風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

ヒメチャマダラセセリ ’11春北海道

2011-06-14 | ’11春北海道
ヒメチャマダラセセリは、
ユーラシア大陸に広く分布するそうですが、
国内では北海道のアポイ岳だけに生息するセセリチョウです。


ヒメチャマダラセセリ(花はサマニユキワリ) 11.5.22 アポイ岳

去年アポイ岳に上がったのは7月で、
5、6月に発生するこの蝶を見ることができませんでした。
「今年は絶対見たい!」
と、会えるまではアポイに居つづける覚悟で出かけました。

前々日から日高に入り晴れる日を待っていたのですが、
22日は午後から好転しそうです。
上がることにして少し遅めに出発しました。
写真を撮りながら頂上まで上がりガスが切れるのを待っていたのですが、
昼を過ぎてもなかなか晴れ間が出てきません。

「今日はだめかな、また明日かな…」
そんなことを思いながら下りはじめると、やっと薄日が差してきました。

馬の背まで下りてくると、
隙のない所作で蝶を撮影している方がおられ、
少ないながらもヒメチャマダラセセリも飛んでいます。
これ幸いと、なるべく邪魔にならないように撮影させていただきました。


ヒメチャマダラセセリ 11.5.22 アポイ岳


ヒメチャマダラセセリ 11.5.22 アポイ岳


ヒメチャマダラセセリ 11.5.22 アポイ岳

食草のキンロバイです(昨年撮影)。


〈参考〉キンロバイ 10.7.16 アポイ岳

ところで、アポイ岳のヒメチャマダラセセリですが、
心配なことに近年その生息数が減少しているそうで、
登山者の急増や温暖化に伴う自然環境の変化が影響しているといわれています。

具体的に指摘されている環境の変化は、
ハイマツの繁茂とそのことによるガレ場や露岩地帯の狭小化で、
このことが高山植物やヒメチャマダラセセリ減少の直接的な原因だといわれています。

馬の背でお会いした方のお話では、
昔は馬の背から頂上へ続く稜線だけでなく、
五合目からの尾根筋でもヒメチャマダラセセリが見られたそうですが、
現在は観察ポイントも限られてしまったということです。


ハイマツ帯(中央、アポイ岳頂上)11.5.22 馬の背

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