夜明け前午前5時

徹夜明けの思いつきレベルな発想を、推敲なしでお届け

ジェイルバード

2006-03-30 23:33:10 | 本:小説

カート・ヴォネガットの比較的最近の作品
っていっても1979年だけど。


カート・ヴォネガットは、ひとつの作品の中で、「ユーモア」と「皮肉」、
「希望」と「絶望」が、ものすごい揺れ幅で入り混じるのが特徴だなー
と、本を読むといつも思うのです。
SFだから、当然物語自体の揺れ幅もすごいですが。

で、すごい揺れ幅でも、いちおう作品ごとに重心はあって、ジェイルバードは
どちらかというと、「皮肉」「絶望」寄りに感じる。
うーん、その辺がどうもあまり好みじゃない。

さらに、皮肉も、なんとなく年配者特有の空気があって、そこも気になります。

物語自体のレベルはすごく高し、いろんな人物が現れ、物語の展開が速いにも
かかわらず、無理なく読めるのはなかなかすごい。

でも、やっぱこの小説は諦念が強すぎる。
最後、ストーリーとしては救われる方向に展開していくけれど、そこに「希望」
とかは感じないのです。「諦め」の空気が強い。


ヴォネガットだと、「タイタンの妖女」がものすごく好きなのですが、その理由は
ものすごい揺れつつも、最後、あっと言わせるようなやり方で、希望とやさしさを
見せてくれたところなのです。
タイタン~の最後の展開は、本当に、泣けてくるぐらい感動したなぁ。

初期の作品で読んでないのがあるから(「猫のゆりかご」とか)、そっちを今度は
読んでみよう。


続:今日のひるごはん

2006-03-26 22:59:52 | たべもの

飲み会2連荘。

今日はうちで飲み会です。

なにか食べておかないと、悪酔いしそうな気がしたので
とりあえずひるごはんを作って食べました。

パンチェッタとパルメザンチーズのパスタ。

ええ、またパスタですが何か?

両方ともがっつり味がでる素材なので、これも
失敗しようがないです。重宝してます。


言論系のハードなBlogだったはずが、いつのまにか
レシピBlogになりつつあります。ま、それはそれでいいか。


今日のひるごはん

2006-03-25 12:28:20 | たべもの

今日はこれから友人の結婚&新築(しかも一戸建て!)祝い

なにか食べていかないと、悪酔いしそうな気がしたので
とりあえずひるごはんを作って食べました。

水菜とからすみのパスタ。

からすみできちんと味がつくので、かんたんで失敗が少ない。
なかなか重宝しているレシピです。

からすみも、「からすみパウダー」なんてお手軽なものが
この世の中にはあるので、あっというまに出来ちゃいます。


広告批評3月号

2006-03-23 00:33:29 | 本:雑誌

広告業界とは、縁もゆかりもないので、
これまで買ったことはない「広告批評」。

今月号は、特集で3本の対談です。
 ①一青窈×穂村弘
 ②原田郁子×高山なおみ
 ③サンボマスター×平間至×箭内道彦
うまい対談構成だなーと感心して、思わず買ってしまいました。


ばななの父、吉本隆明が寄稿している内容をちょっと借りると、
「①:詩の人」「②:詞(歌)の人」「③:ロックンロールな人」
って分類ですね。(吉本は③の分類してないけど)

③はちょっと特別なので、①と②を比較すると、
音楽として圧倒的にいいのは②なんだよなー。

①な人が書いた詞って、詩として成り立ってしまう分、
音楽に乗せる必然性が薄いんですよね。
言葉がメロディの触媒になりづらいというか。
一青窈を聴くと、「この人って、歌を歌うことが一番の表現なの?」と
いつもギモンに思っていたのですが、その謎が解けました。


