「自然は人間に一枚の舌と二つの耳を与えた。だから人は話すことの二倍だけ聞かなければならない。」とは、古代ギリシャの哲学者ゼノンの言葉である。対話というと、どのように「話す」かに気を取られがち。が、大切なのは「聞く」ことにある。対話の達人として知られた非暴力運動のマハトマ・ガンジーは、たぐいまれな「聞き上手」だった。聞くというのは、受け身の行為のように思われるが、決してそうではない。相手の言葉に耳を澄まし、全神経を集中して、相手を理解しようと努める。これほど能動的な行為はない。人は聞いてもらうことで癒され、心を開く。日産自動車を再建させたカルロス・ゴーン氏は、言う。「私が耳を傾けるからこそ、社員は私の言うことを聞いてくれる。耳を傾けると言うことは、おそらく経営者のもっとも基本的な必須条件だと思う。」医療の分野でも、良い医師は「聞き上手な医師」であると言われる。
私も昨日、事務長に話を聞いてもらった。僕の前に来た事務長は、チョット時間が空いたので、Tさんと対話がしたいので、近くの喫茶店に行きませんか? と言ってくれた。私も最近、事務長と対話なんかしたことがなかったから、行ってみることにした。事務長は、人の反応に敏感だから、僕が不満を抱えているのではないかと、思ったらしい。私も今の気持ちを率直に打ち明けることによって、気持ちが晴れた。有り難うございました。
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