夜明け前午前5時

徹夜明けの思いつきレベルな発想を、推敲なしでお届け

A Wild Haruki Chase

2006-11-24 01:18:09 | 本:その他

村上春樹を海外で翻訳してる人たちを集めた
シンポジウムの記録です。

これはすっごくおもしろい。
視点の幅がすごく広くて「へー、こんな読み方もあるんだ」
と感心することしきりでした。


そして、なんといってもリチャード・パワーズの基調講演がすごい。
いやー、ホントすごいです。
以前にBlogで「小説家が評論的に物を語るのはやめてほしい
と書きましたが、ここまでされたら降参です。参りました。


春樹の長編にユングの世界観を重ねるのは、一般的というか
周知な事実だと思います。
本人自身、河合隼雄と何度も対談とかしていることからも
影響というか類似性は明らかですし。,

ただ、ユング的世界って、輪郭がぼんやりしてて、
はっきりとはつかめない気がするのです。
少なくとも自分はそんな感じ。

イメージはつかみやすいんだけど、
つきつめづらいというか。
ある一定の領域からは、「そこは感じるのです」とつきはなされちゃうというか。

そこをパワーズは、脳科学を引用することで、ぐっと輪郭を
はっきりさせてます。
とくに前半部分で、先端の脳科学と春樹的世界を関連付けしていく
ところは、ゾクゾクするぐらい刺激的でした。
いきなり視界が晴れるような、そんな気分。


あと、はじめの1ページぐらいで述べられる、村上春樹に対する
最大限の賛辞もすばらしいです。要チェック。


見える化 他

2006-11-24 00:32:34 | 本:ビジネス

ちょい久しぶりのビジネス系です。

見える化  強い企業をつくる「見える」仕組み」と
事例に学ぶ経営と現場力」の2冊。

共に同じ著者で、以前に読んだ「現場力を鍛える」が
気に入ったので買ってみました。


どっちも、事例紹介を中心にしているのですが、事例ごとの
情報が少なすぎるのがちょっと残念。
「いいことばっか書いてあるけどほんとかいな?」と思ってしまう。


事例研究は、各種レビュー物を読んだほうがよさそうです。


暖房

2006-11-20 00:02:31 | お休み

引越しして、かれこれ一年半を過ぎた我が家。
かなり気に入っていて、ほとんど不満はありません。
独り身にしちゃかなり広いし、商店街最高だし。

しかし、数少ない不満が…。
「寒いっ!」。

築十年ってこともあり、隙間風が結構厳しいのです。
とくにソファーを置いてある後ろの出窓からは
常時スースーそよ風が吹いてきます。

天井が高くて(ココさりげなく自慢)、エアコン暖房の効きが
悪いのも困ったところです。
かといって、コタツを置くと、部屋が荒れるのは目に見えてるし。


石油ファンヒーターか、ホットカーペットか、すごく迷ったのですが、
結局ホットカーペットを本日購入しちゃいました。

ヤバイ、これ。
ちょー気持ちいい。

さっそくごろごろ床の上をころがってます。
ソファーもローソファーに入れ替えようか本気で検討中。


紀子の食卓

2006-11-16 02:44:33 | 映画

観ようと思ってたのに、いつの間にか終わってたこの映画

「あーぁ…」と思ってあきらめてたら、アップリンクXで
レイトショー上映が始まったので、さっそく観に行きました。

最近、単館系は、いくつかの映画館で順に上映されることが
けっこうあって、うれしい。


感想:「おしり痛かった…」

アップリンクXって、いろんな種類の一人がけソファが
それぞれ座席になってます。
ソファって長い時間同じ体勢だと結構きつい。
2時間超の長い映画だったので、苦しかった。


ちょっとまじめに映画の感想を述べると、確かにレベルは
とても高い映画。ちゃんと考えて、ちゃんと作ってる。

でも…、あまりにも意図的な仕掛けが多すぎる。
シナリオの構造(ある家族の話がメビウスの環みたいになってる)
自体が表現になっていたり。
しかも、そういったことがかなり表に出てる。

自分の感覚では、これが映画である必然性は、ないです。

最近評価される映画・小説は、この傾向ばかりなので、
自分の感覚がおかしいのかもしれませんけど。


あ、ここまで書いてなんですが、基本いい映画ですよ。
これだけ長いのに、ぜんぜん長く感じさせないし、
「これいらない」と思うようなカットもほとんどない。


奇跡の人

2006-11-13 23:54:48 | 本:その他

これ、別に本を読んだわけじゃないです。

書きたい内容に合うカテゴリーがなかったので、
無理やり書名をタイトルにしました。


今日の帰りの電車にて、高校生A&Bの会話…
※注:ネイティブじゃないので意訳

A 「あのさー、目が見えなくて、音が聞こえなくて、話せない
  人の話って知ってるー?」
B 「えー、知らない、何それ?」
A 「なんかさー、そんな感じだから、四つんばいで、動物みたいに
   ウーウーうなってる感じだったのがさー、サリバン先生っていう
   先生に出会って…」
B 「でも、どうやって話せるように…?」


えーーーーーーーっっっっっっつ???!!!


今の10代に、ヘレン・ケラーって情報は入ってこないの?
偉人ど真ん中ですよ!
業界(偉人界)の超大御所っすよ!!
紅白だったら昔のヒット曲でトリ飾っちゃうレベルですよ!!!

