風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

’08初夏 勇士

2008-06-30 | Weblog

キマダラルリツバメ ’08初夏 鳥取

テリトリーを守るこの雄、翅はぼろぼろ、体には二匹の赤いダニ。
それでも、近くに来る奴がいればスクランブル、緊急発進だ。

何だかんだいっても、キマダラルリツバメはたくましい。人がちょっと配慮するだけで、これからも生き残っていけるだろう。

’08初夏 キマルリと語る  

2008-06-29 | Weblog
キマダラルリツバメを撮影していると、一匹の雌が私の手に乗ってきた。じっとしていると、おずおずと、恥じらいながら(勝手な思い込み)翅を少しづつ開き始めた。突然のことで、私の指も硬直し写真を見ると不自然な変な曲り方をしている。
私を雄のキマルリと間違えたわけではなかろうが・・。

男たちに用心すること、たくさん卵を産むように、などと話しかける。「わかってるよ!」とでも言うように何回か翅を開閉した後、飛び去って行った。


キマダラルリツバメ(♀) ’08初夏 鳥取


キマダラルリツバメ(♀) ’08初夏 鳥取

キマダラルリツバメは、幼虫時に蟻(ハリブトシリアゲアリの一種)と共生し、蟻の巣の中で成長するという。特異な生態をもったシジミチョウで、鳥取市内の一部の棲息地域は天然記念物に指定されている。

鳥取は多産地といわれるが、確かに発生地は多いものの個体数は必ずしも多いわけではない。
近年、松枯れとその防除のための薬剤散布、発生地及びその周辺の開発などによって、発生地、個体数も減少しているという。そんな中で、採集による影響も相対的に大きくなってきているように思われる。

憶測を承知でいえば、福島の会津や山梨の上野原周辺等での採集が規制によって困難になった分、採集者が鳥取に集中しているのかもしれない。付け加えれば、インターネットによる情報の拡散スピードと拡散範囲は想像以上のものがあり、採集者の集中に拍車をかけているのではないだろうか。

私自身も中学生の頃には勉強もせずに昆虫採集をしていたので、採集という行為そのものを否定するものではない。その楽しさや、そこから広がっていくいろんな可能性も理解しているつもりだ。が、現在はキマダラルリツバメの発生数に比べ、採集者とその捕獲数が多すぎるように感じる。

保護区の入り口に鳥のツバメ(燕)の絵が描いてあると揶揄される鳥取だが、逆にいえば、ことさら保護だといわずとも自然な営みの中で代を繋いで生き続けてきたということであろう。今後も特別の保護策や規制をしなくとも、発生期には誰でもが採集(少しね)や観察ができれば楽しいのに、と、窓越しの梅雨空を見ながら想う。

’08初夏 ネット舞う 

2008-06-29 | Weblog
梅雨空に白、緑、青のネット(捕虫網)が舞う。
中国、近畿は言うに及ばず、中部地方や関東からも男たちはやってくる。
自動車や飛行機で、ネットを携え三角缶をぶら下げてやってくる。
狙う獲物は、キマダラルリツバメ。

数を競い、1匹でも多くとネットを振るう。
ここも少なくなったと嘯く男たち。


’08初夏 鳥取


キマダラルリツバメ(♂) ’08初夏 鳥取


キマダラルリツバメ(♂) ’08初夏 鳥取

アサギマダラ

2008-06-25 | Weblog

アサギマダラ 08.6.22 扇ノ山

アサギマダラは、海を渡る蝶として知られています。春に南西諸島から本州へ北上し、秋にはその子孫が南西諸島に向かって南下するそうです。
今月初めの地元紙に、渡りの中継地である大分県姫島で印を付けられたアサギマダラが、鳥取の海岸で採集されたという記事がありました。300キロの距離を5日間で移動したことになるそうです。あのふわふわとした飛び方で想像がつきませんが、うまく風に乗る術を知っているのかも知れません。

写真のアサギマダラは雌でしょうか、霧雨の中、林道脇のノアザミで一心不乱に蜜を吸っていました。良く見ると後翅が破けてぼろぼろで、旅の厳しさを物語っているようです。

雨の扇ノ山

2008-06-25 | Weblog
日曜日に、雨の扇ノ山に上がってきました。河合谷からの道は広いので、傘を差して歩きました。前にも書いたように、雨の山が特に好きというわけではありませんが、嫌いでもありません。雨に濡れた木々の緑や雨に霞む森も美しいものです。


山頂のブナ 08.6.22 扇ノ山

扇ノ山ではサンカヨウやイワカガミなどの春の花が終わり、花の種類は少なかったのですが、山頂では咲き始めたサワフタギが迎えてくれました。
去年初めて見たショウキランは見つけられませんでした。今年は雪が多かったので咲くのが遅いのかも知れません。


サワフタギ 08.6.22 扇ノ山

ジャガイモの実

2008-06-22 | Weblog
この土曜日の午前中は、畑に出て草取りなどしたのだが、ジャガイモに実がなっているのに気がついた。さすが同じナス科だけあって、ミニトマトそっくりだ。キタアカリやホッカイコガネは実がつきやすいとか。これは、確かホッカイコガネだったと思う。
ためしに一株掘ってみたところ、イモは10個もついている。たいして手をかけない、良く言えば自然農法の我が家としては上出来だ。

