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【ぼちぼちクライミング&読書】

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「腐れ梅」澤田瞳子

2017年09月05日 19時53分19秒 | 読書(歴史/時代)


「腐れ梅」澤田瞳子

澤田瞳子最新作。
北野天満宮縁起を描いている。
菅原道真を祀る神社は如何にして出来たのか?
平安貴族社会だけでなっく、下層社会も描いている。
巫女の綾児(あやこ)とその周辺の人物を中心に物語が展開。

P116
「新しい場所だと。それはどこだ」
 身を乗り出す文時を苦笑いして見やり、「北野だ」と最鎮はゆっくり告げた。
「北野だと――」
 平安京北方、洛外の北野は、川からも山からも離れた原野。

【疑問】
生まれも育ちも京都の著者だが、どうして標準語で物語を展開したのだろう?

【感想】
しかし、こんな風に書いて、北野天満宮からクレームがつかないだろうか?
読んでいて心配になった。
「若冲」の時にも感じたが、もう少し素直に「解釈」して欲しかった。
若冲は、実際、幸せな人生だったかもしれない。
それと同様に、北野天満宮も、ここまで捻った解釈をしなくても良かったように感じる。
初期の著者の作品は、こんな風でなかったと思うけど。
どこで屈折してしまったのだろう?

【ネット上の紹介】
平安時代、身体を売って暮らす似非巫女の綾児(あやこ)は、その美貌を見込まれて、菅原道真を祀る神社をでっちあげる策謀に誘われた。神社の筆頭巫女として、権力を存分にふるえるかに思われたのだが……。