風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

コショウノキ

2010-01-25 | Weblog
昨日は久しぶりの快晴、とても良いお天気でした。
こんな日こそ雪の山なんですがね・・・、そういう時に限って色々と・・・。

気を取り直して、午後からコショウノキを探しにいってきました。
あたりをつけた林の中をガサゴソと・・・。
ありました(喜)。
期待してなっかたけど、早くも一輪二輪と花を付けた株まで・・・。


コショウノキ 10.1.24 鳥取市

日本に自生するジンチョウゲ科ジンチョウゲ属には、
オニシバリ、ナニワズ、コショウノキ、カラスシキミがあるそうです。
ジンチョウゲ属の4兄弟(姉妹?)といったところでしょうか。

コショウノキは常緑の小低木で雌雄別株、枝先に4弁の白い小さな花をつけます。
花は他の兄弟と同じように筒状の蕚が変化したもののようです。
花期は早春から春、6月には赤い実をつけ、
この実が辛いことからコショウノキと名付けられたということです。
(香辛料のコショウとはまったく別の植物です。)

オニシバリ、ナニワズとは花の色だけではなく、
落葉しないこと葉腋に花を付けないことなどで区別されます。

コショウノキにとてもよく似ているのがカラスシキミで、
コショウノキは前年枝の先端に花がつきますが、カラスシキミは当年枝につき、
そのためカラスシキミの花期は初夏になるそうです。

コショウノキは暖地性の植物で、
分布も主に関東以西の本州太平洋側、四国、九州といわれています。
鳥取は本州の日本海側ですので、主たる分布域からは外れていることになります。
そのためか、鳥取県のレッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類に分類されています。

ところで、カラスシキミはまだ見たことが無いのですが、
寒地性の植物のようで、主に本州日本海側と北海道に分布しているそうです。
コショウノキとカラスシキミの分布関係は、
オニシバリとナニワズの関係によく似ていて興味深いものがあります。
こちらではカラスシキミも山地の自然林に自生しているようなので、
いつかチャンスがあれば見てみたいですね。

オニシバリ

2010-01-20 | Weblog
元旦に丹沢の塔ノ岳へ上がった時のことです。

大倉尾根を歩いていると、
冬枯れの雑木林の林床に緑の葉をつけた低木が目につきました。
山陰でよく見るミヤマシキミやアオキとは様子が違うようです。

立ち止まって見てみると、昨年の冬に見たナニワズにそっくりな葉。
「あっ、これは・・・、オニシバリ。」
一度見つけると、ここにも、あそこにもと見つけることができました。
オニシバリは有毒なので、シカの食害に遭わないのかもしれません。


オニシバリ 10.1.1 丹沢・大倉尾根

登山道脇の一株を良く見てみると、
すでに葉腋にチョコレート色をした蕾を準備しています。

オニシバリはジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の小低木で、
2月、3月の早春に蕚筒の変化した黄緑色の小さな花をつけるそうです。
主に福島県以西の太平洋側に分布し、
兵庫県北部以東の日本海側に分布する近縁のナニワズと対照的です。
ちなみに、ナニワズは鮮やかな黄色い花をつけます。

両種とも夏に落葉し秋に再び葉をつけることから、
ナツボウズ(夏坊主)という別名で呼ばれることもあるようです。

オニシバリ(鬼縛り)という名もずいぶん変わっていますが、
強靱な繊維のある樹皮で「鬼を縛ることができる」
ということから付けられたそうです。
確かに、同じジンチョウゲ科のミツマタの樹皮も強いですね。


【参考】ナニワズ 09.2.8 兵庫県新温泉町

こんなはずじゃ・・・

2010-01-18 | Weblog
「くらます」は、知る人ぞ知るといった感じの山で、
1282.1mの山頂からは360度の展望が楽しめるそうです。
そんなことで一度上がってみたいと思っていた山。

先週寝坊して行けなかったので、日曜日に行ってきました。
沖ノ山林道からヘンブ谷林道を詰め、林道終点から直登という計画で、
9時過ぎに吉川集落の外れにある牛舎からワカンで歩き始めました。
林道を少し歩くと青空を背景に「くらます」の一見なだらかな全容が見えます。
「今日は楽勝だな!」とこの時は思ったんですが・・・。

ところが、先週に続いて締まりの無い雪に大苦戦。
林道終点まで2時間弱、そこから稜線直下の露岩帯まで3時間。
特に稜線近くなって傾斜が急になると一進一退で、
久しぶりにラッセルの醍醐味(?)を味わせてもらいました(笑)。

すぐ近くをピィーという警戒の鳴き声をだしながら、
雪の急斜面を走っていくシカ達がなんとも羨ましいかぎり。


くらます 10.1.17

露岩地帯まで上がると展望も開けてきたのですが、
残念なことに午後からは陽射しが消え雲も盛んに動き出してきました。
山頂まであと少しだと思うのですが、もう午後の2時、今日はここまでです。


