夜明け前午前5時

徹夜明けの思いつきレベルな発想を、推敲なしでお届け

GW

2007-05-07 00:53:02 | 本:ビジネス

数週間前、とっちらかったブックマークを整理してたとき、
この山形浩生のBlogに目が留まりました。


す、すばらしい!!


ご縁があってこれを読んでくれた人は、ここから下読まなくていいので、
ぜひ上のBlogを見てくださいな。

『成長率』っていう、単なる指標にしか見えないこの数字を、
しかも今の御時世からしてみると、なんとなーくネガティブなこの数字を
こんな風に血の通った、実体のあるものとして示してくれる人、
他にいません。

それとも、経済学部出身だったら、これは当たり前のこと??
でも今、とくに社会全体として成長率ってなんか悪役っぽいよ。
資本主義の終末みたいなことを気分で言う人やたら多いし。


で、自分のGWは決まってしまいました。

 「経済をちゃんと、自分の腑に落ちるまで、調べてみよう!」

よって、激・引きこもりです、今年は。
映画ですら一本も観に行かなかった。
観たいのがたいしてなかったっつーこともあるけど。


でも…

GW中に終わらせるつもりだったんですが、結局終わりませんでした。
やっぱり、自分にとって新しい考え方・イメージが多すぎて、一気に吸収できない。
すぐには線で繋がっていかないのです。
「目からウロコ」が多くて楽しいんだけど、あんまり多いとね。

ま、この辺は、自分の頭の回転の悪さだからしょうがない。


<補足>

この山形浩生という人、ワタシの経済に関する捉え方について
軸になってる人です。
CUTの書評連載で初めて知った気がする。
確か「アイアンマウンテン報告」についてだったような気が。
ま、これは書評というより、自分の翻訳書宣伝ですけどね。

ファイナンスで一番大事(だと思う)「割引率」のイメージの根っこは、
ここで理解できました。
#ただ、連載が途中で止まってて、肝心のグラフとかが多々未掲載なので
  WACCとかCAPMとかの細かい話はこっちでイメージできましたが。
  さらに話は脱線しますが、グロービスシリーズは、これを含めて
  実務系はおススメ。

細かい話はすっ飛ばして、「で、要はこういうこと」「大事なのはこれ」
といった感じで話を展開するので、非常に肌に合います。
簡単なことを難しく説明する人がやたら多いんですが、
この人はいつもその逆。しかも、うそ・ごまかし無しです。

訳をくだきすぎとか、環境関連は意見が極端すぎるとか、
多少合わないところはありますが、それは些細なこと。


見える化 他

2006-11-24 00:32:34 | 本:ビジネス

ちょい久しぶりのビジネス系です。

見える化  強い企業をつくる「見える」仕組み」と
事例に学ぶ経営と現場力」の2冊。

共に同じ著者で、以前に読んだ「現場力を鍛える」が
気に入ったので買ってみました。


どっちも、事例紹介を中心にしているのですが、事例ごとの
情報が少なすぎるのがちょっと残念。
「いいことばっか書いてあるけどほんとかいな?」と思ってしまう。


事例研究は、各種レビュー物を読んだほうがよさそうです。


仮説思考

2006-07-28 22:24:42 | 本:ビジネス

題名にピンときて買ったけど、題名だけでした。

わざわざ本にすることある?この内容で。

おもしろいのは、好意的な書評で「フレッシュマンが読むべき」
というコメントが多いこと。
書いてる人はとうぜんフレッシュマンじゃないです。

読まなくてもいいってことじゃん。


ウェブ進化論

2006-06-27 01:57:43 | 本:ビジネス

新書買うのって、何年ぶりだろう。
たぶん大学の一般教養以来だから・・・、10年以上前か。

ウェブ進化論」。
新書ブームにものってガンガン売れてるようです。

全体を通した感想を言えば、新書というスタンスをわきまえて、
わかりやすく書いてあると思います。
グーグルの特殊性や新しいビジネスモデルとしてのWeb2.0の
イメージをざっとつかむにはすごくいい。
総じて、「好感触」って感じ。


でもね、「革命」とか「知の世界の秩序再編」とか言われちゃうと
「んー、それは明らかにちょっと言いすぎ」と思うわけです。


具体的に、非常に気になる課題点を2つ挙げておきます。


まず、あとがきが非常にずるい、この人。

内容は全体を通じて楽観主義を貫き通してるんだけど、
あとがきで『本を書くにあたって、オプティミズムを意識した』
をしつこいぐらいに強調してる。

この本を批判することは、ほとんどの場合、楽観主義を
批判することになります。
このとき、「批判すること→旧概念(Web1.0)や既存技術を
擁護・支持する人」へ繋がるように仕組んであるわけです。

