「小暮写眞館」宮部みゆき
先日読んだ「希望荘」が良かったので、読み残している現代小説、ってことで、本書を選んだ。
やはり、面白い。
凶悪犯罪は起きないが、「名もなき毒」の一歩進んだ姿を提示している。
高校生たちが活躍する青春小説としても楽しめる。
なお、本書は講談社のハードカバー→講談社文庫→今は、新潮文庫で読める。
私は、最初ハードカバーで読んでいたが、途中から講談社文庫・上下2冊に切り替えた。
700ページを超える単行本が重すぎて、保持するのがしんどいから。
P71
高齢者にとっては、毎日が日曜日なのではない。曜日なんか関係なくなるのだ。
P329
「そういう無神経と、積極的な悪意の境界線って、どっかにあるのかな」
【著者の言葉】
P546-547
やっぱり今までね、女性が犯人になるにしろ、女性が被害者になるにしろ……特に、この本の前に書いた『名もなき毒』なんて、非常に家庭は恵まれているのに、自分だけ逸脱していってしまう若い女性を書いたんですけども、結局、彼女は逮捕されるっていう形でしか、ピリオドを打てなかったんですね。でも、この本はそうじゃなくて、そういう危ういところにいる人が、ちゃんと自分で、向こう側にも行かずこっち側に帰って来れる話にしようと。
P547
ロジックとかヒューマニズムとかでは、もう私はエンジンがかからなくなってきたから、他に何があるんだろう、っていう時に、その「親切」っていうキーワードをもらったような気がしました。
【ネット上の紹介】
物語のすべてが詰まった700ページの宝箱著者3年ぶり現代エンターテインメント長編。
――この写真には謎がある。人の本音はときどき、思いがけない形で姿を見せるから。家族とともに古い写眞館付き住居に引っ越ししてきた高校生の花菱英一。変わった新居に戸惑う彼に、一枚の写真が持ち込まれる。それはあり得ない場所に女性の顔が浮かぶ心霊写真だった。不動産屋の事務員、垣本順子に見せると「幽霊(そのひと)」は泣いていると言う。謎を解くことになった英一は。待望の現代ミステリー。
「いいエリート、わるいエリート」山口真由
先日読んだ、「ハーバードで喝采された日本の「強み」」が良かったので、読んでみた。
この後、著者はハーバードに留学するが、その心境が分かった。
P42
「あなたは女の子なんだから、東大ではなく慶応に行ったら?」
大学受験の時、母は、冗談めかして、私にこう言いました。
P66
弁護士になる前の研修で裁判官からお伺いした話です。裁判官のかたは声を潜めて、「経験上、女性トラブルがずば抜けて多い職種が一つだけある。そう、医者なんだよ……」(後略)
P124
表面的な優しさの向こうに、私は、ナルシズムを感じてしまいます。人は、優しくされるより、むしろ優しくするときに快感を感じるのだそうです。
【参考】
「ハーバードで喝采された日本の「強み」」山口真由
【ネット上の紹介】
東大法学部在学中に司法試験と国家公務員1種に合格、成績はオール「優」で首席卒業、財務省に入り、弁護士に転職、ハーバード留学―そんな「非の打ちどころのないキャリア」は、どのようにして獲得されたのか。その裏にはどんな苦悩があったのか。エリートになりたい人、子どもをエリートにしたい親、エリートなんて鼻持ちならないと思う人へ、自らの半生をもとに本音で語る体験的エリート論!
