風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

スミレ(5) ’11春北海道

2011-06-11 | ’11春北海道

オオバキスミレ 11.5.26 北海道福島町

スミレ(5)は、オオバキスミレです。

オオバキスミレは、現在のところ北海道から京都府北部の
主に日本海側に分布するスミレです。
山陰の者にはなじみの深いダイセンキスミレは、
このオオバキスミレの亜種に位置づけられているそうです。

でも、青ジソのような大きな葉と20センチ以上はあろうかという草丈、
そして沢沿いの樹林内に群生する様を見ると、
素人目には近しい関係にあるとは思えませんでした(笑)。


フチゲオオバキスミレ 11.5.23 北海道白老町


フチゲオオバキスミレ 11.5.23 北海道白老町

白老町の海岸からそう遠くない低地の林に、
オオバキスミレの近縁のフチゲオオバキスミレが
タチツボスミレやオオタチツボスミレ、ミヤマスミレと一緒に咲いていました。
知識としては知っていても、実際に現地で見ると新鮮でした。


ポロト湖 11.5.23 北海道白老町


オオバキスミレ 11.5.25 北斗市

オオバキスミレを見た後は、
北海道でも南西部だけに分布するというフギレオオバスミレが見たいと、
フギレの生育するという大千軒岳に朝早くから気合を入れて向かいました。

近くまでくると大千軒岳山系の山々が見えてきました。
けっこうな残雪です。


大千軒岳山系 11.5.26 北海道知内町

ところがです。
国道228号を松前町手前から右折し林道に入ったとたん頑丈な遮断機。
情報板によれば6月1日まで通行止めとのことです。
遮断機から登山口まで20キロ以上もあるようで、どうにもなりません。

大千軒岳も夕張岳に続いて登山する前に、あえなく敗退です。

しょうがないので松前の町をウロウロして、
コンクリートで復元したお城などを見てしまいました。
城内の展示も古く、
特にアイヌ民族の歴史に対するリスペクトが足らないように感じました。
(蝦夷地支配の前線であった松前の歴史からすればしょうがないのでしょうが…)

それはそうと北海道の山は、
林道などの長いアプローチを経て登山口ということが多く、
特に春は営林署など道路管理者へ事前の確認が必要なようです。

 
遮断機 11.5.26 北海道松前町         道路情報板 11.5.26 北海道松前町

昼過ぎに気を取り直し、
確か東側からも登山ルートがあったはずと、
福島町の知内川を遡行するコースを目指しました。


前千軒岳(?) 11.5.25 北海道福島町

こちらは登山口までたどりつけましたが、
徒渉もある沢沿いのコースで、山頂の往復に6、7時間はかかりそうです。
それでもと時間を決めて少し歩いてみることにしました。

雪の残る沢沿いのトレースをたどると、黄色いスミレが見えてきました。

フギレオオバキスミレ?

どうもただのオオバキスミレのようです。


オオバキスミレ 11.5.26 北海道福島町


オオバキスミレ 11.5.26 北海道福島町

「フギレてるっていってくれ!」 って気分ですが、
だめですね。オオバキスミレでしょう。


オオバキスミレ 11.5.26 北海道福島町

ずいぶんと陽も傾いてきたようなので、
無理をせず引き揚げることにしました。


知内川 11.5.26 北海道福島町

追記(2011.12.10)
改めて検討した結果、白老町のオオバキスミレをフチゲオオバキスミレに変更します。
追記(2011.12.15)
フチゲオオバキスミレに関する記述を追加、変更しました。

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