風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

点名「長尾鼻」

2009-10-29 | 三角点など
一等三角点「長尾鼻」、標高80.81mです。
旧気高郡青谷町の長尾鼻という日本海に突き出した小さな岬にあります。
岬の周囲は海に面した岩場になっていて、秋は磯の大物釣りで賑わいます。


点名「長尾鼻」 09.10.12

古い点の記によると、1887年(明治20)の埋石、
石材は青石となっていますが、現在の標石は花崗岩で、
仏ヶ仙の点名「半甲山」と同じく改埋されているようです。
ただし、仏ヶ仙と違ってしっかりとした緻密な花崗岩です。


点名「長尾鼻」 09.10.12

県境の三角点

2009-10-26 | 三角点など
大山の紅葉も今が盛りのようですが、
この土日はぐずぐずしていてどこにも行けませんでした。

突然ですが、三角点の写真は色気がないんですよね…。
どうも、私はマニアにはなれないみたいです…。

ま、気を取り直して…、12個ですからね。

ところで三角点ですが、
国土地理院のHPにある基準点設置点数一覧表(都道府県別)によれば、
平成21年3月31日現在で全国に107,837点あるそうです。内訳は一等三角点974点、
二等三角点は5,061点、三等三角点は32,392点、残りは四等三角点です。
このうち鳥取県には、一等が12点、二等が42点、三等が339点、四等が767点で
合計1,160点の三角点があることになっています。

この12点の一等三角点名を具体的に上げていくと、
長尾鼻(80.81m)、高聾山(288.34m)、三国山(1251.92m)、
大将山(177.14m・蜘ヶ家山)、天神野(54.01m)、大平山(193.61m)、
焼林村(115.12m)、進藤池山(474.32m)、二子山(1358.43m・矢筈ヶ山)、
洗足谷山(736.25m・洗足山)、半甲山(743.48m・仏ヶ仙)、花見山(1188.10m)
になります。
一応山登りの対象になりそうな一等三角点の山は、三国山、二子山(矢筈ヶ山)、
洗足谷山(洗足山)、半甲山(仏ヶ仙)、花見山ぐらいでしょうか。


氷ノ山頂上の三角点 09.5.23

ここまで淡々と書いてきましたが、
氷ノ山は? 氷ノ山も一等三角点のはず!
残念ながら、氷ノ山は兵庫県に入っていました。
三角点の標石は、兵庫県養父郡大屋町(現養父市)横行の奥山国有林にあるそうです。
別に一等三角点の多いほうが偉いというわけじゃないんだけどね。


点名「氷ノ山」 07.5.20

氷ノ山のように県境の三角点で、他県に入っているのが、
新山要害山(島根県)と道後山(広島県)。
道後山は、地図を見ると西のピークが県境になっていて、
東のピークに三角点があるのでどうしようもないかな。

鳥取県に入っている半甲山(仏ヶ仙)、花見山も岡山県との県境にある山だけど、
こちらは、しっかり鳥取の方に三角点は埋設されているようです。

まぁ、道後山を除いて2勝2敗というとこでしょうか(笑)。


点名「氷ノ山」 07.10.21

氷ノ山の標石は、古い点の記に青石と記載があり花崗岩ではありません。
そのためか、一等の「等」の字の竹冠も見えなくなるほど上部が欠けています。
ちょっと痛々しい感じですね。
この三角点は、上部の+印の彫り込みが深い特徴があり、
鳥取県中部の点名「大将山」と石材もですが、
+印の彫り込も大変良く似ています。

なお、上西勝也さんのHP「三角点の探訪」によれば、
1888年(明治21)の埋設の後、1927年(昭和2)にあの柴崎芳太郎氏によって
埋め直し(改埋)されているようです。

点名「半甲山」

2009-10-23 | 三角点など
18日(日)の午後から仏ヶ仙山頂にある一等三角点、
点名「半甲山」(はんこうざん、標高743.48m)を見てきました。
登山口から桧の植林と雑木の境界を20分ほど上がると山頂に着きました。

