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完成度の差、未だ埋まらず(広島戦)

2011-10-17 18:55:41 | 横浜Fマリノス
惨敗続きのリーグ戦。
ナビスコも川崎に負けたものの上へ上がったが、鹿島に敗戦。
天皇杯でカマタマーレ讃岐には勝利したが、
これも俊輔がいなかったら・・・という展開であった。

最近、苦しい戦いばかり。

そして、あまり相性のいいとは言えない広島が相手。
パスワークに苦しむ展開は予想される。

スタメンには、天野が出場。
それ以外は特に目新しいものはない。

但し、ベンチに健太と俊輔がいる。
これがどういう意図なのか理解できなかった。
勝っていたら健太、負けていたら俊輔という采配も推測はできたが、
それにしても同タイプの選手二人をベンチに置くのは効率がいいとは思えない。
と言っても、定型の交代は、FW二枚と他に誰かというもの。FWは、キムクナンと今節なら千真か。
何れにしてもあまり意味がある様には思えなかった。

さて、試合開始。

広島はパスワークでマリノス守備陣を攪乱する。
しかし、この日のマリノスの守備陣は、かつて見慣れた守備を行う。

中盤でフィルタリングをし、最終ラインで取る、だとか。
取れる時は、中盤でもボールを奪う。
ハイボールには必ず競る。

見ていて、自信を取り戻した守備をしている様で、少し安心をした。
攻撃と守備において、お互いにチャンスがありピンチがある。
互角の戦いと思えた。

ただ、マリノスのシュート数の少なさは、攻撃が機能しているとは言い難い。
金井のハンドになってしまったが、裏へ抜けて、GKとの一対一の決定機は作っている。
これは計算はされていない筈だ。

兵藤の前への推進力が目について、ツートップとの細かいパス交換は、即興性があって、面白い。

前半はとにかく、守備のリズムが戻ってきており、これは大きいと思った。
ただし、これだけでは勝てない。得点を奪わない事には。

後半になっても、お互いに交代はなく、時計の針は進む。

痺れを切らした、和司監督は、俊輔を投入した。

63分 天野貴史→中村俊輔

この天野を下げる選択には、少々疑問を感じていた。
その理由は後ほど。

俊輔が出た事で、やはりボールキープ率は上がり、
攻撃的になる。

そして、75分。

俊輔が狭い所を高精度の縦パスを兵藤に通す。
兵藤はサイドに開いている、パンゾーにパス。
クロスを上げると、兵藤のヘディングでゴール。
後に、大黒に当たって入っている事から、大黒のゴールと記録は訂正される。

 1 - 0

待望の先制点だった。

あとは、2点目を取るか、これを守りきるか。
しかし、その様な意図をピッチからは感じなかった。
試合が中二日のマリノスと、中六日の広島では俄然、運動量に差が出て来た。

そして広島お得意のパスワークを必死に堰き止めるマリノス守備陣。

シュート精度の低さに助けられている場面で、ムジリ登場。

アウェーで、このムジリに突き放される3点目を喰らった事を思い出す。
運動量が少ないが、決定的な事をやるこの選手の使い方が、
ペトロビッチは上手い。
そして今節も彼にゴールを決められてしまう。

しかし、寿人は抜け出した所で、わかっていて後ろにいるムジリにバックパスをした。
そして精度の高いシュート。

 1 - 1

マリノス必死の守備は決壊。
それは、数人の選手がピッチに倒れ込んでしまった事からもわかる。

その後になって、和司監督は交代をする。

88分 大黒将志→渡邉千真
90+2 小椋祥平→キム クナン

小椋については、怪我という事での交代だった。

タイムアップ。

トーナメントと言って良いリーグ戦をドローで終えた。
誰でもガックリ来るのはわかる。

試合後、倒れ込むのは理解できる。
しかし、試合中に失点したからと言って、倒れ込んでしまうのは、少し情けない。
センターサークルへボールをセットしに走りに行く選手はいなかった。
それ程までに、追い詰められて、焦っていたのかもしれない。
だけれど、それじゃ駄目なのだ。

さて、試合について2点、考察がある。

まずは、攻撃だ。
そして、シュート数の少なさだ。
これは攻めてはいても、シュートまで行けていない事が沢山あった。
また、小野裕二は後半、持ち味の思い切りの良さがなくなり、
エリア内であろう事か迷ってしまった。

この日の得点シーンの時の俊輔のプレーにヒントがある。

俊輔はバイタルエリア中央付近でボールを持っていた。
パスコースは、フリーでサイドに開いているパンゾーと、エリア中央にいる兵藤。
無難な選択は、パンゾーへのパスで、ここからクロスを上げさせる。
だが、ここで兵藤へ強くて速いグラウンダーのパスを出した。
こうする事で、広島守備陣の集中は一時的に中央に一度集まる。
そこで兵藤は、フリーになっているパンゾーへ出す。
当然、パンゾーは好きにクロスを上げられる。
広島守備陣は中央への集中から一度サイドに行くので、兵藤のマークが緩くなる。
こうして、兵藤はヘディングをして、大黒のゴールを呼び込んだ。

こういう、相手の裏を掻くプレーが、どこかで必要なのだ。
特にこれを小野裕二に求めたい。
同じ様な形で仕掛けるのではなく、相手の裏を掻く臍曲がりな部分を持って欲しい。
そうすれば、もっと得点が増える様に思う。


次は、天野の交代である。

天野は、パンゾーの前でウィングバックの役目もしていた。
彼の運動量は多いので、前線にも顔を出せば、最終ラインでパンゾーのフォローにも走った。
最近、失点シーンで多いのが、この右サイドとバイタルエリア付近を好きに使われている場面だ。
ここを天野がケアをしていたから、守備も機能していた様に思う。

だが、俊輔を出す為に、これを止めてしまった。
俊輔を出す事を否定しているわけじゃないが、この役目を誰かがやらなければならなかった。

また、広島とはコンディションの差がある為、運動量はどうしても不利である事は、
試合前からわかっていた事である。

優位に省エネでゲームを進めていたわけではないのだ。

こうすると、失点は必然だったかもしれないと思えてしまう。



和司監督のこの日の采配であるならば、2点取らなければならなかった。
しかし、俊輔も完全復活ではなく、相手もJFLではなく、広島だ。
俊輔無双が簡単にできるわけではないだろう。

そう考えると、非常に残念だが、当然の結果としか思えなくなる。

しかし、俺達はまだ何も失ってもいないし、何も手に入れてもいない。
やれる事をやるしかない。



第29節 サンフレッチェ広島戦 2011年10月15日 15:04   Kick Off 日産スタジアム