風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

千鳥と苧環

2012-06-23 | Weblog
今日はひと月ぶりに大山に向かう。

昨晩は、「朝一番に横手道でゼフィルスの乱舞を見て山頂まで上がり、
下山後は米子でシルビアシジミを見る」
というような計画で床についたのだが、
起きてみれば起床時間をずいぶんと過ぎていて、
いつも通りのことだがのっけから計画は頓挫してしまった。

環状道路にはネットを手にした蝶の採集者も多く、
悠長に写真機を構える雰囲気でもないので蝶々はまた今度にして、
10時前に文殊堂の駐車場から歩きだす。

5月には花を咲かせていたノウゴウイチゴも美味しそうな実を着けている。
ひと月なんてあっというまだ。
ダイセンキスミレはすでに花は無く、果もずいぶん大きくなっている。

イワカガミやツガザクラも終わり、岩肌を飾っているのはダイセンクワガタ。
稜線まで上がるとオダマキが迎えてくれた。
今年は花の数が多いような気がするがどうだろう。


ヤマオダマキ 12.6.23 大山

 
ヤマオダマキ 12.6.23 大山

大山の稜線で風に揺れているヤマオダマキの姿は格別だ。
色あいとあいまって気品のようなものが感じられる。


ヤマオダマキ 12.6.23 大山


稜線 12.6.23 大山

特徴のあるヤグルマソウの葉はよく見るが、花を見たのは初めて。
いや、この時期に何度も上がっているのでそんなことはないはず。
大きな花穂を直立させたヤグルマソウの花、目に入らぬはずはないのだが。
でも記憶にない。どうしたことだろう。

   
   ヤグルマソウ 12.6.23 大山

おそらく今年最後のサンカヨウ。


サンカヨウ 12.6.23 大山

ノビネチドリは満開だった。

先週、尾瀬の戸倉から鳩待峠まで行くシャトルバスで、
車窓から路肩に咲く2本のノビネチドリが見えた。
そういえば、昨年は北海道で道路脇のU字溝の中に咲いている株や
民家の近くの空き地に咲いているのを見たことがある。
顔に似合わず図太いというか、結構丈夫な花なのかもしれない。

そんなノビネチドリだが、
埃だらけの路肩や側溝の中よりも大山の稜線が一番よく似合う。
大山の稜線に咲くノビネチドリは神々しい、とさえ思う。

   
   ノビネチドリ 12.6.23 大山

2年前に初めて見たときよりずっと大きくなって、
花数もずいぶん増えた。

   
   ノビネチドリ 12.6.23 大山

幼稚園児と小学生といったところか。

 
ノビネチドリ 12.6.23 大山            ノビネチドリ 12.6.23 大山


ノビネチドリ 12.6.23

ノビネチドリはその美しさゆえに盗掘も後を絶たない。
以前よりずいぶん数を減らしているとも聞くが、
これからも絶えることなく咲き続けてくれることを願っている。 

エゾノタチツボスミレなど

2012-06-21 | スミレ
1日に二つか三つくらいアップしないと追いつきませんね(笑)。

タデスミレを探して山道を上がったり下りたりした時に見たスミレです。

エゾノタチツボスミレは北海道で昨年見ているのですが、
時期が遅かったため、十分観察することができませんでした。
こちらでは落葉樹林の林縁にあちらこちらと小群落を作っていました。


エゾノタチツボスミレ 12.6.6 長野県

花期を過ぎると大きくなるのかもしれませんが、
こちら(長野)のエゾノタチツボスミレは、
北海道のものに比べるとちょっときゃしゃな感じがします。

白花に近い個体の方が多いような気がしました。


エゾノタチツボスミレ 12.6.6 長野県

お尻(距)が可愛いですね。
(三脚を持っていないのでブレた写真が多いです。泣)

 
エゾノタチツボスミレ(側弁) 12.6.6 長野県  エゾノタチツボスミレ(距) 12.6.6 長野県

タデスミレに似ているとはいっても並べてみれば一目瞭然です。


エゾノタチツボスミレ 12.6.6 長野県


エゾノタチツボスミレ 12.6.6 長野県

この日はタデスミレ、エゾノタチツボスミレのほか、
ミヤマスミレ、タチツボスミレ、ニョイスミレ、
スミレ(マンジュリカ)などが咲いていました。

 
ミヤマスミレ 12.6.6 長野県           タチツボスミレ 12.6.6 長野県

 
ニョイスミレ 12.6.6 長野県           スミレ(マンジュリカ) 12.6.6 長野県

タデスミレ

2012-06-21 | スミレ
長野県のごく限られた地域に自生するタデスミレ。
朝早くから山道を行ったり来たり、
運よく2往復目に出会うことができました。


タデスミレ 12.6.6 長野県

浅い谷筋のやや湿った落葉樹林下に咲いていました。
スミレらしくないスミレといわれ、
確かに葉や草丈だけをとってみればそのとおりなのですが、
花は間違いなくスミレそのものです。