仏ヶ山は岡山県境にありますが、山頂の三角点は、
鳥取県東伯郡関金町(現倉吉市)大字浅井奥地内に所在すると
国土地理院の「一等三角点の記」にあります。


仏ヶ仙山頂 09.10.18

三角点を中心に小さく切り開いた山頂には、
何株かのアキノキリンソウが咲いていました。
そして、ドライフラワーのようになったワレモコウと
早くも花芽を出して春を待つイワナシが少しと…。
なぜか寂しげな山頂です。

 
アキノキリンソウ 09.10.18        イワナシ(花芽) 09.10.18

山頂近くからは蒜山が間近に見え、
写真には上手に写せませんでしたが、
右奥には一等三角点のある矢筈ヶ山(点名「二子山」)もうっすらと見えます。
大山は蒜山の陰になってしまうようです。


蒜山 09.10.18

木立の間から見える鳥取県側も霞んでいますが、
なんとか一等三角点「大将山」のある蜘ヶ家山も確認できました。
2点の一等三角点を同時に眼で確認すると、
素人なりに全国をカバーしている三角点網を実感することができます。


北(鳥取県側)の展望 09.10.18

三角点標石は、「高聾山」ほどではないですが粗い花崗岩です。
各辺、特に上面の4辺は面取り加工をしているように見えますが、
風化による可能性もあります。

なお、「旧点の記」に基づいたある資料では、
この三角点の石材を「青石」としてありましたが、
見る限り確かに花崗岩です。
「一等三角点の記」などの記録には、
明治20年(1887年)の埋設後に
標石を取替えたような記述はないんですけど…、?です。


点名「半甲山」 09.10.18

燕岳の三角点

2009-10-19 | 三角点など

燕岳三角点 64.7.23 

三角点シリーズ(?)を始めて、
三角点のいい写真がないかなと、
昔のアルバムをめくっていて見つけたのがこの写真。
ちょうど45年前、中学校の登山部で行った燕岳での記念写真です。
前景に三角点を配し、人物の間に槍ヶ岳。
ありがちながら、記念写真の王道を行く写真ですね(笑)。
ちなみに三角点は二等三角点で点名「燕岳」、標高2762.85mです。

そういえば、登山部とか山岳部というのは、
高校でもそうでしたが、運動部とも文化部ともいえない
どっちつかずの特異というか不思議な存在だったような気がします。
ただただ走るマラソンやウサギ跳びだけでなく、
地図の読み方や短波ラジオを聴いて天気図を作る練習なども重要な部活動でした。
あまり覚えていないのですが、この45年前の写真を見ると、
そんな影響で三角点を意識していたのかもしれません。

ところで、写真の左から2人目はS校長で、
卒業以来お会いしてませんが、
お元気であれば百歳前後になられるはず。
時間の経つのは早いですね。
久しぶりに中学の卒業アルバムなんかも見て、
しばし感慨に耽ってしまいました(笑)。

それはともかく、
ずいぶん前から若い人の登山離れがいわれ、
山は中高年登山者に占領されていますが、
本当はもっと若い人、
特に中学生や高校生に登ってもらいたいもんですね。

写真を見て気がついたんですけど、
「燕岳」の標石の二等三角点という陰刻は写真の左側面にあるはずですが、
右側面にもなにやら文字のようなものがたくさん見えます。
最近の写真をネットで探して見たところ何も見えません。
何だろうと写真を拡大してみたところ、どうも落書きのようです。
今は少なくなりましたが、
確かに昔は結構この手の落書きが多かったですね。

点名「高聾山」

2009-10-17 | 三角点など
11日にセンブリの咲く秋の山道を辿って行った先は、
点名「高聾山」。
一等三角点です。

映画も新田次郎の原作も見てないんですが、
なにかの記事によれば、
「剱岳 点の記」のヒットで三角点ファンが増えているそうです。
そこで、ミーハーである私は考えたんですよ。
百名山やセブンサミットは無理でも、
県内12点の一等三角点ぐらいは・・・と。