自分は圧倒的に①に分類される。
こんな文章書いてる時点で、②な人じゃないです。
だから、よけいに②な人に憧れます。

で、①をちゃんと理解しつつ②③を表現として選択してるのが
甲本ヒロトかな。
こんな人、他に誰もいません。


大岡川

2006-03-20 12:39:44 | 商店街

今住んでいるところに引っ越してきたのが、去年の5月。
桜の時期はとっくに終わっていました。

なので、今年の桜は楽しみです。
大岡川沿いの桜が、ちょびっとだけ咲く気配を見せてきてます。



勝手にライバル視している目黒川沿いは、まだまだつぼみも
青い感じでした。
きみんトコの桜は遅いのぉ~。


5月ぐらいから縁日も始まるし、いい季節になってきました。
あとは、花粉さえなければ・・・。




アメリカ、家族のいる風景

2006-03-19 21:40:12 | 映画

用事を済ませた後、今日も映画館へ。

実は昨日3本観るつもりだったんですが、、この映画
銀座であることをすっかり忘れて、ハシゴに失敗。
今日になってしまいました。

同じ映画館では、「かもめ食堂」をやっていて、こちらは
すんごい混雑っぷりでした。
『やっぱり猫が好き』路線を好きな人が世の中には
こんなにもいるのか、とビックリ。


感想:「家族を描く映画はよく分からない・・・。」

とてもいい映画なんですが、ピンとくるものが全然ありません。
同監督の「ベルリン 天使の詩」がすごく好きで、「パリ、テキサス」は
未だによく分からない私としては、この映画は「分からない」。

小説でも、家族や血(血縁)を描いたものは多いですけど、
どうも受け付けないのです。自分の中で引っかかってこない。


本筋からはそれちゃいますが、ひとつ言えることがあります。
映画の中で映画関係の話が出てきたり、映画内で映画のストーリーが
展開するような、自家中毒的な映画はあんまり好きじゃない。

あと、邦題もイマイチかな。
原題は「Don't Come Knooking」なんですが、映画観れば、こっちのほうが
はるかに意味のある題名に思えます。
なんで邦題つけちゃったんだろう?


暮しの手帖

2006-03-19 21:02:36 | 本:その他

今日は用事がてら、cowbooksヘも寄ってきました。


2~3冊、また買っていこうかと物色していたところ・・・・

暮しの手帖100号セット

創刊号から100号までのフルセットですよ!
デッドストックで、折り目なしの超美品ですよ!!
掘り出し物ですよ、奥さん!!

でも、100号セットで10万円ですよ・・・。
これはさすがに手が出ません。


ショウケースに入っていたので、お願いして読ませてもらいました。

創刊号をペラペラ流し読みしてみたんですが、とても昭和23年の
生活雑誌とは思えないレベルです。

特に「あとがき」がすばらしかった!!
とても平易な言葉を、でも丁寧に選んで書いてあります。
しかも、これが大事なのですが、ユーモアがあってかわいい。


暮しの手帖があまりにも頭に残ってしまって、その後本棚を眺めてみても
他の本がいまいちピンとこない。結局本は買わずじまいでした。


中目黒に立ち寄る機会がある方は、ぜひご一読を。
ていうか、誰か大人買いしてください。


ビリーブ

2006-03-18 23:28:41 | 映画

続いて本日の2本目

知的障がいのあるメンバーがスペシャルオリンピックスの取材クルーとして
活動するまでのドキュメンタリー映画です。


これは感想がとても難しい。


ドキュメンタリーは、「撮る」「撮られる」両者の力関係や、加害者性、
その他もろもろ、メディアに対する思想・見方が露骨に出てしまう表現だと
思うのです。

その観点だと、この映画はあまりに無邪気、というか無自覚すぎる。
観ていて、首をかしげるところが多々あります。
例えば、ナレーションは正直邪魔です。見方を枠にはめるコメントなんていらない。
表現という意味では、僕の評価はかなり低い。


ただ、この映画の存在価値は? となると話は別で、とても意味がある映画です。
なんか矛盾しているようなのですが、そうなのです。

ドキュメンタリーだと、映す側の勝手な解釈とは関係なく、被写体はリアルに
動いてます。そこにいろいろ考えさせられる部分がある。
そして、この映画は、その部分がやたら多いのです。

どう考えさせられたのかは、まだぜんぜん頭の中が整理ついてないので、
ちょっと書けないです、スミマセン。


代わりといってはなんですが、一番心に残ったシーンを紹介します。

プロボーダーの人たちが、取材クルー達にスノボを教えるシーンがあります。
観ている側は、そこまでクルー達の障がいを映像で観てきたので、滑ることが
できるとは到底思ってませんでした。
身体能力としても、理解力としても、これは到底無茶なチャレンジだろうと。
スノボ履かせて、まねごとやらせて終わりなんだろうなと。

