三洋電機-任天堂のWiiリモコン専用無接点充電セット-
(2008/07/25 日経エレクトロニクス・CNET・日刊工業新聞・毎日新聞)
三洋電機は,任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」のリモコンに向けて,電磁誘導を利用した非接触(無接点)充電セット「N-WR01S」を発表した。セットは,(1)送電コイルを内蔵する充電用スタンド,(2)Ni水素2次電池と非接触充電用の受電コイルを内蔵した電池パック,(3)ACアダプタの3点で構成する。電池パックはリモコンの電池収納部分のふたとして使える。ふたと電池を取り外し,代わりに電池パックを取り付けて使用する。
任天堂では,安全のためにリモコンを覆うシリコーン・ゴム製のジャケットを配布しており,リモコンにジャケットを取り付けて遊ぶことを推奨している。今回の非接触充電セットを使えば,ジャケットを装着したままリモコンをスタンドに置いて充電できる。電池交換のたびにリモコンからジャケットを外す作業が不要になる。三洋電機の調べによると,Wiiのユーザーの約73%の人がリモコンの1次電池を毎日~3週間ごとに交換しているという。今回の製品で,こうした1次電池の置き換えを図る。
今回,充電を制御するマイコンを採用して比較的大きな電流で充電することで,充電時間を約220分(3時間40分)と短くした。具体的には,過充電を検出するピーク・カット方式を採用した電圧制御用マイコンを電池パックに搭載する。一般の急速充電器対応品で使われているものと同等のマイコンという。充電用スタンドには,異物を検出して送電を停止するなどの役割を果たす電流制御用マイコンを搭載する。三洋電機がこれまでに実用化した電動歯ブラシなどの非接触充電の場合,充電制御用マイコンを搭載していなかった。そのため,安全性への配慮や過充電時の電池への悪影響を抑える目的で低い電流値で充電しており,充電時間が8~12時間と長いという課題があった。
今回の電池パックを使ったときの連続稼働時間について,三洋電機は約6.5時間と見積もる。電池パックに受電コイルを搭載するので,電池パックに内蔵するNi水素2次電池の体積は市販の単3形eneloopに比べて小さく,公称容量は約2/5という。Wiiで遊んだ後,リモコンを充電用スタンドに収納するという使い方を提案しており,公称容量は特に問題ないとする。
2台以上のリモコンを保有するユーザーが80%以上と多いため,充電用スタンドには4台まで連結できる機能を搭載した。スタンド底面に連結用のコードを内蔵する。1台のスタンドをACアダプタでコンセントにつなげば,ACアダプタに近い充電用スタンドから順次充電する。
家電量販店やインターネット通販を中心に,08年8月25日に発売する予定。オープン価格で,同社では実売価格が5500円前後になると見込む。単品販売も同時に開始する予定で,実売予想価格はスタンド「NC-WR01DC」と電池パック「NC-WR01BA」がそれぞれ2500円弱,ACアダプタ「NC-WR01AD-JU」が1000円弱。いずれも1次電池の使用を削減する製品「eneloop」シリーズの新製品と位置付ける。
イスラエルAMIMONなど-HDTV動画の無線伝送仕様の推進団体を設置-
(2008/07/25 日経エレクトロニクス)
イスラエルAMIMON,日立製作所,米Motorola,韓国Samsung Electronics,シャープ,ソニーの6社は,AMIMONが開発した無線伝送仕様「WHDI」の推進団体「WHDI Special Interest Group(WHDI SIG)」を設立した。
WHDI(Wireless Home Digital Interface)は,非圧縮HDTV動画の無線伝送する技術として,AMIMONが採用を働きかけていたもの。既にシャープが液晶テレビにおいて,WHDI技術に基づくAMIMONのチップセットを使った試作品を見せていた。今回,AV機器メーカーと共同でWHDIの推進団体を設立したことで,今後さらに対応機器が増加することを期待している。AMIMONは団体設立の背景について,「WHDIの基本技術に興味を持ったメーカーが多くあり,業界標準にする必要があった」(AMIMON,co-founder andvice president of marketingのNoam Geri氏)という。
WHDIは5GHz帯の周波数を利用して,最大1.5Gビット/秒のデータ伝送速度を確保できる。これを使い,720p/1080iのHDTV動画を伝送できる。伝送距離は,家庭内において約30m
AMIMONのGeri氏によれば,今後さらに3Gビット/秒まで高速化し,非圧縮の1080p(60フレーム/秒)の動画も伝送できるようになるという。一つの機器から,接続されているほかの機器を管理する制御プロトコルを備える。このほか新型の著作権保護技術を導入するという。08年末までに,WHDIの標準仕様を定め,対応LSI製品も登場する予定とする。09年中ごろまでに,WHDI標準対応の最終製品が市場に出荷されることを目指している。
中国国内のネット人口-米を抜き世界一へ-
(2008/07/25 日経)
中国インターネット情報センター(CNNIC)は24日、6月末時点の中国国内のネット利用者が1年前に比べ56.2%増の2億5300万人となり、米国を抜いて世界1位になったと発表した。普及率は19.1%で、世界平均の21.1%を下回っているとしている。
ネット利用者のうち女性比率は46.4%で、昨年末よりも3.6ポイント増加した。利用者の81.5%がネットでニュースを読んでおり、社会への影響力が増しているという。
富士電機リテイルシステムズ-自動販売機の省エネ化を追求へ-
(2008/07/25 日刊工業新聞)
富士電機リテイルシステムズが自動販売機の省エネルギー化を進めている。07年からヒートポンプ式自販機の出荷を本格化したのに続き、今年10月から、消費電力を低減した紙幣選別機を搭載。2010年からは発光ダイオード(LED)照明の機種を投入する。部品レベルで省エネを進め、環境性能に優れた次世代自販機を追求する。
自販機の紙幣選別機は待機状態で電力の大半を消費する。紙幣選別機1台当たりの年間消費電力は約13キロワット時。新型紙幣選別機「ビルバリデータBVE」では制御系機器や回路に工夫を加え、従来機より20%以上削減する。
飲料用自販機やタバコ自販機など、全機種に搭載する。他の自動販売機メーカーにも供給し、年間20万台の販売を目指す。今後は、コイン選別機についても省エネ化できるか検討する。
07年の缶・ペットボトル飲料自販機の販売台数約13万台のうち、ヒートポンプ式自販機は400台程度。08年からは冷媒に「R134a」フロンを採用し、従来の「ノンフロン式」より省エネを実現した「超省エネヒートポンプ式」も発売。ヒートポンプ式合計で約3万台の出荷を計画する。また富士電機リテイルシステムズは、自販機の照明のLED化も09年から本格的に進める。
缶・ボトルなどの自動販売機は「省エネルギー法」により、2012年度までに05年度比で消費電力を平均33.9%削減する目標値が課せられている。同社は個々の部品で省エネ化も進めて数字を積み上げ、目標値の達成を目指す。