露岩帯 10.1.17 くらます

山並みを眺めながら遅い昼食の準備です。
真っ白な山は東山かな、もう少し近くに見えると思ったんだけど・・・。
後山は逆にけっこう近くに見えるな・・・。
そんなことを思いながら食事をしていると、
風とともに粉雪が舞いはじめ、山々もベールの奥に消えていきます。


東山 10.1.17 


沖ノ山方面 10.1.17


後山・船木山 10.1.17


縞模様 10.1.17 くらます

大茅山

2010-01-11 | Weblog
山陰の天気予報は、このところずっと雪ダルマのマークです。
まぁ、それでも予報が外れて陽が射すこともあるので、
明日は、上がったことの無い若桜町の「くらます」へでもと、
昨日から小学校の遠足のように準備していたのですが・・・。

寝坊してしまいました。
いくら登山口まで1時間で行けるといっても、9時起きはまずいです。

そこで急遽、楽そうな所ということで、
岩美町と旧国府町境にある大茅山(664.1m)に上がってきました。

大茅山は、扇ノ山の河合谷林道入口の西側にある山で、
前から気になっていた山です。
おそらく登山道は無いんだろうということで、雪の季節を待っていました。


大茅山 10.1.11 栃本から

地形図を見ると、岩美町の蒲生に越える十王峠か、
小田に抜ける峠から稜線通しに歩くルートが安全で楽そうです。
十王峠は雪で通行止になっているため、
今回は、国府町下木原から岩美町小田へ抜ける峠から上がりました。

道路脇でワカンをはいて歩きはじめます。
積雪は1m弱、湿って重い割には締まっていない雪で、
一向にピッチが上がりません。
それでも歩き始めると、青空が広がり陽が射してきました。
独標(539m)まで標高差200m弱を上るのに1時間以上かかってしまいました。
(楽そうな山と思ったのは間違いでした。)


大茅山 10.1.11 独標539mから

おおよそ尾根の国府町側は広葉樹の自然林、
岩美町側は小さな檜の植林になっています。
植林地に立枯れのミズナラやアベマキなどが多いので、
どうしてだろうと思いながら幹を見てみると、
リング状に樹皮が剥ぎ取られていました。
檜の幼木に陽を当てるため広葉樹を人為的に枯らしているようです。
省力化のためでしょうが可哀相ですね。痛々しいです。
ちゃんと伐採すればシイタケの原木など使い道はあると思うんですが・・・。
(同じような樹皮の剥ぎ取りは、若桜町の東山でも見ました。)

今は、広葉樹を無為に枯らして檜を植林するより、
植林され放置された杉や檜の間伐や枝打ちに労力をかけたほうが、
よっぽど将来のためになると思うんですがね・・・。
(まぁ、林業を知らない素人の戯言です。)

ところで、途中で気がついたのですが、
この植林のためなのか作業道が付けられていて、
独標(539m)の上まで延びてきています。
雪の無い時には使えるかもしれません。


可哀相なミズナラ(?) 10.1.11 大茅山

締まりの無い重い雪に、
思いのほか苦労してたどり着いた山頂は、
小広い雪原で、ウサギの足跡がたくさん残っていました。

山頂からの展望は、扇ノ山方面に開けていて、
霞んでいるものの、長い尾根を重ねた扇ノ山を見ることができました。
この方角から扇ノ山を見ることは少ないので、何か新鮮な感じがします。

遅いお昼を食べているうちに曇ってきました。
おまけに風も出てきて急に寒くなってきたようです。

後は自分のトレースをたどって下るだけ・・・。


大茅山山頂 10.1.11 


扇ノ山方面 10.1.11 大茅山頂から

元旦の塔ノ岳

2010-01-06 | Weblog
2010年、今年もよろしくお願いします。

元旦に丹沢の塔ノ岳に上がってきました。
昼過ぎには戻りたかったので、暗いうちにベースキャンプ(?)を出発です。
おかげで日の出前には大倉の駐車場に着き、
三浦半島の先から昇るご来光を見ることができました。
でも、撮影場所は何処がいいかいな・・・と、
ウロウロしているうちに太陽が顔を出してしまい、
あわてて撮ったため目障りな電線がたくさん入ってしまいました(涙)。


初日の出 10.1.1 大倉

一昨年と同じように大倉尾根の往復ですが、今年は下の子が付いてきました。
余り寝ていないこともあって、体調悪し。二人ともへろへろです。
それでも富士山を見ると、なんだか元気が出てきます。 


富士山 10.1.1 花立

懐かしい山々を眺めながら山頂で昼食にして、早々に下山です。


大山(奥)、表尾根(手前) 10.1.1 塔ノ岳


蛭ヶ岳(中央)、丹沢山(右) 10.1.1 塔ノ岳


檜洞丸(中央) 10.1.1 塔ノ岳

*一昨年は塔ヶ岳と表記しましたが、今年は素直に塔ノ岳としました。