風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

ゴマちゃん(2)

2011-08-22 | Weblog
今回は大山在住のゴマちゃん。
こちらもなかなか会ってもらえなかったのですが、
熱意が通じたのか11日の夕方にやっと姿を見せてくれました。

黄色いオミナエシの花の上でちょっと休憩。


ゴマシジミ 11.8.11 大山


ゴマシジミ 11.8.11 大山

 
ワレモコウ 11.8.11 大山            ホソバノシュロソウ 11.8.11 大山 

  
イチモンジセセリ 11.8.11 大山         ジャノメチョウ 11.8.11 大山

やっぱしワレモコウの上が落ち着くのかな?


ゴマシジミ 11.8.11 大山


ゴマシジミ 11.8.11 大山


ゴマシジミ 11.8.11 大山

小さいうちはワレモコウの花を食べ、
ちょっと大きくなってからクシケアリの巣に入るゴマシジミは、
ワレモコウが生えていて、
近くにクシケアリの巣があることが世代交代の最低条件になります。

ある植物だけを餌として育つ多くの蝶に比べると大変厳しい条件になります。
このため、全国的にも減少の著しい蝶の一種だそうで、
大山でも大変少なくなったといわれています。

自然の不思議といってしまえば簡単ですが、
そんな言葉より奥深い何かがあるようなゴマシジミ。
国や鳥取県の絶滅危惧種(Ⅱ類)に指定されているということだけでなくて、
本当に大切にしていきたいものです。


ゴマシジミ 11.8.11 大山

ゴマちゃんのお友達?

2011-08-22 | Weblog
実は5日にも蒜山に行ったのですが、ゴマちゃんには会えずじまい。
でも、色々な蝶たちに会うことができました。

ゴマシジミと同じようにアリ(クロオオアリ)の巣で育つクロシジミ。
鳥取県内では絶滅状態ですが、こちらではまだ見ることができました。


クロシジミ 11.8.05 真庭市

ススキの原を泳いでいるとギンイチモンジセセリも飛び出します。
夏型は後翅裏の一文字が黄色っぽくなって春型のようには目立ちません。


ギンイチモンジセセリ 11.8.05 真庭市

草原にムラサキシジミ、ちょっとミスマッチのような気もしますが・・・、
麓から草原に上がってきたのでしょうか?

 
キキョウ 11.8.05 真庭市            ムラサキシジミ 11.8.05 真庭市

オオミドリシジミでしょうか、ゼフィルスも見かけました。
草原に残されたカシワやナラ類で発生するのでしょう。

 
オオミドリシジミ(?) 11.8.05 真庭市     ホソバセセリ 11.8.05 真庭市

草原の中では夏型のトラフシジミもよく見かけます。


トラフシジミ 11.8.05 真庭市


ヌマトラノオ 11.8.05 真庭市

カワラケツメイの草叢ではツマグロキチョウが飛んでいます。
林縁ではコムラサキ、指に止ってくれました。


ツマグロキチョウ(上♂、下♀) 11.8.05 真庭市


コムラサキ 11.8.05 真庭市

ゴマちゃん(1)

2011-08-21 | Weblog
お盆前の何日か、ゴマちゃんに会いに蒜山と大山へ行ってきました。

ゴマシジミは大山や蒜山などの高原を代表するシジミチョウですが、
残念ながらこれまで見たことがありませんでした。
昨年も何回か注意しながら山歩きしたのですが、空振りでした。

そんなことで、今年こそはと頂上には目もくれず、
蒜山や大山のススキヶ原を行ったり来たり。
やっと見ることができました。


キツネノカミソリ 11.8.09 真庭市

    
    コバノギボウシ 11.8.09 真庭市

初めて見たゴマシジミ。
雌のようで、食草のワレモコウの花穂に産卵していました。


ゴマシジミ 11.8.09 真庭市 


ゴマシジミ 11.8.09 真庭市


ゴマシジミ 11.8.09 真庭市

ゴマシジミは年1回、7月下旬頃から発生し8月下旬頃まで見られるということです。
特異な生態で知られ、卵から孵化した幼虫は3齢までワレモコウの花を食べ、
その後クシケアリによってアリの巣に運ばれアリの幼虫や蛹を食べて育つという。
アリには体から出る甘い(?)液を与えるそうです。
いわば共生関係にあるということですが、
羽化する時にはその関係が崩れアリが襲ってくるので、
大急ぎでアリの巣を出るそうです。

ゴマシジミと同じようにアリの巣の中で育つシジミチョウには、
オオゴマシジミ、クロシジミ、
そして鳥取でもおなじみのキマダラルリツバメがいます。

 
ヒキヨモギ 11.8.09 真庭市           フシグロセンノウ 11.8.09 真庭市

林道 ’11初夏北海道

2011-08-18 | ’11初夏北海道

オオヤマオダマキ 11.6.27 北海道上川町

北海道でチョウチョを見ようとすると、
ウスバキチョウなどの高山蝶は別として、普通は林道を歩くことになります。
その林道ですが、自然保護や施設の維持管理のため、
大多数はがっちりした入口ゲートがあり、施錠されていています。