第1章 いい勉強、わるい勉強(勉強し過ぎて幻聴を聴いた
勉強には努力に応じた見返りがある ほか)
第2章 いい東大生、わるい東大生(「東大=一番」ではなかった
教育を享受した者は社会に還元すべき ほか)
第3章 いい官僚、わるい官僚(採用面接で「つまんねえ人生だな」
外務省不採用で大泣き ほか)
第4章 いい弁護士、わるい弁護士(専門職はミッション
お客様の存在を初めて知る ほか)
第5章 いいエリート、わるいエリート(瑕疵がない鋼鉄のエリート
平等社会がエリートを叩く ほか)
「希望荘」宮部みゆき
「杉村三郎シリーズ」の第4弾
「誰か」
「名もなき毒」
「ペテロの葬列」
そして、本作「希望荘」。
キャラクター造形、ストーリーテリング、謎解き、と三拍子揃った面白さ。
円熟の技を感じる。
次の4編が収録されている。
「聖域」
「希望荘」
「砂男」
「二重身」
特に良かったのが、「砂男」。
サイコパスの造形がリアルで、怖くなってくる。
小出しにする演出が巧い。
P61
「ベルは鐘、ブックはただの本じゃなしに〈ザ・ブック〉つまり聖書のことで、キャンドルは蝋燭。その三つは確か、魔女を象徴するアイテムだよ」
P243
「女性は、親友には彼氏をお披露目せずにいられないイキモノのようですからね」
(中略)
「大事な彼氏ならちゃんとしまっておけ、と言いたいですね」
P385
恥じ入るのをやめ、はにかんだ。この二つの差異は微妙だが、その違いは誰が見たってわかる。
【おまけ】
シリーズ4作品、どれもすぐれた出来栄え。
他の作家と比べると、どれも平均点以上。
でも、同じシリーズの中では、優劣がある。
「誰か」は、平均点の少し上くらい。
「名もなき毒」は、優れている。宮部みゆき作品の中でもトップクラスの仕上がり。
「ペテロの葬列」で、少し落ちる。前作が良すぎたので、期待しすぎたのもある。
そして、本作「希望荘」。これで盛り返した。満足、満足、ってところ。
【ネット上の紹介】
家族と仕事を失った杉村三郎は、東京都北区に私立探偵事務所を開業する。ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。依頼人の相沢幸司によれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで30年の空白があった。果たして、武藤は人殺しだったのか。35年前の殺人事件の関係者を調べていくと、昨年発生した女性殺害事件を解決するカギが隠されていた!?(表題作「希望荘」)。「聖域」「希望荘」「砂男」「二重身」…私立探偵・杉村三郎が4つの難事件に挑む!!
「氷の靴 ガラスの靴」(3)荻原規子
KADOKAWA電子書籍「小説屋sari-sari」7月号
「RDG レッドデータガール」スピンオフの連載3回目。
パソコンの画面上で読むのは、あまりしっくりこない。
紙で読むのに慣れているから。
でも、良いことがある。
7/6から7/7に日付が変わったとたん、読めることだ。
書店の在庫を気にしながら探す手間もない。
さて、いよいよスケート教室が始まる。
熟練度により、クラス分けされる。
真響、真夏、深行は上級クラス。
泉水子は初心者クラス。
夜はレセプションがあり、謎のインストラクター登場。
真夏と泉水子は、途中で抜けて、夜のスケートリンクに行く。
P168
「鈴原でも妬くんだとしたら、おれは――」
少し言葉を探すように、深行は間を置いて言った。
「――助かったと言いたいかもな」
(普段自信たっぷりの深行の意外な面を感じさせる言葉だ)
「風呂ソムリエ」青木祐子
先日読んだ「狂う人」が重い作品だったので、軽い作品を読みたくなった。
OL風呂小説「風呂ソムリエ」である。
以前、この著者の「これは経費で落ちません!」を読んだことがある。
本作品は、同じ職場が舞台。
登場人物もかぶるので、楽しめた。
息抜きも必要だ。
P91
「私は無香料じゃなきゃ困るわ」
「美月さんは鼻がいいですからね」
芹沢は笑った。
「無香料が好きな人は、他人に無関心な人のような気がします。自分が何かと混じり合うのを嫌う人ですね。臆病者か自信家、あるいはその両方です。(後略)」
【ネット上の紹介】
天天コーポレーション研究所の受付嬢、砂川ゆいみは風呂が大好き。銭湯で失恋の痛手を癒しているときに、入浴剤開発員の鏡美月と知り合ったことから、モニターに抜擢される。美月は営業部の円城格馬とともに、バスタオルと水着に身を包み、今日も理想の風呂を目指して研究に励む。ゆいみ、美月、格馬ははたして理想のお湯を作れるのか!?本邦初!?OL風呂小説!
