夜明け前午前5時

徹夜明けの思いつきレベルな発想を、推敲なしでお届け

ポル・ポト

2008-06-15 23:47:44 | 本:その他
このままだとEconomist記事だらけになってしまいそうなんで
ちょっと本の感想でも差し込んでおきます。

ポル・ポト。
一般的なイメージとしては、クメール・ルージュによる大虐殺の親玉、
と言った感じでしょう。自分もそうでした。

1975年からの3年9ヶ月で人口の20%が死んでいるのは確かに異常で
それがどういう状況だったのか、を知りたくて読み始めました。

でも読み終わって感じたのは、カンボジアという国は
「シアヌークという王を持ってしまった悲劇」でもある、
ということでした。

シアヌークが軍(ロン・ノル)を使って激しい弾圧を行う

ロン・ノルが台頭して(バックにはアメリカもいますが…)、
クーデターを成功させる

ロン・ノルのあまりに腐敗した政治に対して国民は嫌気がさして
クメール・ルージュを支持・勢力拡大する。
(バックには中国もいますが…)

シアヌークは政治的生き残りのため、過去に弾圧したクメールルージュを支持

まあ、おそろしいぐらいの日和見状態です。
でも、カンボジアでの王は絶対的なものですから、そんな王様は
つい最近まで王様でした。何をしたって王様ですから。

同じ王制でもタイのような民衆からの尊敬を、現在のカンボジアでは
ほとんど感じませんでした。
なんていうか「いいわるい関係なく絶対的にあるもの」という感じ。

そして、例によって大国の陰が当然あります。
この時代、大国間の駆け引きにもれなく振り回されます。

カンボジアの経済復興の足かせとして、クメールルージュの傷跡
(人的資源の抹消)はもちろん大きいですが、それだけではないです。
いろいろからみついて簡単には解けない問題だらけ。

ポル・ポト―ある悪夢の歴史
フィリップ ショート
白水社

このアイテムの詳細を見る

Only a few green shoots

2008-06-15 23:44:37 | The Economist
最近は食糧問題が盛り上がってるので
そういった記事を取り上げてみました。

しかーし…、

下読みせず、記事の短さだけで選んだのが大失敗でした。
む、難しすぎる。

ということで、今回はかなりすっ飛ばしてます。
意味もけっこう取り違えていること間違いなし。
だいぶ直したけど未だボロボロな日本語だらけだし。

ここまで苦労した割には、内容は既報道と対して変わらないです。
サミットに関する記事なので公式発表が中心となる訳で、
当然それほど違いがでるわけもなく…。

話の構図としては、貿易問題での「先進国vs途上国」と
まぁ、まったく同じですね。先進国のエゴはほんとすごい。

===================================================
The world food summit "Only a few green shoots"
~ いくつか出たアイデアは(お金はあまりにも足りないですけど…)グローバルな会合の成果でした~
The Economist June 5th 2008

国連のボス達は、焦点を当てた事柄についてはいくらか分別はあります。前の事務総長だったコフィ・アナンの場合、大きな問題は平和維持と貧困国での紛争でした。新事務総長、潘基文の場合は、環境と天然資源でしょう。昨年、気候変化についてのバリ宣言で彼は影響力を示しました。今年初めには水に関して警告を発し、今は食料についての共同行動を求めています。

今週、潘と国連食料農業機関の後援で40以上の政府首脳がローマに集まり、世界の農業に関する悲惨な状況とその対応について話し合いました。多くの援助国・政府は既に対応を始めています。 理論的にはこのサミットはもっといろいろすることはできたのです、というのはこの世代で初めての食料価格急騰でしたから。何かが世界の農業にすごく悪影響を与えていて変える必要があるということを、みんなが思ってます。でも、どれだけの新しい洞察を、この懇親会に加えればいいんでしょう?

