【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「水曜日の凱歌」乃南アサ

2024年05月06日 06時54分21秒 | 読書(小説/日本)


「水曜日の凱歌」乃南アサ

RAAがテーマ。
昭和20年8月15日(水曜)から昭和21年4月3日(水曜)。
鈴子は14歳。
上の兄は死に、もうひとりの兄は出征して行方不明。
妹は東京大空襲ではぐれてしまい見つからない。
母と二人で生きていかねばならない。

母には意外な才能があった。
当時珍しく女学校を出ていて、英語が出来たのである。
進駐軍相手の特殊慰安施設(RAA)で通訳として採用される。
芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

P685
「戦争中は『産めよ殖やせよ』で、戦争に負けた途端に、今度は同じまたを外人どもに差し出せとは、何ていう節操のなさなんだっ!それでも平気なのかっ!見ていやがれ、この国を駄目にした男ども!女の1人も守れないで、何が日本男児だ、大和男子だ、馬鹿野郎っ!」

ぜひ続編を書いてほしい。
ヒロインの鈴子もそうだけど、勝子のその後も気になる。
ミドリさん、モトさんは、戦後をどう生きたのだろう?


「水曜日の凱歌」乃南アサ
(前回は単行本で読んだ。今回は文庫本で買い直して読んだ)

【ネット上の紹介】
昭和二十年八月十五日、男たちは戦争に敗れた。今度は女たちの戦が始まる! 敗戦国日本は、男を戦地に駆り出す代わりに、女たちを進駐軍に〈防波堤〉として差し出した――。十四歳の鈴子は、RAA(特殊慰安施設協会)の誕生に立ち会う運命となり、自分の母親を含む、さまざまな階層の女たちの変化と赤裸々な魂を見つめていく……。国家、女と男、アメリカ、自由、そして現在までを問う現代史秘譚刊行。

この記事についてブログを書く
« 「馬の惑星」星野博美 | トップ | 「ぼっち死の館」齋藤なずな »

読書(小説/日本)」カテゴリの最新記事