日記 （妹の見まい）

　先日妹の見まいに行った。妹は痴ほう症でもう３年も入院している。自分たち兄弟で（５人）見まいに行ったが妹は全く我々を覚えていなかった。どこかの他人のように感じているらしかった。妹は自分のすぐ下の兄弟で小学校時代は成績が何時もトップで、おまけに歌がすごくうまかった。学芸会などは何時でも独唱をして、見学に来ていた父兄を楽しませていた。それが認知症になって、自分たちのことも分からなくなってしまうとは、認知症とは恐ろしい病気（病気といえるかどうか）になってしまったものだ。
この頃自分も物わせれがするようになってきた。７７歳だから多少の物忘れは致し方ないにしても、「やがては自分もああなってしまうのかな」と思うと生きていくのが怖くなってくる。子供のころはボケ老人などは見かけなかったが、この頃は痴ほう症の人が多くなってきたようだ。もっとも、自分が子供のころはボケる前にほとんどの人が死んでいってしまったから、痴ほう症の人など見ることもなかった。長生きも考えものだ。