「サウダージ」垣根涼介
日曜日、『ルカラ』から疲れて帰宅。
遅い夕食後、風呂に入る。
「あ~、疲れた」
2階に上がり、メールのチェック。
「今日は、早めに寝るか」、とベッドイン。
いつもの習慣で、本を開いたのが「サウダージ」。
ちょっと読んでから寝よう、と思った。
しかし、止まらない、面白すぎる。
アキと耕一の視点が交互に入れ替わりながら、物語が進行する。
この2人が対照的に描かれる。
また、この2人の彼女も対照的。
アキの彼女は年上、理知的な瞳、控え目なメイク、美人という以上に、非常に聡明な印象。
一方の耕一の彼女はコロンビアからの出稼ぎ売春婦、巨乳、気分屋で頭が悪く、金に汚い。
でも、全身から発散する圧倒的な生命力、色気、華やかさ、くどいくらいに美しい。
著者・垣根涼介さんは、巨乳バカ女を描かせると、やたら巧い。
(前作「ギャングスター・レッスン」でも、そうだった、生き生きとした描写)
今作「サウダージ」では、コロンビアからの売春婦DDの描写が素晴らしい。
そんな彼女に惹かれ、引き摺られる耕一。
DDを売春婦から足を洗わせ、コロンビアに返してやろうとする。
それが、麻薬取引と現金強奪のクライマックスへと盛りあがっていく。
圧倒的な筆力、ページをめくる手を止められない。
結局、最終ページ・完結まで一気読み。
・・・夜中の1時過ぎであった。
次は、シリーズ最新刊・「ボーダー」。
実は、ベッドの横に「ボーダー」を準備してた。
そして、つい手に取ってしまった・・・(続く)。
【ネット上の紹介】
故郷を捨て、過去を消し、ひたすら悪事を働いてきた日系ブラジル人の高木耕一は、コロンビア人の出稼ぎ売春婦DDと出逢う。気分屋でアタマが悪く、金に汚い女。だが耕一はどうしようもなくDDに惹かれ、引き摺られていく。DDのために大金を獲ようと、耕一はかつて自分を捨てた仲間―裏金強奪のプロである柿沢に接触する。