こういう構造を作っておくと、この本を肯定する人は、肯定的な
発言をする一方、この本に批判的な人は物を言いづらくなる。


もう一点。
メディア史で考えてみると、今のウェブはそんなに大きな
位置づけにはならないはず。
過去の大転換として、「印刷」「電信・電話」「新聞」「ラジオ」「TV」
があるけど、これら過去の転換点に対して、グーグルの狙う世界や
ブログ環境は大転換ってほどじゃない。

TVは結果としてものすごく影響を与えるメディアになったけど、
そのTVでさえも、マクルーハンが60年代に興奮して書いた
TVに関するメディア論は、今読むとSFの世界に近い。

例えば、衛星通信で全世界に情報を同時配信可能になっても、
残念ながら「世界が1つの村のようなもの」になったりは
しなかったわけです、結局のところは。

要は、メディアの成長において、「実現可能性」と「実際に進んで
いく方向」は全くの別物ということです。


競争の戦略

2006-06-12 02:30:47 | 本:ビジネス

最近、体調崩すことはほとんどなかったのですが、
久しぶりに風邪ひきました。

この時期の風邪は、体が熱かったり逆に悪寒がしたり
もう大変でした。

で、寝続けたおかげで体調は戻ったんだけど、今、とりあえず
全然眠くない、全く。寝すぎた。


眠れないので、久しぶりにBlog更新です。


今回の本は、実はゴールデンウィークから読んではいたんだけど、
大著なので、さっきようやく終わりました。

経営戦略といえばまず挙げられるマイケル・E・ポーターのこの本。
ビジネス系書籍の古典みたいな本です。

目次は、以下のパート分けを筆頭に、ぎっちり分類分けされてます。
この時点で、「敷居高いなー」って印象。
 パートⅠ:競争戦略のための分析技法
 パートⅡ:業界環境のタイプ別競争戦略
 パートⅢ:戦略デシジョンのタイプ


ポーターといえば、「5つの力」モデルでしょう!と気合を入れて
読み始めたんですが、ある意味いきなり肩透かし。
1章の2ページ目でいきなり「5つの力」モデルの図が出てきます。
鮨屋入ってお任せでお願いしたら、いきなり大トロ出されたようなもんです。

ポーターにはもうひとつ「3つの基本戦略」というのもあるんですが、
パートⅠは「5つの力」と「3つの基本戦略」をいろんな角度から
ひたすら分析しまくります。
最近のビジネス書と違って、事例も少ないので、読むのはかなりハード。

正直、1回読んだだけじゃ、全体像は把握できませんでした。
「ものすごく広く、かつそれなりに深く」分析してるので、要素が
多すぎてちょっとついていけない。


パートⅡ、Ⅲはそれなりに「ふむふむ」といった感じで読めました。
Ⅰに比べると具体的な話になるので。


結論としては、これは無理して読まなくてもよかった。
巷にあるMBA系の読み物で、戦略論の章があれば必ず「5つの力」は
概要説明があるので、それで最低限は理解できる。
本著を読まないとエッセンスが分からないってことはない。


明日は誰のものか(その後)

2006-05-05 01:09:11 | 本:ビジネス

以前、おいおいなんだこりゃ、といった感じの感想を書いたこの
休み休みですが読み進め、ようやく終わりました。

結局のところ、後半で劇的に訳がよくなるわけもなく、何箇所も頭をかかえる
残り300ページでした。

まずね、助詞がわけ分からん。「は」と「が」と「に」を間違えられたら、
読んでるこっちは主語すらつかめないわけですよ。

指示代名詞も、和訳することで対象からどれだけ離れても「それ」とか
直訳したまんまなので、『「それ」ってどのことだよ、おいっ!』と、
ひとりドトールでぶちぎれ寸前。


そんな訳にもなんとか慣れ、というかあきらめ、後半で見えてきたのは内容の方。

医療関係の事例(8章)では、「とにかく破壊のイノベーションは万能なのです!」
という、狂信的な空気すらただよいつつあります。
トンデモ本のレベルに近い。


けっこうなお値段する本なので、あきらめつかず最後まで読んだんですが、
やっぱり途中でやめときゃよかったです。

イノベーション前2作はほんといい本です。特に1作目は読み物としてもすごくいい。
それだけに、なぜこの本がこれほどまでダメなのか、不思議で仕方ない。


明日は誰のものか イノベーションの最終解

2006-04-26 01:52:36 | 本:ビジネス

今日は終電帰りだったので、とっとと寝るつもりでした。
しかし、帰りの電車の中で、怒りがムラムラと。

クレイトン・クリステンセンによるイノベーション3部作の最終作である本書


まだ1/3しか読み終わってませんが、無茶苦茶な本であることが
さっき京急の中でようやく分かりました。


その理由として可能性をあげると....