政府から資金提供をうけワシントンに拠点を置く研究グループ:国際食糧政策研究所(IFPRI)の所長であるJoachim von Braunによると、国際的な行動は5つに注力すべきだ、と。ローマサミットではそのうち2~3で進展がありました。

一つ目は食糧援助。今年初めに、緊急援助を拠出する中心的な機関である世界食糧計画(WFP)が非常ボタンを押しました。穀物の高騰でお金の底がついた、と。サミットでは、12億ドルの特別食糧援助を発表しましたが、これは会議前に5億ドルの提供をしたサウジアラビアによるところが大きいです。オイルマネーであふれているこの国からの寄付は、ほとんどWFP以外では注目されてきませんでしたが、これは異例の内容です。”新たなお金”についての最も大きな発表は、結局のところ昔に約束した内容の焼き直しなだけでしたから。だからこの(=サウジの)貢献はまさに新しくて大きな違いとなります。

次は、バイオ燃料。会議ではバイオ燃料政策を合理的に考えることができました。いくつかのNGOは、穀物価格を20%下げる効果があるとして、エタノール生産の一時停止を求めています。国連の官僚やいくつかの食品系大企業は、トウモロコシを原料としたエタノール生産に対する国際規制などで、食糧問題をいくらか緩和できると言っています。バイオ燃料はアイデアとしては素晴らしいけど、助成金・関税・生産目標の交錯に見舞われると論じる人もいます。サミットではそれらについて進展はありませんでした。サミット直前に、アメリカの農業長官ED Schaferは、エタノールは世界の食糧価格上昇に対して2-3%しか寄与していないと主張しましたー異論(IFRPIは30%と言ってます)もあり、とりかえしがつかずどうしようもないぐらい、バイオ燃料については意見が分かれています。

三つ目として、食糧援助を超えて、農民のインセンティブを増やし価格を下げるためのいくつか短期処置が会議で考えだされました。最も明確な処置としては輸出禁止の削減です。40程度の食糧輸出国では、税金・割当・一律禁止といった貿易規制のたぐいを課しています。IFPRIの研究では、これらの国の規制排除により穀類価格を平均30%下がると算出しています。サミットでも首脳に近隣諸国を困窮させるようなことはしないよう説得しています、隣国の不満はまさに直面しているのですから。

しかし、ローマ会議ではこの狙いは達成されませんでした。ベトナム・カンボジア・インドは米の輸出再開を約束し、大輸入国である日本は、政府管理下の食糧備蓄米5年分を放出すると発表しました。一方でエジプトは米の輸出禁止を一年延長し、つまりは明らかな改善はみられませんでした

この状況は、この分野での一致団結したアクションを得るということが基本的には難しいということを示しています:各国の関心は全く異なるんです。途上国は輸入国だったり輸出国だったりします。ボツワナや南アフリカは消費者物価指数(CPI)の1/5を食料が占めていて、一方スリランカやバングラディシュでは2/3を占めます。ほとんどの貧困国は食糧高騰の犠牲国か受益国である一方、中国とインドはその原因だとも見なされています。
ノーベル賞受賞者であり飢饉の政治に関する作家でもあるアマルティア・センは、 需要増大(例えばアジアのミドルクラスで)と衰えない生産性が、現在抱える危機の主な理由だと述べています。

サミットでバイオ燃料・輸出禁止・社会的セーフティネット ( これは議論するのが難しいですが)についてほとんど何も決まらなかったのは特に驚くことではありません。どんな場合でも、多くの発言者が議論するときは、短期処置の重要性は限定されるのです。国際農業開発基金の代表であるLennart Bage曰く、"根本的な問題は農業に関する生産性成長が減少していることである。これを逆転させない限り、数年後にはまた同じ状況になるだろう"

長期の国際的行動は、各々の会議の範囲を超えます。農業に関する世界貿易協定がおそらく必要です。例えば長期ビジョンといったような。しかし、ローマ会議では長期的なゴール作りの開始が決まりました:第二期緑の革命です。食糧供給について2030年までに50%増が必要と潘は述べています。
各国は、新種研究や用水路灌漑、小規模農家への肥料の普及といったことに対して資金提供として多くの公約を発表しており、また、少なくとも準備をしています(種・灌漑・肥料は1960年代に起こった第一期緑の革命の主要要素です)。これら公約はローマサミットの主な成果と言えるでしょう。二週間前には、"種/肥料"という言葉は裕福な国の政府からはほとんど聞かれなかったですから。突然、開発の虫たちによるかつての執念が社会政策の領域を突破したのです。