それが、最後は一人でなんとか滑れるようにまでなるのです。
教える側が、よくやってしまいがちな「やたらほめる」とかは決してしなくて、
ほんとうに自然に、相手のレベルに合わせて、同じ目線で、教えている。

この光景は、ホントちょっとすごいです。


トリコロール 白の愛

2006-03-18 22:51:03 | 映画

今日は2本映画を観てきました。

1本目は「トリコロール 白の愛」。

クシシュトフ・キェシロフスキの代表作「トリコロール3部作」の
うちのひとつです。
なぜかこれだけ観てなかったので、どうせ観るなら映画館で、
ということで。


感想:「キェシロフスキっぽい!でも、かなり明るめ(キェシロフスキにしては)」

ちょい暗めな基本的トーンは変わりませんが、微妙に笑いがあります。
もちろん大笑いじゃないですけど。
心の中でニヤリぐらいのささいな感じですが、まさかキェシロフスキで
ユーモアが前に出てくる場面があるなんて。
ちょっと驚きでした。

ちなみに、googleってみると、ここがTOPだったんですが、その解説がすごい。

  『性的不能から妻に去られた男が、やがて金持ちになって、妻に奇妙な
  復讐をするまでを描く』

・・・。一般的にはそんな解釈なの???

ぜんぜん復讐じゃないです、これは。
かなり屈折してるけど、ものすごい純愛モノ。



さて、キェシロフスキは「デカローグ」がぶっちぎりNo.1なんですが、
今回の<キェシロフスキ・コレクション2006>では、かかりません。
うーん、ホント残念。
ちなみにTSUTAYA片倉町店には、この超マイナーなDVD5本セットが
フル装備でした。えらいゼTSUTAYA片倉町店!!


最後になりますが、今日の観客は7人でした・・・。
どマイナーなレイトショーでも、もっと客多いです。
スタッフもテンション低かったし、名前をかえてリニューアルしたというのに
先行きかなり不安な映画館です。
がんばれ!!


イノベーションへの解

2006-03-11 02:09:38 | 本:ビジネス

通勤がそれなりに長いので、本がけっこう読めるのですが
通勤電車で小説ばかり読んでいると、なぜだか後ろめたいので
3冊に1冊ぐらいは、ビジネス書を読んだりしてます。

でも、これがけっこうつらいのです。
この分野、まともな本が少なすぎる。

ビジネス書をいくつか読んでみて、最近、自分の中では
6つの分類分けができてきました。

 (1)一代でのし上がった名経営者、半生を語る(ていうか自慢)
 (2)昔は大手コンサル、今は独立して稼ぎまくり成功者のバリバリ仕事術・出世術
 (3)凄腕ジャーナリストの、「徹底的に調査しました」
 (4)MBA教授の、とにかくたくさんケーススタディ
 (5)MBA教科書
 (6)ビジネスレビュー系

結論:(1)~(4)は、ろくなものがない。

ここまでたどり着くのに、だいぶ無駄な読書がありました。
おれの時間を返してほしい・・・。


で、今日読み終わったこの本は、オレ分類だと(6)なんですが、
数少ない「当たり」。
大当たりは、前著なんですが、この本はこの本でおもしろい。

例えば、前にモジュール化の話を書きましたが、まさにその内容が
この本の5章に書いてありました。

モジュール化が進む状況とか、それに伴う産業構造の変化の分析は、
「なるほどねー」という感じで、すごく腑に落ちる

あと、以下の内容も納得。
「モジュール化は不可逆な流れでは決してなくて、モジュール型と
統合型の性能ギャップに対して、ユーザの性能ニーズがどこに
位置しているかによって流れは決まる。
実際、モジュール化⇒再統合という流れもあるし。
要は状況によって適切な戦略は変わるのよ。」


前著に比べると、内容てんこ盛りすぎて読みづらいのが難点だけど、
まぁ、それは共著だからでしょう。

いやー、ホントすっきりした。
クレイトン・クリステンセン、あんたすごいよ(名前はくどいけど)。


「IT系はモジュール化の圧勝だから、ケータイもモジュール化が進む」
「ユーザのモジュール化ニーズ調査結果から分析すると...」
なんて荒っぽい議論とは大違いですね。

よくあるケーススタディは、上のような荒っぽい議論が多いです。
たくさん事例研究して、その共通点を見出すだけ。