ただ歩くにはクマさえ注意すれば問題ないのですが、
時たま開錠されている場合もあって、車で入る時は注意が必要です。

峠越えの林道など、入口が開いている場合もあったりして、
峠を越していざ出ようとするとゲートに阻まれ、
延々と同じ峠道を引き返すなんてこともありました。
こんな時は、入ってきたゲートも鍵を掛けられて閉じ込められてはいないかと心配で、
自然とアクセルにも力が入ってしまいます。

事前に森林管理署に申し込めばゲートの鍵を貸してくれて、
自家用車での林道通行も可能なようですが、
行き当たりばったりの旅ではなかなか難しいですね。

 
林道入口 11.6.27 北海道上川町       エゾノクサイチゴ 11.6.27 北海道上川町

アカゲラはどこでもいるそうですが初めて見ました。

 
アカゲラ 11.6.27 北海道上川町        コチャバネセセリ 11.6.27 北海道上川町

ちょうどコチャバネセセリの発生時期のようで、
林道の獣糞や花などに何十匹もの塊になって群がっていました。

数は少なくなりましたが、越冬タテハ類もまだ健在でした。
もう10日もすれば新鮮なコヒオドシで林道も賑やかになるでしょう。

 
キベリタテハ 11.6.27 北海道上川町     クジャクチョウ 11.6.27 北海道上川町


ハクサンチドリ 11.6.27 北海道上川町


コヒオドシ 11.6.27 北海道上川町

ミヤママタタビの葉はマタタビと違ってピンクに色づくようです。

 
ミヤママタタビ 11.7.05 北海道音更町     ツバメシジミ 11.7.06 北海道上ノ国町

上手に写真が撮れなくて数が少ないですが、
水溜りで5,60匹のミヤマカラスアゲハが集団吸水していました。
こんな時は動画で撮ったら迫力がありそうですね。


ミヤマカラスアゲハ 11.6.29 紋別市


ヤマキマダラヒカゲ 11.6.27 北海道上川町

ヒメシジミ ’11初夏北海道

2011-08-08 | ’11初夏北海道
カバイロシジミを探していて、
目に付くのはルリシジミにツバメシジミ、
そしてヒメシジミばかりでした。

とはいえヒメシジミは国の準絶滅危惧種。
鳥取県では中部、西部の限られた山地だけに見られ、
鳥取県版レッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類になっています。


ヒメシジミ 11.7.05 北海道音更町

発生初期のようで、新鮮な雄ばかりでした。


ヒメシジミ 11.7.05 北海道音更町


ヒメシジミ 11.7.05 北海道音更町


ヒメシジミ 11.7.05 北海道音更町

シロオビヒメヒカゲ ’11初夏北海道

2011-08-07 | ’11初夏北海道
毎日暑くてぐったりです。
昨日は夏のわりに空気が澄んでいて街からも大山や氷ノ山が見えました。
そんな時は「山に行きたいなぁ・・・」と思うのですが、
朝起きると「山も暑いだろうなぁ・・・」と行きそびれてしまうのです。

「いつまでチョウチョのことやるの!」という声も聞こえてきますが・・・、
もう少しチョウチョをやらせてください。

ジャノメチョウの仲間のシロオビヒメヒカゲ、
この蝶も北海道でしか見れない特産種です。
とはいっても北海道東部ではそんなに珍しい蝶という感じではなく、
あちこちで見ることができました。

去年はたいして写真を撮らなかったのですが、
今年は見つけるたびにカメラを向けてみました。
よく見ると翅裏のオレンジ斑と白い帯の対比が鮮やかです。


シロオビヒメヒカゲ(セイヨウノコギリソウで吸蜜) 11.6.30 北海道清里町


シロオビヒメヒカゲ(フランスギクで吸蜜) 11.7.02 北海道斜里町

このシロオビヒメヒカゲ、
ダイセツタカネヒカゲのように横倒しになって休んでいることがよくあります。


シロオビヒメヒカゲ 11.6.27 北海道上川町

ヒョウモン(2) ’11初夏北海道

2011-08-02 | ’11初夏北海道
続いてもヒョウモンです。

前回のカラフトヒョウモン、ホソバヒョウモンだけでなく、
ヒョウモン類はゼフィルスと同じように皆良く似ているので、
初心者泣かせですね。

このギンボシヒョウモンとウラギンヒョウモンも良く似ています。
細かく見ると翅裏の白斑(銀紋)の大きさや配置が微妙に異なります。
今回の写真はいずれも雄なので、
前翅表の翅脈に沿って見られる性標の本数や太さも手がかりになります。

ウラギンヒョウモンは北海道から九州まで分布するので、
大山や氷ノ山など鳥取の山でもよく見るヒョウモンチョウの一種です。
一方ギンボシヒョウモンは中部地方以北の山地に生息する北方系の蝶なので、
中国地方では見ることができません。