またできるのか?:
第二期緑の革命は、第一期よりも達成が困難だという議論もあります。遺伝子組み換え作物は新種の頼みの綱ですがヨーロッパはそれに断固反対だし、アフリカで灌漑を大きく広げるには水が足りないし、1バレル125ドルにもなった石油は肥料を高騰させているし。でもそれはあまりにも悲観的です。Bageは、30年以上にわたり農業への投資はあまりに減少してきた、それだけが確実に言えることだと指摘しています。この減少を逆転させることができる有益性をまえもって除外するにはちょっと早い。

ただし、農業には投資が必要という小規模農家の要求と、実際に供給されるものは、別問題なんです。過去三ヶ月の間、金銭的な公約は急増し、2つの機関-国連の機関である世界銀行とIFAD-は主な有望貸し手として浮かび上がっています。

あいにく、世界銀行が約束した”新た”な12億ドルものお金とアジア・ラテンアメリカ開発銀行からの5億ドルは、本当の追加分じゃないんです、とイギリス海外開発機構のSimon Maxwellは言います。他のプログラムからの流用であり、借金をして借金を返すという心配を増大させてます。さらに、いわゆる新規投資ですら十分ではないんです。数千万ドル、これは数種類の新種開発としては十分な金額ですが、潘が緑の革命に必要としている150~200億/年からは程遠い。農業の向上に対する潘の努力は賞賛に値するし意欲的です。平和維持を推進したアナンの努力と同じように。

halfway there

2008-06-08 23:22:11 | The Economist
ということで、さっそく今週分です。

以下、半分仕事モードですが、途上国開発って意味では個人的関心の内容でもあり…。


途上国へ適用する通信システムは、いわゆる「キャリア・グレード」じゃ
コスト高すぎてダメなのは分かるけど、じゃ、どうすりゃいいんだろうと
思ってました。

それが、記事に出てくるNSNの"Village Connection"をチェックしてみて、
「あぁ、こういう関わり方があるんだ!」って目からウロコでした。

Village Connection white paper

このプロジェクト自体は、正直うまくいくかどうか、かなり微妙。
慈善事業な空気があって、利益出すところに軸足がないのがまず×。
数字が全く掲載されていないので、最低どの程度の規模が必要なのかとか
全然分からないし。

でも、通信インフラで「主体は現地の人だぜ」っていうビジネスモデルを
成立させちゃう発想にとにかく驚きました。
根っこにあるイメージとしてはマイクロクレジットと同じなんだろうな。
”施し”をするっていう発想から抜け出してます。

===========================================
Mobile Telecoms「halfway there」
~世界の再貧困層に携帯電話を普及させる方法~
The Economist May 31st 2008

ここ数ヶ月で携帯電話のユーザーは33億人を超えることになり、これは世界人口の半分に相当します。世界でこれほど急速に広まった技術は他にありません:携帯電話は20年もしないでこれだけ浸透したんです。でも、止まることのない携帯業界は、もう半分も取り込むことを既に視野に入れています。最近、2つのレポートが、加入者として”次の10億人”を加える方法を分析しています。

具体的には、途上国で携帯電話を人々に手頃な価格で提供する方法を意味していて、というのは途上国のほとんどの人たちは、すでに電話はあるからなんです。携帯電話加入者になるのに最も大きな障壁は、マーケット調査会社:Portio Researchのレポートによると、携帯電話端末の値段です。だから業界は価格を下げることに最も注力していて、Motorola(経営難に陥っているアメリカの端末機器メーカー)が先導してます。最も安い端末のコストは$30以下です。PortioのJohn Whiteは、シンプルにして音声通話だけとかならこれから5年で$10まで下げられると考えています。

でも、手頃な端末というのは全体像のほんの一部です。途上国のオペレーターは、地方のお客をつかむためにいろいろ考えてます。バングラデシュの農村では、"テレフォンレディ"が、1回の通話毎に端末を貸し出しています。世界で最も加入者を有するチャイナモバイルでは、通常通話に加えて、田舎の顧客に農業情報サービスを提供しています。フィリピンのオペレータ、スマートコミュニケーションズは、$1.80/100メッセージという安価な文字メッセージや、”電話友達”に対する$0.03/分の通話といったサービスを提供しています。

オペレーターがこんな低価格で利益を出すために、ネットワークインフラは、導入・運用が共に安くなきゃいけません。端末同様、基地局の技術革新も促進されます。オペレーターはコスト削減のため、ネットワークインフラの共有化を見いだしています。機器メーカーは、特に途上国向けに、小さく低価格な基地局を開発しています。

