫉妬され、師匠の2代目 三遊亭圓生から妨害を受けた。具体的には、圓朝が演ずるであろう演目を圓生らが先回りして演じ、圓朝の演ずる演目をなくしてしまうのである。たまりかねた圓朝はこれなら他人が演ずることはできないだろうという自作の演目を口演するようになり、多数の新作落語を創作した。

【誤植】P87
――姓は・・・・・・萩原だ。
「荻原」の字面を見ていて、(以下略)
(最初が「萩」で後が「荻」になっている・・・・・・「千と千尋」じゃあるまいし、わざと間違えた、ってことないと思うけど)

【ネット上の紹介】
裏切り、怨念、なんのその!「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」など数々の怪談、人情噺を残し、江戸と明治を駆け抜けて、芸能の怪物となった三遊亭圓朝。しかし、その実人生は「まさか」の連続だった。師匠に嵌められ、弟子は借財まみれ、放蕩息子は掏摸で逮捕。売れない修業時代から、名人にのしあがった晩年まで不屈の魂に燃えた“大圓朝”の堂々たる一代記。
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