点名「高聾山」 09.10.11

点名「高聾山(たかつんぼやま)」は標高288.34m。
明治20年に埋設された標石は、
粗い石肌の花崗岩で、相当風化が進んでいるように見えました。
いままで見た三角点に比べると、
ずいぶん粗略な石材が使われているという印象です。


点名「高聾山」 09.10.11

三角点は雑木林の中にあって周囲の眺望はありません。
でも、すぐ近くに旧建設省の通信用反射板が2基あって、
ここからは日本海を望むことができます。 


反射板から北を望む 09.10.11  

訂正します。

2009-10-14 | Weblog
午後の林道でゴイシシジミと遊んでいると、
結構なスピードで追尾飛翔する黒っぽい2匹の蝶が行き過ぎる。


ゴイシシジミ 09.10.11 鳥取市


クロヒカゲ 09.10.11 鳥取市

「何?」と目で追ったが見失ってしまう。
しばらくしすると戻ってきてササの葉にとまった。
立てた翅の裏には蛇の目模様。
「ジャノメか・・」
秋の陽に開いた翅表を見てビックリ。
「アイツだ!」

ということで、7月14日の記事の2枚目の写真のキャプションを、
「シジミチョウ科の仲間」から「クロヒカゲ」に訂正します。

ジャノメ蝶の仲間があんなに早く飛ぶとは思いませんでした。
それにテリトリーを張る習性のあることも・・・、勉強不足です。
いずれにしても、その場で良く観察せず、
拡大した写真だけで判断してしまったことが一番の問題ですね。
反省。


キチョウ(キタキチョウ) 09.10.11 鳥取市

秋の山道

2009-10-13 | Weblog
今は歩く人も少なくなった里の山道。
道の真ん中には猪のヌタ場や小鳥の巣。
そして人知れず咲く小さな花。


センブリ 09.10.11 鳥取市


コウヤボウキ 09.10.11 鳥取市


ヌタ場 09.10.11 鳥取市

 
鳥の巣 09.10.11 鳥取市        ヤマアカガエル(?) 09.10.11 鳥取市


センブリ 09.10.11 鳥取市

今日は岡山森林公園

2009-10-12 | Weblog
紅葉にはまだ早いと思いましたが、
行ったことがなかったので、岡山の森林公園に行ってみました。


ブナ林 09.10.12 岡山県立森林公園

小さな子供さんからおばあちゃん、おじいちゃんまで、とてもにぎわっていました。
手を加えすぎずに整備され、自然を生かしながら管理された公園で感心しました。
こんな公園が身近にある岡山の人は幸せですね。

ところで、ブナの林にたくさんブナの実が落ちていました。
予想どおり今年はブナの豊作の年のようです。


リンドウ 09.10.12

 
ブナ(実) 09.10.12             サワフタギ(実) 09.10.12

千軒平で昼食にしました。
今日のお昼は、上斎原の「斎の里」という特産品販売所で買ってきた
手作りの「おこわ」と「いなりずし」。
どちらも地元の食材を使ったご馳走です。
山の上で食べると美味しさも二倍三倍ですね。
(そのご馳走の写真は撮り忘れました)

きれいにき刈り払われた県境稜線には、色々なスミレの葉。
こりゃ、春にも来て見なくちゃ・・・。
そんなことを思いながら駐車場近くまで帰ってくると、
季節外れのニョイスミレが咲いていました。


千軒平(遠景は大山) 09.10.12


県境稜線 09.10.12 岡山県立森林公園

 
コマユミ(実) 09.10.12             ニョイスミレ 09.10.12

*ブナの実の写真は、少し実を集めて撮ったものです。

三平山の秋

2009-10-06 | Weblog

大山 09.10.4

大山の展望台として有名な三平山に初めて上がりました。
秋晴れのとっても良い天気の中、2時間のハイキングでした。

林道の登山口から樹林帯を上がっていくと、
綿帽子が木漏れ日を受けて、黄金色に輝いているセンボンヤリがありました。
春には地面に張り付くように白い小さな花を咲かせ、
夏から秋にかけては草丈も延びて閉鎖花をつける変わった花です。
ちょっと見には同じ花とは思えませんね。
参考までに春の花もアップしときます。


