「鬼平犯科帳」(11)池波正太郎
シリーズ11作目。
次の7編が収録されている。
「男色一本饂飩」
「土蜘蛛の金五郎」
「土」
「亡き味噌屋」
「密告」
「毒」
「雨隠れの鶴吉」
P38
この[算者]というのは[算術や数理のことに熟達した人]を指す。ゆえに、この職業は、算盤をはじめ数理・計算の知識に通じてい、これを諸人に教えて報酬を得るのである。そればかりか、諸方の商家への出入りし、また、武家屋敷の財政についての相談にあずかるという、現代でいう[経営コンサルタント]のようなこともしていたらしい。
P376
「物事には、いちいち理屈をつけるものではない。人間という生きものは理屈とは全く無縁のものなのに……どうも、得てして理づめに生きたがるのがおかしい、と、ね」
【ネット上の紹介】
人気絶大、いまや国民的時代小説といえる「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻を、より読みやすい【決定版】で毎月二巻ずつ順次刊行中。色白でぽってりとした同心・木村忠吾の好物は、豊島屋の一本饂飩。親指ほどの太さの一本うどんがとぐろを巻いて盛られていて、柚子や摺胡麻、葱などの濃目の汁で食べるのである。そんな忠吾が、豊島屋で男色の侍に目をつけられ誘拐される「男色一本饂飩」ほか、ちょっとうまそうな食べ物が脇役となっている作品が印象的な第11巻。「男色一本饂飩」「土蜘蛛の金五郎」「土」「亡き味噌屋」「密告」「毒」「雨隠れの鶴吉」の7篇を収録。