誰でも、小さいときは、残酷なものだ。僕にも思い出があるが、今日は、彼女のことを話そう。彼女の家は裕福だったので、小さいときは、何でもほしいものは、買ってもらえた。「お母さん、私インコが飼いたいわ。」彼女は、自分の頭や肩に乗ってくる、手乗りのセキセイインコが、ほしくてたまらなかった。お母さんに買ってもらった彼女は、うれしくて、大切に育てた。4、5ヶ月で立派な手乗りに成長したインコは、彼女を楽しましてくれた。子供だった彼女は、インコの世話をするのが、邪魔くさくなってきた。4,5日、水もエサも与えなかった。インコのお腹は、第三世界の飢餓状態の子供のように、大きく膨れたという。可哀想に、インコは1匹、2匹、3匹と死んでいった。それを大人になった彼女が、僕に打ち明けてくれたのである。
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