 
ジャガイモの花(アンデスレッド)       ジャガイモ
 
ジャガイモの実(ホッカイコガネ)       ほうれん草

いつもは失敗する葉物野菜も順調で、レタスやほうれん草もスーパーで売っているような出来だと営農担当者は自慢する。
昨年11月に植えた200本のタマネギ苗も、見事200個のタマネギとなって先週収穫。

 
タマネギ                    ベニシジミ

畑のそばのイボタノキの花に小さな蝶が来たので、腰を伸ばして見に行くとベニシジミだった。 

緑に包まれて(3)

2008-06-18 | Weblog
緑の隙間から小屋が見えると大休峠です。ここで一休み。
小屋の周りにはミズキやナナカマドが満開で、里では散ったタニウツギの薄紅色も目には新鮮です。
枯れたブナの大木にツルアジサイ。グリーンモンスターという感じですが、こちらは装飾花が開きはじめたところで、本当の開花はこれからのようです。


大休峠避難小屋 08.6.15

 
ミズキ 08.6.15                ナナカマド 08.6.15
 
タニウツギ 08.6.15              ユキザサ 08.6.15


ツルアジサイ 08.6.15

緑に包まれて(2)

2008-06-18 | Weblog
大休峠に近づくと、槍尾根や烏ヶ山が緑の木々の間から望めるようになります。
土曜日は晴天だったのですが、日曜日の予報は曇り。展望は期待していなかったので、何か得したような気がします。と同時に、今日も槍尾根にしとけば良かったかな、という気もちょっぴり・・。


槍尾根 08.6.15

オオカメノキに似たヤブデマリや、ガマズミの仲間の白い花がよく緑に映えています。

 
ヤブデマリ 08.6.15              クマイチゴ 08.6.15


烏ヶ山 08.6.15

緑に包まれて(1)

2008-06-17 | Weblog
日曜日に一向ヶ平から矢筈ヶ山に上がってきました。

6月も半ばになり、木々の緑も濃くなっています。新緑はちょっと前だったような気がするのですが・・。季節のうつろいが早く感じるのは歳のせいでしょうか。

つり橋も大山滝も緑の中です。

 
つり橋 08.6.15                大山滝 08.6.15

  
ツリバナ 08.6.15               ヤマアジサイ 08.6.15


ブナ 08.6.15 

初夏の大山(6)

2008-06-13 | Weblog
文殊堂から三ノ沢にかけて、たくさんのクルマバソウが咲いていました。8枚くらいの葉が輪状についていて、まさに「車葉」です。とても小さい花ですが、良く見ると濁りのないきれいな白色をしています。


クルマバソウ 08.6.7 大山

白といえば、帰りに白花のアザミを見かけました。

 
ノアザミ(白花) 08.6.7 大山(香取)     ノアザミ 08.6.7 大山(香取) 

初夏の大山(5)

2008-06-12 | Weblog
大山では、花だけでなく野鳥や蝶の写真を撮っている人も多いようです。この日は蝶を追っている方を見かけました。手には一眼レフのカメラに望遠レンズ。欲しい。

物欲を大いに刺激され千々に乱れる心を無理やり落ち着けさせ、息を止めて撮ったのが下の写真です。アサギマダラもいたのですが近寄れずうまく写せませんでした。


サカハチチョウ(春型) 08.6.7 大山


コミスジ 08.6.7 大山

初夏の大山(4)

2008-06-10 | Weblog
剣ヶ峰では一見さん指定席へ。
山開き前日のせいか、弥山にはたくさんの人影がみえます。それにしても、剣ヶ峰から見る弥山はボリュームがあっていいですね。定点観測みたいに、いつも同じアングルで写真を撮るようにしています。


弥山 08.6.7


ノビネチドリ 08.6.7 大山

大山も花の季節が到来し、私もその一人なのですが、たくさんの山野草ファンの方や写真愛好家の方が訪れています。盗掘は論外ですが、群落やコケの生えている所にむやみに入らないなど、自然の営みを守っていくような配慮をしたいものですね。


サンカヨウ 08.6.7 大山


稜線 08.6.7

1周年

2008-06-09 | Weblog

大山 07.4.29

さっき気がついて確認したのですが、ブログを開設したのが昨年の6月9日、今日で丸一年です。えぇ!もう1年・・。
飽きっぽい私としてはよく続いたと感心です。

離れて暮らす家族への細々とした近況報告のつもりで始めたのですが、どうゆう訳か山や草木、生き物のブログになってしまいました。それもいいかな、と今は思っています。
これからも気負わず、自然体で、少しでも長く続けたいと思います。

初夏の大山(3)

2008-06-09 | Weblog

三鈷峰 08.6.7

汗をかいた体には稜線の風が心地良く感じます。槍ヶ峰で休息、天狗ヶ峰でも小休止、稜線まで上がると何かのんびりしてしまいます。そんな天気でした。でも、甲ヶ山方面はガスがかかり見えたり見えなかったり。

ダイセンキスミレやイワハタザオは、稜線の岩礫の隙間に居場所を見つけて小さな花を咲かせています。良く見るとヤマオダマキも蕾をつけています。


ダイセンキスミレ 08.6.7 大山


イワハタザオ 08.6.7 大山


剣ヶ峰 08.6.7