…。

ちょっと熱くなりすぎました。
しかし、2/2の確率で知らんっつう事実をどう受け止めたらいいのか。


でもまぁ、偉人の流行り廃りはあるのかもしれません。

そもそも、偉人伝ってカテゴリ自体が、一過性のブームだったのかも。
矢追純一のUFO特番と同じようなもんだったのでしょうか。


幽霊たち

2006-11-11 23:44:27 | 本:小説

#今日は日記調で書いてみようと突然思いました。
 で、書いてみたんですが、全体的にトーンが暗い。
 色でいうと、明らかに灰色系。
 俺は素だと基本的に暗いんだろうか…。


朝から雨。
いきなり外に出る気ゼロになる。

家でぐだぐだ過ごすにはやっぱり本。
オースターの「幽霊たち」を手に取る。
短い本なので、すぐに読了。

これでニューヨーク三部作は読み終わった。
三部作だと「鍵のかかった部屋」が一番好き。
この「幽霊たち」は観念的すぎていまいち好きになれない。


夕方には雨があがったので、よく行く魚屋へ。
ホウボウが安かったので買ってアクアパッツァに。

調理後の顔アップはかなり気持ち悪いので、
若干引き気味で撮ってみる。
それでもだいぶ気持ち悪いな…。


ご飯を食べながら雑誌「ダ・ヴィンチ」を読んでいたら、
ばななの「哀しい予感」を塚本晋也演出で舞台があることを知る。
塚本晋也って舞台演出もやるんだ。
さっそく調べてチケット予約。

ばなな作品は「アムリタ」以降ほとんど読んでないので、
これを機会にちょっと読んでみようかと思う。


ゆれる

2006-11-05 00:51:42 | 映画

そして今日2本目は「ゆれる」。

ずーっと気になってた映画ですが、今日は18:30~の回で
西川監督のティーチインがあったので、いい機会かなーと思い、
観に行きました。


これは、オダギリジョーと香川照之の映画です!

で、自分的には香川照之の勝ち。
全ては、ラストカットに集約されます。

ラストカットの完成度(香川が演じる兄「稔」の表情)が
あまりに高かったので、その後の監督のティーチインで
「ラストカットは時間に追われて…」という話を聞いて
さらに驚きました。

あのラストカットは、シナリオ時点で明確に頭の中に
あったんだろうか?

それとも現場で撮った時点で見えた絵なんだろうか?

あー、手を挙げて質問しときゃよかった…。


幸福のスイッチ

2006-11-05 00:51:26 | 映画

今日は映画三昧。

ま、三昧といっても2本なんですが。
1日に3本以上観ると、どうしても1本は印象薄くなっちゃうので。
最終週でどうしても観ておかないとってとき以外は1日2本まで、
と決めてるのです。


まず1本目は「幸福のスイッチ」。

ひさしぶりにテアトル新宿に行きました。
最近、邦画をあんまり観てなかったんですが、邦画といえばココ。
チョイスがとってもいい映画館です。

そして、この映画の監督、実は松下電器の元社員の人なんです。
かつ、ショップ店さんを舞台にした映画。
#普通「販売店」と言うけど、松下は「ショップ店さん」と言う。


いやー、素直にとてもいい映画でした。
身内な感じ(?)なので、冷蔵庫納品とか、屋根の上の
アンテナ交換とか、自分の販売実習のときを思い出しつつ。

ちょっとひいき目かもしれないけれど、でも、すごいよかった。
映画って、そもそも、こういうものなのかな、って。

物語を通じて、勇気とか元気をもらって、
んで、自分もがんばって行こう、って思う、
そんな映画。


学生のときはほんと人間嫌いで、社会に出るつもりなんて全く無くて、
でも、映画とか友人とかいろいろ偶然に後押しされて、僕は社会に
出ちゃったわけです。

今日、その選択は間違ってなかったと、ホントしみじみ思った。


学生のときに観たら、たぶん印象は全く違ったんだろうな。
「なんて偽善的な世界なんだ」とか、きっと思っちゃったりして。

確かに、映画という表現の限界を探ることとかが、映画に生きる人に
とってはすごく重要なのはよく分かる。
自分も映画を観るときは、そっち側の視点でいることが多いし。
でも、それは映画の1つの要素であって、それが全てじゃない。


松下グループの人は必ず観に行くべし。
間違いなく初心に帰れます。

あと、仕事に悩んでる人も観に行くべし。
仕事って何なのか、答えが見えてくるかもしれません。


チャンピオンたちの朝食

2006-11-02 01:57:44 | 本:小説

スーパーで売ってる惣菜・お弁当類が一巡して
飽きてきたせいもあり、最近また料理づいてきました。

今日は、豚の角煮的なもの。
じゃがいもやら、しいたけやら、余り野菜を入れたので、
ふつうの煮物に限りなく近くなってしまいました…。


さて、本はひさしぶりのヴォネガットです。

これは他のヴォネガット作品と比べてだいぶ違う感じ。
「事実を述べてます」みたいな空気で、短いセンテンスが
続きます。

あと、同じことを意図的に繰り返し書いたり、この小説の
書き手自体が小説の中に登場したり、メタフィクションの
要素がだいぶ強い。

残念ながらちょっと苦手なタイプの小説です。
もうちょっと短ければ楽しんで読めそうなんだけど。


ぜんぜん別の意味でおもしろかったのは、村上春樹の
「風の歌を聴け」は、明らかにこの作品、特に文体を
意識してること。
あと、「風の~」の挿絵(Tシャツ)のでき具合も間違いなく
意識してます。

電車の中で読みながら、「この感じって前に絶対どっかで
読んだことある…」と、ずーっとモヤモヤしてた。
今日、『「風の歌を聴け」じゃないか!』と気づきました。

あー、すっきりした。