新しいビジネスモデルもいくつかあって、例えば、地元の起業家に基地局や提供サービスの運用を行わせ、それは料金徴収や端末保守まで含んだものとなっています。これは、機器メーカーであるノキアシーメンスネットワークスが掲げたプロジェクト"Village Connection"によるものです。
一方、ライバル会社のエリクソンは、インドのオペレーター、アイデアセルラーと組んで、基地局の動力としてバイオ燃料を使おうとしています。

産業界は端末やサービスを安くしようと懸命になってますが、政府はコストを加え続けています、主に課税と関税で。これらはサハラ以南のアフリカで特に高いものとなっています(産業団体:GSMアソシエーションからの依頼でコンサルタント:フロンティアエコノミクスから今週刊行されたレポートより)。オペレータ収益に対する平均課税率は30%です。携帯電話産業平均としてGDPの4%を占めていますが、国家歳入では7%に寄与しています。

この高課税の説明は簡単です:政府はどっかから課税しなきゃならない。そして、オペレーターの料金徴収システムが大変な仕事を全部やってくれるので携帯電話は簡単な標的となります。でも、携帯電話をキャッシュカウ(※1)とみなすのは近視眼だぜ、と、GSMアソシエーションのGabriel Solomonは言っています。なぜなら移動通信に特化した課税は需要を減少させるからです。もし政府がこの課税を止めてVATだけにすれば移動体通信業界からの税収は2012年までに3%以上の増加にはなるでしょう。そして、平均普及率は33%から41%に増加するでしょう。
(研究によると、典型的な先進国において、10%の携帯電話普及率上昇は1%のGDP成長が見込まれます)

こういったたぐいの方策がなくても、世界の携帯電話普及率は2011年までに75%には達するだろうとPortioは予言しています。そう遠くない昔にヤッピー達のおもちゃだったこのデバイスは、今や最貧国を経済成長させる強力な力となっています。でも、もっと活用することはできます。ほとんどの政府は経済成長と通信の拡大に味方していると言う。移動体通信に特化した課税と関税を削減すれば、二つとも促進することができますよ。


訳注:
※1:cash cow
安定して稼ぎを出せる領域の商品のこと。「金のなる木」。
経営戦略方面の言葉で、他にスター(花形商品)、クエスチョンマーク(問題児)、ドッグ(負け犬)があります。そういや経営学って、なにかにつけ四象限に分類分けしますね。分析した気分にさせるのは確かですが…。

ノルマ設定

2008-06-08 22:36:30 | お休み
久しぶりです。

ここ半年ぐらい、なんとなくビッグマイナーチェンジしてました。
なんのこっちゃ、と思われるかもしれませんが。

非常にざっくり言うと
たまーに、ごくたまーに
考え方とかけっこう大きく組み変わったりするのです。

その期間はぐちゃぐちゃぐねぐね、まとまらない考えがずーっと続くので
とてもBlog書ける感じではなく、じーっとしてました。

で、マイチェン完了はしたのですが、どっちみちコンスタントにBlog更新は
しないだろうなぁ、と思い、この中途半端な6月という時期に心機一転、
ノルマ設定です。

「The Economistの記事を週一ペースで和訳してみるッス」

ずっと気になっていた雑誌(というか週刊の新聞)なんですが、いかんせん
英語なんで手を付けられずにいました。
それが、なぜか4月から定期購読始めてしまい…。
単品だと1000円以上という、あまりにふざけた値段設定なんですが、
定期購読すると一気に500円ぐらいになるので、勢いで。

とんでもないぐらい底に落ちた英語力、 というか英語は元々ニガテなので
この状態でのノルマ設定、無謀なのは承知です。
でも、ちゃんと読もうと思わないと全然頭に入ってこないのが分かったんで、
だったら無理してでも和訳しちゃえ、というのがノルマ設定のきっかけ。
どうしても歯が立たなかったらその週はスキップするかもしれませんが、
とりあえずやってみようと思います。

多分、選択するのはアジア・アフリカ(特に途上国開発ネタ)と、ビジネス情報
(通信系)ばっかりになると思います。
アメリカ/イギリス/ヨーロッパは今のところ全くピンとこないので。
世間的にアメリカ大統領選は盛り上がってるようですけど。