庄司卓完全攻略ブログ

作家庄司卓のブログです。
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『仮面ライダージオウ』 色々と考察

2019年09月06日 20時30分33秒 | Anime・特撮
最終回と劇場版『仮面ライダージオウ Over Quartzer』を見て、色々と思うところがあったので、あれやこれや考察してみたいと思います。
まぁモモさんからは「こまけえ事はいいんだよ!」とか、劇場版のソウゴから「別にデコボコしていてもいいんじゃない」とか言われそうですが(^^;。
元巨人の上原投手がメジャーリーガー時代、登板の度に自分の投球をSNSで分析していて、ファンから「なぜそんな事をするのか。もう終わった試合じゃないか」と突っ込まれましたが、当の上原投手曰く「これは自分が指導者になった時に、アーカイブとして活用するためのものだ」と答えておりました。このブログにおけるアニメ、特撮等の考察もいずれ自分の仕事に生かすためのアーカイブ、アイディアノート的なもの……にしたいですねえ(^^;。まぁ確かに読み直して「このアイディア使えるな」と思っても、なかなか生かす機会はないのですが。

あ、『ジオウ』の最終回と今回の劇場版は肯定派です。特にオーマジオーが一話から最終回まで最強の魔王の座を保ったのは、なにげに凄いですな。一話から出ていると途中でヘタレたり弱体化したりするものですが、オーマジオーは結局誰にも屈しなかったですからねえ。
最終回、若き日のソウゴとのやり取りも感慨深かったです。何度か書いてるのですが、私はアニメ『ガングレイヴ』が大好きでして。その中でも最終回、敵の大ボスとなったハリーが若き日の主人公ブランドンや自分、仲間たちの幻影を見るシーンが大好きなのです。
50年後、最強最悪の魔王となったオーマジオーには子供はいなかったでしょうけど、若き日の自分の成長を実の息子のように見ていたのかも知れません。

さて、これから先はネタバレありです。最終回、劇場版未見の方はご注意を( =゚ω゚)ノ。

今ではすっかりおなじみとなり、アニメやゲーム、漫画や特撮を見る時には必須知識となった並列世界の概念。
この並列世界の存在を二次元あるいは三次元に投影した場合、どのように並んでいるかと思いますか?
フィクションで説明される場合は、パイプ状や線の形で描かれた各世界が整然と並んでいる場合が多いですが、考えるに『ジオウ』の世界では、各世界はある要素をもった世界ごと緩やかにまとまっているのではないかと思います。宇宙の星がただ均一に広がっているのでは無く、銀河やその上位構造の局部銀河群、超銀河団と階層を持っているように、あの世界では「平成ライダーの世界」「全仮面ライダーの世界」「東映ヒーローの世界」「日本特撮の世界」と階層構造になっているのです。差し詰め「平成ライダー」局部世界群、「東映ヒーロー」超作品団のようなものでしょうか。

仮面ライダーの世界は「仮面ライダー」という存在を軸に緩やかにまとまっているのでしょう。いわば「仮面ライダー」が重力源のようなものです。それぞれの世界はゆるやかにまとまっているだけで、それぞれには不干渉です。同じ超銀河団にある惑星同士が、銀河からの重力で結びついていても、光(電磁波)による観測以外、物理的な干渉はなかなか出来ないような感じです。
ただ時々、その距離(物理的な距離では無く、作品世界的な距離)が縮まり、複数の世界が交じり合ってしまう事が有ります。それが『ライダー大戦』など、複数の異なる世界観を持つ仮面ライダーが共演する世界です。また同じ「東映ヒーロー」超作品団の中で「仮面ライダー」局部世界群と隣り合って存在する、「スーパー戦隊」局部作品群とも時々交わってしまいます。これが「スーパーヒーロー大戦」の世界です。上位構造の「東映ヒーロー」超作品団は、「石ノ森ヒーロー」超作品団とも一部重なり合っているので、こちらの世界から『キカイダー』が紛れ込むこともあります。当然、「東映ヒーロー」超作品団は、『スパイダーマン』や『バトルフィーバーJ』を介して、この宇宙最大規模の作品構造体「マーベル」超作品団とも接しております。

