読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

須田国太郎展

2012年07月24日 19時06分12秒 | ■見る
茨城県近代美術館で開催中の展覧会です。1989年に生まれ1961年(昭和36年)に没していますが、会場の年譜を見ると、京都の裕福な商家に生まれ、頭が良く、京都帝国大学の哲学科で美学美術史を学んでいますが、少年期から絵を描くことが好きだったそうです。大学院まで進みますが、関西美術院に入学し、デッサンを学んだ後、渡欧してスペインのプラド美術館でルネサンス以降の絵画を模写するほか、欧米各国で様々な芸術に触れたそうです。展示会場に須田国太郎の文章が引用されていましたが、
西欧の絵画の表現様式が、それぞれの必然性によって成り立っているのに対し、当時の日本の西洋画家の多くが、表現様式のみを学び、描がいているに過ぎない。
との趣旨の批判が述べられています。逆に言えば、須田は、描くべき内容をどのように表現するかについて思索し、作品を積み上げていったのだと思います。作品は、学生時代のものから最晩年までの120点が展示されていますが、いずれの絵も、ぼんやりとした静止画のような雰囲気があります。その絵の中では時間が止まってしまっているかのような感じです。その一方で、暗い中に得体の知れない固まりのようなものが絵から飛び出てくる、ある種の圧迫感を感じました。作品の解説が独特でした。
私は、こうした美術展では、(実際は買えませんが)買い求めるとしたらどれを買うか、という視点で見るようにしていますが、花を描いた作品群が気に入りました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/須田国太郎
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評価は4です。

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