「氷の靴 ガラスの靴」(2)荻原規子
KADOKAWA電子書籍「小説屋sari-sari」6月号
「RDG レッドデータガール」スピンオフの連載2回目。
物語が動き出した。
体育の授業にスケートを取り入れることになった、と。
それも、2泊3日の宿泊学習。
様々な思惑が絡み合う行事…どうなるのか?
→小説屋sari-sari | 電子書籍ストア-BOOK WALKER
(試し読みできる…但し、途中まで)
「二千七百の夏と冬」荻原浩
縄文時代から弥生時代への移行期の話。
縄文人・ウルクは十五歳。
狩りをして暮らしている。
ある日、禁忌の南の森でカヒィという少女と出会う。
前半はゆっくり物語が流れ、縄文人の暮らしが描かれる。
後半、ウルクが村を出ることになる。この下巻から面白くなてくる。
【おまけ】
同じような作品でエイラのシリーズがある。(こちらの方がわくわく感が上)
中村妙子さん訳・評論社版が良い。
基本、「超訳」には反対だが、エイラシリーズに限って言えば、完訳版より面白い。
なぜなら、ホーム社・完訳版は、レディースコミックか?ってくらい原始人の性生活が描かれるから。
途中でうんざり…。
【ネット上の紹介】
紀元前七世紀、東日本―ピナイ(谷の村)に住むウルクは十五歳。野に獣を追い、木の実を集め、天の神に感謝を捧げる日々を送っている。近頃ピナイは、海渡りたちがもたらしたという神の実“コーミー”の噂でもちきりだ。だがそれは「災いを招く」と囁かれてもいた。そんなある日、ウルクは足を踏み入れた禁忌の南の森でカヒィという名の不思議な少女と出会う。
「教養として知っておきたい池上彰の現代史 」
現代史のキーワードを6つ設定して解説している。
①田中角栄
②東西冷戦
③バブル崩壊・リーマンショック
④北方領土問題
⑤自衛隊
⑥北朝鮮の核・ミサイル開発
田中角栄について
P47
マスコミから批判されるようなことがあったときに、側近が「なんでマスコミから批判されているのに、マスコミに向かって手を挙げてやらなきゃいけないんだ」と文句を言ったそうです。
その時、彼はこう答えたそうです。
「カメラの連中も好き好んで来ているんじゃない。オレの写真が撮れないのでは連中も商売にならんだろう。いいじゃないか、手を挙げてやっても」
【ネット上の紹介】
田中角栄元総理って、そもそも何をした人?東西冷戦の東と西って、何?自衛隊員には、どうやったらなれるの?いまさら聞けない社会人の常識。
1 そうだったのか!!田中角栄―今、注目される田中角栄元総理。そもそも何をした?
2 そうだったのか!!東西冷戦―世界に多大な影響を与えた東西冷戦。どうやって始まり、どう終わった?
3 そうだったのか!!バブル崩壊・リーマンショック―「バブル以来の○○」「リーマンショック以来の○○」。枕詞にもなる「バブル」や「リーマンショック」って、いったい何?
4 そうだったのか!!北方領土問題―日本とソ連、ロシアの間に、領土をめぐって何があったか?基礎から知ろう
5 そうだったのか!!自衛隊―どうやったら自衛隊員になれるの?いったい何人くらいいるの?
6 そうだったのか!!北朝鮮の核・ミサイル開発―核実験に、頻発するミサイル発射。なぜやめさせられない?