「仮面ライダー」局部作品群に入っているには、その世界に「仮面ライダー」と認識される存在がいなければなりません。「仮面ライダー」がいない世界は、他の「仮面ライダー」局部世界群の世界はもちろん、「東映ヒーロー」超作品団からも認識されません。他から認識されないという事は存在しないも当然です。これがスウォルツとツクヨミ(アルピナ)の世界です。
また「仮面ライダー」という存在が重力源のように、他の世界をゆるやかにまとめているならば、それが一つの世界に集まると、恒星が重力崩壊を起こすように、それぞれの世界も崩壊してしまいます。スウォルツが平成ライダーの世界を崩壊させようとした手段が、おそらくこれです。
そしてソウゴの能力はざっくりいってしまうと「各世界の平成仮面ライダーを引きつける」能力だと思います。
つまり「平成ライダー版グレートアトラクター」ですね(^^;。思いのままの未来を想像できる能力も、実はそれに付随する能力なんではないでしょうか。この能力はソウゴそのものの能力では無く、かといって劇場版でクォーツァーが与えただけで発現した能力でも無い。
おそらく両者が合わさった結果、偶然、生じた能力では無いかと思います。
そしてその能力をクォーツァーとスウォルツが利用しようとしたわけです。
スウォルツは世界を崩壊させようと仮面ライダーを集めたわけですが、クォーツァーは適度なところで介入して、新たな歴史を記述しようとしたのでしょう。
その世界から「仮面ライダー」がいなくなると、他の世界から認識されなくなります。つまり第三者からは消滅したように見えるのです。スウォルツは平成ライダーを全て集めて、いわば「ライダー縮退(笑)」を発生させて、全ての平成ライダーの世界を消滅させようとしたわけです。平成ライダーの世界が全て消えても、他の世界にしてみれば何の関係も無くね? と思いますが、昭和ライダーの世界からは観察可能なのかも知れませんし、スウォルツ氏としはその後の令和ライダーの世界も視野にいれていたかも知れませんね。劇場版には『ゼロワン』も登場しましたし。
そしてクォーツァーは適当な頃合いを見計らい介入して、彼らの言う通り平成ライダーの世界を平らに均すつもりだったのでしょう。

ライドウォッチは、各世界の仮面ライダーがそのまま『ジオウ』の世界へ来ると、影響が大きすぎるので、変身者と能力を分けることで安定させるためのもの。そして『ブレイド』『アギト』が、仮面ライダー当人が能力を持ったまま『ジオウ』の世界へ来られたのは、あの時点でソウゴの「他の世界の仮面ライダーを呼び寄せる」能力がピークに達していたからだと推測します。

さて、この仮説で行くと仮面ライダーディケイドの「世界の破壊者」という通り名の謎が解けます。
「仮面ライダー」局部作品群の世界は、仮面ライダーがいなければ存在できないのです。その世界を破壊するには、地球を破壊したり、人類を絶滅させる事は必要ない。ただ「その世界の仮面ライダーを倒せばいい」のです。
つまりディケイドは唯一「他の仮面ライダーの存在を抹消できる存在」なのです。
いや、でも「仮面ライダーを倒した仮面ライダーは他にもいたじゃん」と反論されそうですが、倒された事で世界が消滅する仮面ライダーは世界にただ一人。これを主役基幹仮面ライダーと仮称しますが、この基幹ライダーは倒せそうで倒せない。作中で「死亡」と明言されながら、あっさり生き返った仮面ライダーは数知れず。文字通り「主人公補正」ですが、ディケイドにはその「主人公補正」を、相手を「リイマジ化」させて解消させ、倒せる能力があると思われます。
こうしてみると、ディケイドはそもそも仮面ライダーでは無かったような気もしますね。劇場版での士の世界も、なんかあやふやな世界だったし、他の局部作品群から迷い込んだ存在で、誰かがその危険性に気付いて逆に「仮面ライダー」を名乗らせることで安定させようとした気がします。
そうだとすると、心当たりは一人しかいませんね。そうです、鳴滝さんです(^^;。
『ジオウ』の話をしていて、オチが鳴滝さんになってしまうとは、まさに「おのれ、ディケイド!」ですな(笑)。

長々と書いてきましたが、一応、ここで一旦締めさせていただきます。『ジオウ』世界の謎については、また機会があれば、あれやこれや書きたいですね。
時間があれば『ゼロワン』第一話の感想も書きます( =゚ω゚)ノ。

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