ドナルド・キーン著、新潮社刊
正岡子規は近代の俳句に革新をもたらした偉人、という程度の認識しかありませんでしたが、ふと興味を持って手に取りました。俳句以外にも短歌や評論など、幅広い文芸活動でそれぞれの分野に大きな影響を及ぼしたということです。ドナルド・キーンさんの文章は何度か目にしたことがありますが、本書のような文学者に関するものは初めて読みました。本書は確認できる記録から正確な子規の生涯を描き出したものと思います。そのため淡泊な印象がありますが、矛盾するものを含めて資料に基づき人となりが記してあります。秀でた人々は凡人以上に矛盾と混沌を抱え込んでいることが多いように思いますが、子規にあっても例外ではなかったようです。目指すものへの希求の質・量ともに凄まじく、その実現のためには手段を選ばない、あるいは人の意を介しないといった極端な面があったのだと思います。晩年の子規の面倒を見た母と妹へに対する子規の文章を読むと、そうしたことが特に忍ばれます。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/ドナルド・キーン
https://ja.wikipedia.org/wiki/正岡子規
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評価は4です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
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正岡子規は近代の俳句に革新をもたらした偉人、という程度の認識しかありませんでしたが、ふと興味を持って手に取りました。俳句以外にも短歌や評論など、幅広い文芸活動でそれぞれの分野に大きな影響を及ぼしたということです。ドナルド・キーンさんの文章は何度か目にしたことがありますが、本書のような文学者に関するものは初めて読みました。本書は確認できる記録から正確な子規の生涯を描き出したものと思います。そのため淡泊な印象がありますが、矛盾するものを含めて資料に基づき人となりが記してあります。秀でた人々は凡人以上に矛盾と混沌を抱え込んでいることが多いように思いますが、子規にあっても例外ではなかったようです。目指すものへの希求の質・量ともに凄まじく、その実現のためには手段を選ばない、あるいは人の意を介しないといった極端な面があったのだと思います。晩年の子規の面倒を見た母と妹へに対する子規の文章を読むと、そうしたことが特に忍ばれます。
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