「ダブルマリッジ」橘玲
商社勤務の桂木憲一。
かつて、フィリピン駐在の際、現地女性と教会で式を挙げた。
その後帰国して、上司の紹介で、日本人女性と結婚、娘も生まれて年月が流れる。
ある日、パスポート取得のために戸籍謄本をとると、現在の妻と並んで「ロペス・マリア」と記載されている。
これを契機に妻は弁護士に依頼、家庭は崩壊していく。
桂木とその娘・マリは、それぞれ別に、調査を始め、現地にも赴く。
後半は、フィリピンが舞台となり、いよいよ面白くなってくる。
著者は脱税に絡んだ作品が中心であったが、新境地である。
このような作品も書かれるのか、と驚いた。
今後も期待したい。
JFC=Japanese Filipino Children新日系フィリピン人
P118
「新日系人?」
「ええ。第二次世界大戦の終戦でフィリピンに住んでいた日本人のほとんどが本土に引き揚げましたが、彼らと現地の女性のあいだに生まれてフィリピンに置き去りにされた子どもたちが日系フィリピン人、1980年代以降、フィリピン女性が興行ビザで日本にやってくるようになって、彼女たちと日本人のあいだに生まれ、フィリピンで育てられた子どもたちが新日系フィリピン人なんだそうです」
【参考リンク】
「ダブルマリッジ」フォトツアー(フィリピンに行った気分になれるかも)
http://doublemarriage-tour.tumblr.com/
【おまけ】
私の使っているATOKでは、JFCと入力するだけでJapanese Filipino Childrenと変換した…社会問題として認知され定着しているということだ。
【ネット上の紹介】
大手商社五井商事の部長、桂木憲一がパスポートの申請のために戸籍騰本をとると、婚姻欄に、妻の名前と並んで、「ロペス・マリア」なるフィリピン人女性の名前が入っていた。いったいどういうことなのか。戸籍が乗っ取られたのか?そもそも、日本では重婚は認められていないはずではないか?市役所市民課の山下という課長補佐に問い合わせると、「刑法には重婚罪がありますが、民法では『配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない』として、当事者がその取消しを請求できると定めているだけですから、請求がなければそのままです」との驚くべき返事が返ってきたのだった―。
「これは経費で落ちません!」(2)青木祐子
シリーズ第2作目。
前作が良かったので、引き続き読んでみた。
レベルを保っている、今回も楽しめた。
前回も書いたが、経理部の森若さんのキャラクターが良い。
会社の飲み会も、女子会も参加せず。
誰とも一定の距離を保っている。
しかし、経理をしていると、上下関係なく、各部署の人々とかかわらざると得ない。
提出される領収書から、人柄・人格が見えてくる。
こうして、オフィスの人間模様が描かれる。
【おまけ】
願わくば、太陽との関係は一線を越えないように。
それだと、普通のオフィス小説だ。
【ネット上の紹介】
経理部の森若沙名子、27歳。多くの領収書を処理する沙名子には、社内のいろいろな人間関係が見えてくる。周囲に与えた分以上のことは期待せず、されず、精神的にも経済的にもイーブンでいることを大切にする沙名子は、他人の面倒ごとには関わりたくないのだけど、時には巻き込まれることも。ブランド服、コーヒーメーカー、長期出張…それは本当に必要なものですか?
「氷の靴 ガラスの靴」(1)荻原規子
KADOKAWA電子書籍「小説屋sari-sari」5月号
「RDG レッドデータガール」スピンオフの連載が始まった。
今まで、電子書籍を読んだことがない。
紙媒体に比べて、画面が光ったりで読みにくい。
でも、気になるのでフォローしていく。
→小説屋sari-sari | 電子書籍ストア-BOOK WALKER
(試し読みできる)
宗田真響の視点から描かれる。
あちこちに気を配り、1人でカリカリしているのが分かる。
今までにない楽しさを感じる。
「これは経費で落ちません! 」青木祐子
経理課・森若沙名子を中心としたオフィスの人間模様を描いた小説。
このところ、明るく軽い作品を読んでいなかったので、楽しめた。
本作品の魅力は、ヒロインの森若さん。
人間関係が淡泊で真面目。
周囲とは、常に一定の距離をおいている。
会社の飲み会にも出ず、女子会も合コンも参加せず。
それでも、面倒ごとに巻き込まれてしまい、人助けをする。
こんな地味なキャラクターで人気が出るのだろうか、と思うが、
意外と共感をよんでいるように感じる。
疲れたときに読んでみてはいかがでしょうか?
【ネット上の紹介
森若沙名子、27歳、経理一筋5年。きっちりと働き、適正な給料は自分のために使う。完璧な生活、のはずだった。だがその日、営業部のエースが持ってきた領収書「4800円、たこ焼き代」が波乱を呼び…!?
「永遠の旅行者」橘玲
「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」
そんな事が可能なのか?
