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☆ 藤井七段の『毒まんじゅう』作戦

2019-03-31 12:12:08 | 日記
「ぶらり車イス紀行」   その980
   ☆ 藤井七段の『毒まんじゅう』作戦

 2019年3月27日、今年度の最終対局となる竜王戦4組ラ
ンキング戦が東京・将棋会館で、藤井聡太七段(16)対中田宏
樹八段(54)との間で行われ、午前中から長時間に渡って繰り
広げられてきた対局も、午後10時過ぎに藤井七段の勝利で決着
がついた。

 これで、藤井七段は今年度の成績を53局で45勝8敗で締め
くくり、2年連続で3度目の勝率1位に輝いた。勝率は歴代3位
となる.849を飾り、これまで単年度8割超えを果たした棋士
は、長年にわたり高勝率をキープしてタイトルに繋がっている。

 しかし、この日の藤井七段は、終盤まで大劣勢で、持ち時間も
使い果たし、一手60秒以内で指し続けなければならない状態の
中、ここ一番で対戦相手の中田八段を惑わす一手を放って、逆転
勝利を果たした。この一手は、後々まで語り継がれそうな一手で、
午後10時15分頃から棋士や関係者、ファンがネット上で騒然
となった。

 ネット上では、この手を境に、驚きの声が激増し、『恐ろしす
ぎる』『マジック炸裂!』『めまいがする』という声とともに、
食べると危険なことから『毒まんじゅう』と例える声も出た。

 藤井七段の指した一手は、おそらくAI(人工知能=人間の脳
が行っている知的な作業をコンピュータで模倣したソフトウェア
やシステム)をも超える手であったと言うべきか、それとも対人
間用とも言うべきか、でも、それは、残り時間が少なくなった中
で読み切るのが困難な状態に置かれた中での、非常に巧妙な罠だ
ったとしか思えない。それは、対局を見守っていた棋士やファン
が、藤井七段の敗戦を覚悟していた中、ふいに藤井陣に置かれて
いた『銀』が、まるで想定外の方向へと進んだ時に始まった。

 その『銀』は、ただ相手に渡す捨て駒に見える。そして、藤井
七段の『玉』の方は、元々ガードが甘い。それなのに『銀』を動
かして余計ガードを甘くしている。だから、『銀』を捨て駒にし
た訳を、初級者~中級者ぐらいの人が見れば、苦しんでいるのは
藤井七段の方である。だから、意味がわからない。ところが、実
力上位の人になれば、この手の恐ろしさが分かってくる。

 対局は、この『銀』を中田八段が取った途端、藤井七段は中田
八段の攻撃が逸れ、逆に、藤井七段が一気に中田八段の『玉』を
一気に討ち取った。

 午前中から長時間に渡り戦い続けた結果、ほんの数分で起きた
ことで、すべてがひっくり返る。これぞ将棋という勝負・一手が
16歳と54歳の2人によって生み出された。この対局は、後々
まで語り継がれそうな一手であり、また、今年度の妙手に取り上
げられる可能性が出てきた。
                  たかし  でした。 

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