側弁に毛があることなど、
近くに咲いているエゾノタチツボスミレの花に似ているところもありますが、
花弁が細長く先端が尖り気味になるので印象はずいぶん違います。


タデスミレ 12.6.6 長野県


タデスミレ 12.6.6 長野県

すでに小さな果をつけている株もありました。

 
タデスミレ(果) 12.6.6 長野県        タデスミレ(托葉) 12.6.6 長野県

ピンボケ写真で申し訳ありませんが、
距を見ると浅いですがエゾノタチツボスミレのような筋が見えます。
花柄には疎らな微毛も・・・。


タデスミレ 12.6.6 長野県


タデスミレ 12.6.6 長野県

オオルリシジミ

2012-06-20 | Weblog

オオルリシジミ 12.6.5 長野県

6月の信州、北関東の旅で見てきた蝶とスミレ、
モタモタしてるといつものように時期を逸してしまうので、
写真だけでもアップしていきます。

まずはオオルリシジミ。
環境省のレッドデータリストで絶滅危惧Ⅰ類、
九州の阿蘇山麓と長野県の限られた地域に生息しています。
どこも熱心な保護の活動がされていますが、
近い将来の絶滅が心配されている蝶の一種です。


オオルリシジミ 12.6.5 長野県

大型のシジミチョウで、
ヤマトシジミなどに比べるとふたまわりほど大きい感じです。

翅裏の淡いブルーとオレンジのラインが素敵ですね。


オオルリシジミ 12.6.5 長野県


オオルリシジミ 12.6.5 長野県

すでに発生も終盤なのか飛んでいるのは雌ばかり、
訪ねた6月5日には雄を一匹も見ることができませんでした。
(雄には翅表の点々がありません。)

そのかわりといったらなんですが、
食草となっているクララの花穂に産卵する雌を観察することができました。


オオルリシジミ(産卵) 12.6.5 長野県


オオルリシジミ 12.6.5 長野県


オオルリシジミ 12.6.5 長野県

今回訪れた生息地では保護活動の成果だと思いますが、
当初の予想より多くの個体を見ることができ、
周辺にも少しずつ広がっているような気がしました。

ただ、警戒心がなく人を恐れないところが困ったところで、
お嬢様育ちというか、過保護のせいなのでしょうか(笑)。
こんな所も急激に生息地を減らした原因の一つかも知れませんね。

またいつか雄を見に訪ねてみたいものです。

じゃがバター

2012-06-18 | Weblog

キマダラルリツバメ '12初夏 鳥取

今年もなんとか姿を見せてくれました。


ところで、昨日は父の日だったようですが、
特にそんな気もなしに子供から送られてきた焼酎の蓋をあけました。

こんぶ焼酎と言いながらこんぶ使用割合1%未満というのが笑えますが、
不味いわけではありません。

いや、美味しかったですよ。

つまみというかアテは家の畑でできたジャガイモ。

「インカのめざめ」という品種で、
小さいのを選ってレンジでチンしてバターでいただきました。
チョー簡単なじゃがバターです。
「インカのめざめ」はしっとりしていて粉っぽくなく、
バターとの相性もいいようです。

今日は「インカのひとみ」のじゃがバターのようです。
(当分じゃがバターが続きそう・・・。)

 
じゃがバター 12.6.17    

     
     こんぶ焼酎「礼文島」


焼酎ともジャガイモとも関係ありませんが、
キマダラルリツバメをもう1枚。


キマダラルリツバメ '12初夏 鳥取

そろそろ・・・

2012-06-15 | Weblog
横浜で用事をすませ、道草しながら西に向かっています。


尾瀬ヶ原 12.6.13

一昨日は尾瀬、昨日は谷川岳、
今日は湯ノ丸山とけっこう真面目に遊んでます(笑)。

でも、こっちで山を歩いていると、
鳥取の山や花たちも気になるんですよね・・・。

そろそろ帰ろかな・・・。


谷川岳 12.6.14


湯ノ丸山 12.6.15

信州から(3)

2012-06-11 | Weblog

霧ヶ峰 12.6.9 

霧の霧ヶ峰です。
立っているだけでビッショリ。
なかなかモチベーションも上がらず、
ドライブで終わってしまいました。


サクラスミレ 12.6.9 長野県


八島湿原 12.6.9 

信州から(2)

