あやしい請求書

　妻がポストを調べていた。公共料金の請求書の中に、見慣れない請求書がまじっていた。すばやく見つけた妻は、「これはいったい何」。と大きな声で驚いた。いまだかつて誰も使ったことがない、ＫＤＤＩの請求書が入っていたのだ。いったい誰だろう。一人一人詰問される。でも知らないものは知らない。何気なくファックスのボタンを見てみると、０７７０で始まるＫＤＤＩのボタンがあるではないか。みんなの視線は一匹の猫に向けられた。我が家で可愛がっているメルである。こいつが大のファックスファンで、ファックスが起動すると、素早く反応してファックスの上に飛び乗って、カシャカシャとボタンを押しまくるのである。請求書の詳細は東京の国分寺の民家へ１５秒程、通話したことによる、１０円の請求書であった。