センボンヤリ(実) 09.10.4

 
センボンヤリ(閉鎖花) 09.10.4      センボンヤリ(花) 08.4.27 智頭町

樹林帯を抜けて笹とススキの原にでると、
登山道沿いにセンブリとリンドウが目だつようになりました。
センブリはちっちゃいから、
良く注意して歩かないと気が付かないかもしれません。

明治時代に馬の放牧のため造られた、だったかな、
その滑りやすい土塁をたどって行くと祠のある頂上に着きました。
頂上からは、大山だけでなく蒜山から日本海まで360度の展望です。

腰を下ろしてお昼にします。
烏ヶ山を従えた大山を眺めながらのオニギリも格別です。


センブリ 09.10.4


センブリ 09.10.4


リンドウ 09.10.4

烏ヶ山も山らしいシルエットをもったいい山なんだけど、
ここ三平山から見ると、
どうしても大山に「従う」という感じになっちゃいます。
高さでもですが、
大山のボリュームや南壁の荒々しさにはどうしても勝てないですね。
烏ヶ山だけをズームしてみました。いい山ですよね。


烏ヶ山 09.10.4

下山中、前を行ったり後ろにきたり、キタテハが付いてきました。
写真を撮ってあげると戻っていきました。


キタテハ 09.10.4

三平山は初めてでしたが、360度の展望だけでなく花も多い山で、
アキノキリンソウ、オミナエシ、ホクチアザミ、フジバカマ、
ワレモコウなども見ることができました。
さすが人気の山だと感心です。
春もいいんじゃないかと今から期待してます。

ちょっと・・・

2009-10-06 | Weblog
10月4日、日曜日。
楽な山というリクエストで、三平山に。
登り45分下り30分、ちょっと物足りないかな。


三平山(前方は蒜山) 09.10.4

帰りに米子の水鳥公園へ。
黄色いミヤコグサの花にシジミチョウ、
おっ!シルビアシジミ、いや、ヤマトシジミだ。ちょっと残念。


ヤマトシジミ 09.10.4 米子市

帰ってから畑の芋掘り。ちょっとちっちゃい。
あんまり大きいよりいいか。
苗を植えた後すぐに大風が吹いたせいかな。
なんせ葉っぱがちぎれ、軸というか茎だけになちゃったからね。


「ベニアズマ」 09.10.04

坊ガツルの夜

2009-10-05 | Weblog

「坊ガツル」キャンプ場 09.9.21

法華院温泉の上の方からズームして撮った坊ガツルのキャンプ場です。
草原のテントサイトで、トイレと炊事棟も整備されています。
ちょっと歩けば温泉とビールの自販機も(笑)。

二泊したのですが、連休中の賑やかな坊ガツルで、
若かりし頃の赤岳鉱泉や真砂沢のテント生活を思い出しました。

泥酔し、ズルズル引きずられながらテントに運びこまれる人、
見事な混声合唱で、「坊がつる賛歌」など山の歌を次々と繰り出すグループ。

「あぁ、昔はあんなだったよな・・・」と、自然に独り言がでます。
でも、歌もあんなに上手じゃなかったし、あんな上品な歌でもなかったけど・・・。

ところで、歌の上手下手はともかく、
昔は酔っ払うのも、歌をガナリたてるのもみんな若者だったんですけどね。
今はシルバー世代と言うんでしょうか、中高年が主役を張っています。

それにしても、九州の山やさんは元気です。感心しました。

九重へ(6)

2009-10-01 | Weblog
最終日、といっても三日目です。

三俣山に朝の陽があたるのを待ってたんですけど・・・
どうも天気は下り坂のようです。
昨日に比べてテントも少なくなっています。
私たちも下山することにしました。


三俣山 09.9.22


マツムシソウ 09.9.22

坊ガツルから、こんな林の中を歩いて雨ヶ池越に向かいます。
山陰や関東、中部地方とは随分印象の違う山の道です。

九州の古代人が向こうから歩いてくるような・・・
そんな感じというか、錯覚をおこしてしまうような道です。


山道 09.9.22


ホクチアザミ 09.9.22