2012-06-08 | Weblog
昨日、今日とクモマツマキチョウに遊んでもらいました。
といっても昨日と今日の午前中は振られっぱなし、
顔も見せてくれませんでした。


クモマツマキチョウ(♀、オオタチツボスミレで吸蜜) 12.6.8 長野県(北アルプス)


場所を変えた今日の午後にやっと会うことができました。
でも、写真はおとなしい雌だけ。


クモマツマキチョウ(♀、タチツボスミレで吸蜜) 12.6.8 長野県(北アルプス)

オレンジ色も鮮やかな雄は吸蜜もせず、
目の前をすばやく飛び去るのみ。
シャッターを押すチャンスも与えてくれませんでした。

信州から

2012-06-06 | Weblog
昨日から信州にきています。


オオルリシジミ(♀) 12.6.5 長野県

昨日はオオルリシジミ、
今日はタデスミレと相変わらずチョウとスミレに遊んでもらっています。

両種ともに国のレッドデータブックの絶滅危惧Ⅰ類ですが、
今回初めてそれぞれの生息地、自生地を訪れ、
種の継続は前途多難であることを実感しました。

人のせいばかりじゃないと思うのですが、
でも、何か人ができることもあるはずだと思っています。


タデスミレ 12.6.6 長野県

いつものように詳細後日(?)です。

扇ノ山へ

2012-06-01 | Weblog
鳥取の「すみれ暦」で棹尾を飾るのは、
大山のダイセンキスミレと扇ノ山のツルタチツボスミレ。

来週から予定があるので、
ちょっと早いかと思いましたが、
水曜日(30日)に扇ノ山のツルタチツボスミレに会ってきました。


ツルタチツボスミレ 12.5.30 鳥取県東部

登山道沿いのツルタチツボスミレは、
日当たりのよい株からすこしづつ咲きはじめるようで、
まだほんの咲きはじめです。

河合谷コースにはまだ残雪も多く、
登山道が分かりにくい場所もあります。
個人的にですが雪どけは2~3週間ほど遅い感じです。

     
     ブナ林(河合谷コース) 12.5.30 鳥取県東部

この日は偶然にも元の職場の大先輩にお会いしました。
喜寿の今でも毎日のように山歩きをされているそうです。

私にはとても無理でしょうね(笑)

その大先輩に教えていただいたタケシマラン。
ランという名が付いていても小さなユリ科の植物です。
一見ユキザサやチゴユリに似ていて気がつきにくいですが、
葉の腋から小さな星のような花をぶら下げています。

北方系の植物で、
一般的には本州中部以北に分布する植物といわれますが、
鳥取県東部にも隔離的に自生しているようです。


タケシマラン 12.5.30 鳥取県東部


サンカヨウ 12.5.30 鳥取県東部


氷ノ山方面 12.5.30 扇ノ山山頂

たしか昨年度の事業で交換したはずの案内標識、
河合谷コースの物しか見ていませんが、
今年の雪ですべての標識が取り付けボルトのある中央部で折れていました。
地面に落ちているものも多かったです。

横に長すぎるなど構造的な問題があるのでしょう。
情報は厳選しシンプルで分かりやすい標識が一番です。

道迷いで行方不明になっている方もおられるので、
早く修理した方がいいですね。


案内標識 12.5.30 扇ノ山山頂


シハイスミレ 12.5.30 鳥取県東部

下山後は大先輩と同じように偶然お会いした
スミレ好きの方とスミレの勉強会。
ツルタチツボスミレとその交雑種(×オオタチツボスミレ)、
ホコバスミレ、ホソバシロスミレなど、
いろいろ観察しながら教えていただきました。

林道脇のツルタチツボスミレ、
日当たりの関係でしょうかこれまで見たこともない花付きの良さです。

これまで、クモノススミレの別名どおり茎を四方に延ばして増えるため、
花は重要じゃないんだと、
一般的に花の少ない理由をそんなふうに勝手に理解してたんですが・・・。
困りましたね(笑)。


ツルタチツボスミレ 12.5.30 兵庫県(但馬西部)

鳥取県ではこれまで自生が確認されていないホソバシロスミレ、
ここにあるならいつか鳥取でも見つかるでしょう。


ホソバシロスミレ 12.5.30 兵庫県(但馬西部)

最後に、
5月22日に扇ノ山に登山されたまま行方不明になられた男性(50代)がおられます。
一刻も早く発見、救助されるようお祈りいたします。