ギンボシヒョウモン 11.7.5 北海道音更町


ギンボシヒョウモン 11.7.5 北海道音更町


ウラギンヒョウモン 11.7.5 北海道音更町


ウラギンヒョウモン 11.7.5 北海道音更町

ヒョウモン(1) ’11初夏北海道

2011-08-02 | ’11初夏北海道
カラフトヒョウモンとホソバヒョウモンは、
アサヒヒョウモンと同じように小型のヒョウモンチョウで、
ともに北海道の固有種です。
よく似ていますが、翅表の外縁に近い模様が少し違います。
でも、飛んでるときには見分けがつきません。

カラフトヒョウモンの方が少し早く発生するようで、
2008年、昨年とも7月中旬の訪問だったのでくたびれた個体しか見れませんでしたが、
今年はまだ新鮮なカラフトヒョウモンを見ることができました。

逆にホソバヒョウモンの方は発生初期のようで、
まだ個体数が多くないようでした。


カラフトヒョウモン 11.6.27 北海道上川町


ホソバヒョウモン 11.6.27 北海道上川町

エゾシロチョウ ’11初夏北海道

2011-08-02 | ’11初夏北海道
ヒメウスバシロチョウの次はエゾシロチョウ。
名前の通り北海道だけに分布しますが、
けっこう普通にいる蝶のようで、
写真のエゾシロチョウも旭山動物園の猛禽舎前で写したものです。

ちょっと見にはヒメウスバシロチョウやウスバシロチョウに似ていますが、
ウスバシロチョウなどはアゲハチョウ科、
エゾシロチョウはシロチョウ科に分類されています。

ややこしいので、アゲハチョウ科の2種をそれぞれヒメウスバアゲハ、
ウスバアゲハと呼ぶこともあるようです。

ま、白いチョーチョはみんなモンシロチョウと呼ぶ人もいますけど(笑)。


エゾシロチョウ 11.6.28 旭川市

モンシロチョウよりもふたまわり位大きく、
そして真っ白なのでよく目立ちます。
そういえば飛び方もゆったり、優雅です。

昨年は7月中旬だったのですが、
大雪湖周りの道端に咲いていた花々によく来ていました。
今年は大雪湖周辺だけでなく山の方ではあまり見かけませんでした。
蝶の世界で2週間の差というのはずいぶん長い時間というか、
大きな時間差なのかも知れませんね。

雌(下)に求愛する雄ですが、馬乗りになってずいぶん乱暴者ですね。
(チョウが馬乗りというのも変ですが・・・)
雌はしっかり拒否をしています。


エゾシロチョウ 11.6.28 旭川市

ヒメウスバシロチョウ ’11初夏北海道

2011-08-01 | ’11初夏北海道
ヒメウスバシロチョウは今回初めて見ることができました。

鳥取の山地にも生息するウスバシロチョウの近縁でよく似ていますが、
こちらは北海道でしか見ることができません。
ウスバシロチョウより小さいことから頭に「ヒメ」と付いています。
でも、野外で見るとそんなに大きさの違いがあるようには見えません。


ヒメウスバシロチョウ(コンロンソウで吸蜜) 11.6.27 北海道上川町

昨年7月の北海道行きでは見ることが叶わなかったのですが、
今回は上川町や音更町の林道で見ることができました。

写真のヒメウスバシロチョウは雄なので、
ウスバシロチョウのように黄色い体毛がなく、
とてもすっきりしていて(私的には)とても好ましいです。
気に入りました。


ヒメウスバシロチョウ 11.6.27 北海道上川町


ヒメウスバシロチョウ 11.6.27 北海道上川町

カラフトタカネキマダラセセリ ’11初夏北海道

2011-08-01 | ’11初夏北海道
続いても北海道でしか見れない蝶です。

カラフトタカネキマダラセセリ、ずいぶん長い名前ですね。
ひょっとして日本の蝶の中で一番長い名前かもしれません。

ウスバキチョウを見た翌日に上川町の林道を歩いてみました。
歩き出してすぐに姿を現したのがこのカラフトタカネキマダラセセリ。
とってもちっちゃい蝶ですが、よく目立ちます。


カラフトタカネキマダラセセリ(♂) 11.6.27 北海道上川町


カラフトタカネキマダラセセリ(♂) 11.6.27 北海道上川町

上川町の林道で見れなかった雌を根室市の林道で見ることができました。
キンキラの雄に比べて雌の方がシックな色合いです。


カラフトタカネキマダラセセリ(♀) 11.7.03 根室市


カラフトタカネキマダラセセリ(♀) 11.7.03 根室市

アカマダラとサカハチチョウ ’11初夏北海道

2011-08-01 | Weblog
少し間があいてしまいました。
北海道の話は7月中に終えるつもりだったんですが・・・。

今回はアカマダラとサカハチチョウです。
5月の北海道行きの報告でも登場したので説明は省略しますが、
アカマダラは北海道の固有種です。
サカハチチョウは鳥取でもよく見かける蝶ですね。


アカマダラ(春型) 11.6.27 北海道上川町

十勝の音更町では夏型が発生していました。
春型と全然違います。
これじゃ興味のない人に同じ蝶だといっても信用されませんね。

 
アカマダラ(夏型) 11.7.05 北海道音更町    アカマダラ(夏型) 11.7.05 北海道音更町 


サカハチチョウ(春型、コンロンソウで吸蜜) 11.6.27 北海道上川町