橘玲氏の小説を読むのは、これで3作目。
「マネーロンダリング」→「タックスヘイヴン」→「永遠の旅行者」
ハワイ、日本、ニューヨークを舞台に物語が展開する。
今回も楽しめた。
P80
アメリカのグリーンカードは労働許可証のついた期間無制限のビザ(永住権)であり、市民権とは異なる。市民権は国民の生得の権利であり、国家がそれを奪うことはできないが、永住権は国家が与えた権利なので、好きなときに取り上げることができる。
P83
居住者と見なされる滞在日数は、アメリカを含む多くの国が一年の内半年程度としている。したがって、理屈のうえではすくなくとも三つの国を順番に移動すれば、どの国の居住者にもならず、どの国にも合法的に税金を納めなくてもいい立場が手に入る。これが「永遠の旅行者(Pepetual Traveler)」で、その頭文字をとってPTと呼ばれる。
P39
1人100万円を超える現金および現金等価物を国外に持ち出す場合は出国時に税関での届け出が必要とされており、TCの場合も、ほとんどの金融機関は購入金額が100万円を超えると本人確認を要求する。(以前、120万円をTCにしたけど、特にトラブルはなかった…昔はよかった?ちなみにTCとは、トラベラーズチェックの事で、2014年3月31日で販売終了。私は、いまだにフランのTCを所持しているが、ユーロになった今は、換金不可…パリの中央銀行に行ったらOKかも?)
P15
ビザ免除でアメリカに入国する場合、滞在期間は90日以内と定められており、年間の総滞在日数も180日を超えることはできない。(ESTAのことを言っている。2001年の9.11同時多発テロを契機にできた制度で、ネット上から個人情報を入力し、14ドルを払って取得しておかないと米国に入国できない。一度の滞在期間は90日だけど、さらに滞在しようとすると、問題が出て来る。即ち183日ルールである…なぜこんなことにこだわるかと言うと、以前、商業ビザを取ろうとした事があるから。マレーシアやインドネシアのビザの段取りをしたことがあるので、アメリカも大丈夫だろう、と。ところが、テロの影響か、ハードルがあった。例えば、所在地USA企業との契約書が必要。その中で、日本の技術者を米国にある会社の社員の教育のために招聘すると言った文言を明記しておく必要がある。日本にある本社との契約だと、本社と米国の会社との因果関係を証明する文書が必要。また、給料は日本の会社から支払われる必要がある…まぁ、それ以外にも色々あって、断念。客先の了解を得て、ESTAで行ってもらった。アメリカは日本人に来て欲しくないのかと頭にきた。あーあ)
→出張者の所得税の基本 ~183日ルール アメリカの個人所得税|アメリカ
→グロスアップの基礎知識 6 (滞在日数)- 給与計算アウトソーシング・委
【重要】
文庫本の解説を書かれているのが牛島信という弁護士・作家、である。
この解説を読んではいけない。
重要なネタをバラしているから。
解説から先に読む読者を想定していないのだろうか?
最低である。
【と言いながら】
と言いながら、私も本作品に関わる重要な事を書くので、未読の方はここから読まないように。
読んでいて、「シェイクスピア物語」を思い出したのだ。
戯曲のシェイクスピア作品を読みやすく「物語」にしたものである。
これを上梓したのが、メアリー・ラムとチャールズ・ラムの姉弟。
メアリー・ラムは、精神を患っていた。
発作を起こして母親を殺している。
しかしその後、メアリーは弟と一緒に「シェイクスピア物語」を執筆する。
(私の記憶では、おもにメアリーが喜劇、チャールズが悲劇を担当したと思う)
こうして、子どもを含めて多くの人たちに喜びを与えたのだ。
(チャールズは結婚を断念して姉の面倒をずっと見たそうだ)
【ネット上の紹介】
元弁護士・真鍋に、見知らぬ老人麻生から手紙が届く。「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」重態の麻生は余命わずか、息子悠介は百五十億の負債で失踪中、十六歳の孫まゆは朽ちた家に引きこもり、不審人物が跋扈する。そのとき、かつてシベリア抑留者だった麻生に殺人疑惑が浮上した―。