ひとりごつ

ラヴ・ピース・フリーダム

米国のインフレとTIPS

2010-09-04 21:10:52 | メモ
ソロー成長モデルの途中ですけど月曜日が祝祭日で余裕が少しあるんで他に気になったことを書きます。

それがTIPS(Treasury Inflation-Protected Securities)と呼ばれる、CPI(消費者物価指数)に対応して元本やクーポン(利息)が変動する米国債です。

こういった債券は日本語ではインフレ連動債と呼ばれ、wikipediaによれば他にも英国などで発行されているそうですし、日本でも2004年からす少しずつ浸透してきているようです。


TIPSがなんなのかって話なんですが、実は二日前くらいのWSJでこれに関する記事を読んだんですわ。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704791004575466040904325882.html?KEYWORDS=Deflation+fears+aside

CPIに対応して元本やクーポンが変動する、要するにインフレのリスクがないのがTIPSですが。

今はデフレが心配される状況なので帰ってくるお金は少ないわけで、いかに元本は保証されているといえどあまり魅力的ではないはずですよね。

ところがTIPSへの需要は比較的に安定してるそうです。

記事はこの理由に「なんでもいいから資金の逃避先を求めている」とゆうことを挙げているんですが、もう一つ、あるバンカーの「FRBが経済を刺激するためになんでもやるぞってアプローチが日本のようなデフレを避ける公算を高めている」との発言も書いていました。


まぁFRBがデフレを避けるために何ができるのかとかはよく知りませんが、市場の期待インフレ率がわかる金融商品ってのがおもしろいですよね。

これはwikiにも詳しく載っているんですが、例えば10年物のTIPSの利回りは木曜現在でおよそ1%、対して10年物の米国債の利回りは2.6%です。

10年物の米国債の利回りは実質的な利息が増える分とインフレーションへのリスクヘッジ分からなるところ、10年物のTIPSの利回りは前者、実質的な利息が増える分だけです。

なので10年物の米国債の利回りから10年物のTIPSの利回り差し引けば市場がどんだけインフレーションを予測しているかがわかるんです。

2.6%-1.0%=1.6%なので、市場はインフレ率を1.6%と見積もっているんだなぁとなります。


もちろんこの記事にもあったように資金の逃避先として買われてるんだったらここにも誤差があるわけだとは思いますが。

ただ適切な金融政策をとるのにタイムラグのある統計よりも期待インフレ率を金融市場から抽出して利用するそうで、その手段にこのTIPSも使われてるんだそうです。