  ①実は同名同姓の素人に書かせた
  ②実はクリステンセンは多重人格
  ③翻訳者は海外生活が長くて実は日本語が不自由
  ④翻訳者はTOEIC 500点台
  ⑤訳は孫受け会社に丸投げ外注&校正なし


内容自体も、1作目、2作目に比べておどろくほど質が落ちてるけど、
それ以上に、たぶん訳がめちゃくちゃです。

通信業界の内容を書いてある4章は何言っているのか理解不能なぐらい。
この章の内容はホント楽しみにしていたのに・・・。ガックリ。

例えば、自分レベル(=低レベル)の英語だと、TOEICとかの長文読解で、
こんなことがよくあります。

  1センテンスだけでまず理解して、その後数センテンス読み進めると
  意味が全然繋がらない。数センテンスをまとめて、もー1回考えると、
  初めて誤読が分かる。

で、この本の文章は、 1センテンスだけで理解して誤読した文章の
つなぎ合わせみたいに見える。だって、ぜったい文章繋がらないもん。
2ページ以上一気に読み進めると、何読んでるんだかも分からなくなる。


で、さらに考えると、誤読も多そうなんだけど、それ以前にまず、日本語が
おかしいのが一番の問題ではないかと思うのです。
日本語としてとても気持ち悪い。あまりに気持ち悪いので、以下に1例を。

  『顧客に対する売り込みに対する規制や監視が無ければ顧客に損害を~(page171)』

『~に対する』を迷いなく2回繰り返す翻訳は初めて見ました。
出版物としてどーなの、このレベルは。誰が読んでも明らかにおかしいの
分かるじゃん!


図の誤植もひどいし、なんなんでしょう、この本は? まったくもう。


まだ300ページも残ってるけど、どうしよう・・・。


イノベーションへの解

2006-03-11 02:09:38 | 本:ビジネス

通勤がそれなりに長いので、本がけっこう読めるのですが
通勤電車で小説ばかり読んでいると、なぜだか後ろめたいので
3冊に1冊ぐらいは、ビジネス書を読んだりしてます。

でも、これがけっこうつらいのです。
この分野、まともな本が少なすぎる。

ビジネス書をいくつか読んでみて、最近、自分の中では
6つの分類分けができてきました。

 (1)一代でのし上がった名経営者、半生を語る(ていうか自慢)
 (2)昔は大手コンサル、今は独立して稼ぎまくり成功者のバリバリ仕事術・出世術
 (3)凄腕ジャーナリストの、「徹底的に調査しました」
 (4)MBA教授の、とにかくたくさんケーススタディ
 (5)MBA教科書
 (6)ビジネスレビュー系

結論:(1)~(4)は、ろくなものがない。

ここまでたどり着くのに、だいぶ無駄な読書がありました。
おれの時間を返してほしい・・・。


で、今日読み終わったこの本は、オレ分類だと(6)なんですが、
数少ない「当たり」。
大当たりは、前著なんですが、この本はこの本でおもしろい。

例えば、前にモジュール化の話を書きましたが、まさにその内容が
この本の5章に書いてありました。

モジュール化が進む状況とか、それに伴う産業構造の変化の分析は、
「なるほどねー」という感じで、すごく腑に落ちる

あと、以下の内容も納得。
「モジュール化は不可逆な流れでは決してなくて、モジュール型と
統合型の性能ギャップに対して、ユーザの性能ニーズがどこに
位置しているかによって流れは決まる。
実際、モジュール化⇒再統合という流れもあるし。
要は状況によって適切な戦略は変わるのよ。」


前著に比べると、内容てんこ盛りすぎて読みづらいのが難点だけど、
まぁ、それは共著だからでしょう。

いやー、ホントすっきりした。
クレイトン・クリステンセン、あんたすごいよ(名前はくどいけど)。


「IT系はモジュール化の圧勝だから、ケータイもモジュール化が進む」
「ユーザのモジュール化ニーズ調査結果から分析すると...」
なんて荒っぽい議論とは大違いですね。

よくあるケーススタディは、上のような荒っぽい議論が多いです。
たくさん事例研究して、その共通点を見出すだけ。