村上春樹を海外で翻訳してる人たちを集めた
シンポジウムの記録です。
これはすっごくおもしろい。
視点の幅がすごく広くて「へー、こんな読み方もあるんだ」
と感心することしきりでした。
そして、なんといってもリチャード・パワーズの基調講演がすごい。
いやー、ホントすごいです。
以前にBlogで「小説家が評論的に物を語るのはやめてほしい」
と書きましたが、ここまでされたら降参です。参りました。
春樹の長編にユングの世界観を重ねるのは、一般的というか
周知な事実だと思います。
本人自身、河合隼雄と何度も対談とかしていることからも
影響というか類似性は明らかですし。,
ただ、ユング的世界って、輪郭がぼんやりしてて、
はっきりとはつかめない気がするのです。
少なくとも自分はそんな感じ。
イメージはつかみやすいんだけど、
つきつめづらいというか。
ある一定の領域からは、「そこは感じるのです」とつきはなされちゃうというか。
そこをパワーズは、脳科学を引用することで、ぐっと輪郭を
はっきりさせてます。
とくに前半部分で、先端の脳科学と春樹的世界を関連付けしていく
ところは、ゾクゾクするぐらい刺激的でした。
いきなり視界が晴れるような、そんな気分。
あと、はじめの1ページぐらいで述べられる、村上春樹に対する
最大限の賛辞もすばらしいです。要チェック。
ちょい久しぶりのビジネス系です。
「見える化 強い企業をつくる「見える」仕組み」と
「事例に学ぶ経営と現場力」の2冊。
共に同じ著者で、以前に読んだ「現場力を鍛える」が
気に入ったので買ってみました。
どっちも、事例紹介を中心にしているのですが、事例ごとの
情報が少なすぎるのがちょっと残念。
「いいことばっか書いてあるけどほんとかいな?」と思ってしまう。
事例研究は、各種レビュー物を読んだほうがよさそうです。
引越しして、かれこれ一年半を過ぎた我が家。
かなり気に入っていて、ほとんど不満はありません。
独り身にしちゃかなり広いし、商店街最高だし。
しかし、数少ない不満が…。
「寒いっ!」。
築十年ってこともあり、隙間風が結構厳しいのです。
とくにソファーを置いてある後ろの出窓からは
常時スースーそよ風が吹いてきます。
天井が高くて(ココさりげなく自慢)、エアコン暖房の効きが
悪いのも困ったところです。
かといって、コタツを置くと、部屋が荒れるのは目に見えてるし。
石油ファンヒーターか、ホットカーペットか、すごく迷ったのですが、
結局ホットカーペットを本日購入しちゃいました。
ヤバイ、これ。
ちょー気持ちいい。
さっそくごろごろ床の上をころがってます。
ソファーもローソファーに入れ替えようか本気で検討中。
観ようと思ってたのに、いつの間にか終わってたこの映画。
「あーぁ…」と思ってあきらめてたら、アップリンクXで
レイトショー上映が始まったので、さっそく観に行きました。
最近、単館系は、いくつかの映画館で順に上映されることが
けっこうあって、うれしい。
感想:「おしり痛かった…」
アップリンクXって、いろんな種類の一人がけソファが
それぞれ座席になってます。
ソファって長い時間同じ体勢だと結構きつい。
2時間超の長い映画だったので、苦しかった。
ちょっとまじめに映画の感想を述べると、確かにレベルは
とても高い映画。ちゃんと考えて、ちゃんと作ってる。
でも…、あまりにも意図的な仕掛けが多すぎる。
シナリオの構造(ある家族の話がメビウスの環みたいになってる)
自体が表現になっていたり。
しかも、そういったことがかなり表に出てる。
自分の感覚では、これが映画である必然性は、ないです。
最近評価される映画・小説は、この傾向ばかりなので、
自分の感覚がおかしいのかもしれませんけど。
あ、ここまで書いてなんですが、基本いい映画ですよ。
これだけ長いのに、ぜんぜん長く感じさせないし、
「これいらない」と思うようなカットもほとんどない。
これ、別に本を読んだわけじゃないです。
書きたい内容に合うカテゴリーがなかったので、
無理やり書名をタイトルにしました。
今日の帰りの電車にて、高校生A&Bの会話…
※注:ネイティブじゃないので意訳
A 「あのさー、目が見えなくて、音が聞こえなくて、話せない
人の話って知ってるー?」
B 「えー、知らない、何それ?」
A 「なんかさー、そんな感じだから、四つんばいで、動物みたいに
ウーウーうなってる感じだったのがさー、サリバン先生っていう
先生に出会って…」
B 「でも、どうやって話せるように…?」
えーーーーーーーっっっっっっつ???!!!
今の10代に、ヘレン・ケラーって情報は入ってこないの?
偉人ど真ん中ですよ!
業界(偉人界)の超大御所っすよ!!
紅白だったら昔のヒット曲でトリ飾っちゃうレベルですよ!!!
…。
ちょっと熱くなりすぎました。
しかし、2/2の確率で知らんっつう事実をどう受け止めたらいいのか。
でもまぁ、偉人の流行り廃りはあるのかもしれません。
そもそも、偉人伝ってカテゴリ自体が、一過性のブームだったのかも。
矢追純一のUFO特番と同じようなもんだったのでしょうか。
#今日は日記調で書いてみようと突然思いました。
で、書いてみたんですが、全体的にトーンが暗い。
色でいうと、明らかに灰色系。
俺は素だと基本的に暗いんだろうか…。
朝から雨。
いきなり外に出る気ゼロになる。
家でぐだぐだ過ごすにはやっぱり本。
オースターの「幽霊たち」を手に取る。
短い本なので、すぐに読了。
これでニューヨーク三部作は読み終わった。
三部作だと「鍵のかかった部屋」が一番好き。
この「幽霊たち」は観念的すぎていまいち好きになれない。
夕方には雨があがったので、よく行く魚屋へ。
ホウボウが安かったので買ってアクアパッツァに。
調理後の顔アップはかなり気持ち悪いので、
若干引き気味で撮ってみる。
それでもだいぶ気持ち悪いな…。
ご飯を食べながら雑誌「ダ・ヴィンチ」を読んでいたら、
ばななの「哀しい予感」を塚本晋也演出で舞台があることを知る。
塚本晋也って舞台演出もやるんだ。
さっそく調べてチケット予約。
ばなな作品は「アムリタ」以降ほとんど読んでないので、
これを機会にちょっと読んでみようかと思う。
そして今日2本目は「ゆれる」。
ずーっと気になってた映画ですが、今日は18:30~の回で
西川監督のティーチインがあったので、いい機会かなーと思い、
観に行きました。
これは、オダギリジョーと香川照之の映画です!
で、自分的には香川照之の勝ち。
全ては、ラストカットに集約されます。
ラストカットの完成度(香川が演じる兄「稔」の表情)が
あまりに高かったので、その後の監督のティーチインで
「ラストカットは時間に追われて…」という話を聞いて
さらに驚きました。
あのラストカットは、シナリオ時点で明確に頭の中に
あったんだろうか?
それとも現場で撮った時点で見えた絵なんだろうか?
あー、手を挙げて質問しときゃよかった…。
今日は映画三昧。
ま、三昧といっても2本なんですが。
1日に3本以上観ると、どうしても1本は印象薄くなっちゃうので。
最終週でどうしても観ておかないとってとき以外は1日2本まで、
と決めてるのです。
まず1本目は「幸福のスイッチ」。
ひさしぶりにテアトル新宿に行きました。
最近、邦画をあんまり観てなかったんですが、邦画といえばココ。
チョイスがとってもいい映画館です。
そして、この映画の監督、実は松下電器の元社員の人なんです。
かつ、ショップ店さんを舞台にした映画。
#普通「販売店」と言うけど、松下は「ショップ店さん」と言う。
いやー、素直にとてもいい映画でした。
身内な感じ(?)なので、冷蔵庫納品とか、屋根の上の
アンテナ交換とか、自分の販売実習のときを思い出しつつ。
ちょっとひいき目かもしれないけれど、でも、すごいよかった。
映画って、そもそも、こういうものなのかな、って。
物語を通じて、勇気とか元気をもらって、
んで、自分もがんばって行こう、って思う、
そんな映画。
学生のときはほんと人間嫌いで、社会に出るつもりなんて全く無くて、
でも、映画とか友人とかいろいろ偶然に後押しされて、僕は社会に
出ちゃったわけです。
今日、その選択は間違ってなかったと、ホントしみじみ思った。
学生のときに観たら、たぶん印象は全く違ったんだろうな。
「なんて偽善的な世界なんだ」とか、きっと思っちゃったりして。
確かに、映画という表現の限界を探ることとかが、映画に生きる人に
とってはすごく重要なのはよく分かる。
自分も映画を観るときは、そっち側の視点でいることが多いし。
でも、それは映画の1つの要素であって、それが全てじゃない。
松下グループの人は必ず観に行くべし。
間違いなく初心に帰れます。
あと、仕事に悩んでる人も観に行くべし。
仕事って何なのか、答えが見えてくるかもしれません。
スーパーで売ってる惣菜・お弁当類が一巡して
飽きてきたせいもあり、最近また料理づいてきました。
今日は、豚の角煮的なもの。
じゃがいもやら、しいたけやら、余り野菜を入れたので、
ふつうの煮物に限りなく近くなってしまいました…。
さて、本はひさしぶりのヴォネガットです。
これは他のヴォネガット作品と比べてだいぶ違う感じ。
「事実を述べてます」みたいな空気で、短いセンテンスが
続きます。
あと、同じことを意図的に繰り返し書いたり、この小説の
書き手自体が小説の中に登場したり、メタフィクションの
要素がだいぶ強い。
残念ながらちょっと苦手なタイプの小説です。
もうちょっと短ければ楽しんで読めそうなんだけど。
ぜんぜん別の意味でおもしろかったのは、村上春樹の
「風の歌を聴け」は、明らかにこの作品、特に文体を
意識してること。
あと、「風の~」の挿絵(Tシャツ)のでき具合も間違いなく
意識してます。
電車の中で読みながら、「この感じって前に絶対どっかで
読んだことある…」と、ずーっとモヤモヤしてた。
今日、『「風の歌を聴け」じゃないか!』と気づきました。
あー、すっきりした。