心の旅

やわらぎ住宅(株)の社長によるブログ。

子育て応援ブログ 『人間にとって文化とは』なんでしょうか?

2012年03月27日 | 仕事
朝礼での学び 「かすかな光へと歩む 生きることと学ぶこと」大田 堯氏より
本日のテーマ:「ヒトの文化の原初を考える」から



★著書より★ 
1. ヒトが人として育つことの基礎には、0.1ないし0.2ミリの受精卵からの発生の過程がある。
 そこから六〇兆ともいわれる大人になるまでの細胞の旺盛な複製と更新、各臓器への機能分化があり、そういう生理的プロセスが、遺伝子をのせたDNAの中に組み込まれたプログラムが、環境刺激との関係で展開するのであろう。

2. 生物の器官の進化と、人類の文化の進歩が、環境への適応という点で相似たところがあることを認めながらも、両者の違いを、人類の文化による環境適応の装備と、動物の長い時間をかけた自らの身体変化による装備とのあいだに一線を引くことを試みている。(V・ゴルドン・チャイルド『人間は人間をつくる』より)

3. チャイルドは、野生のヒツジがあつい毛皮とやわらかい毛におおわれて、山岳の寒い気候に適応しているのに対し、同じ気候のもとで、人間はヒツジの毛皮や、わた毛のコートで生存できる、などさまざまの動物とヒトの環境適応装備の比較によって、前者は遺伝に、後者は遺伝によらず、出生後の教育(学習)によると主張する。

4. この考えによれば、文化とはヒトが身体外に創り出す適応装置だということになる。

5. 漆の活用(縄文時代)にみられるように、「かぶれる」という感覚のうえでの抵抗(バリアー)を乗り越えて、つまり生活欲求の問いかけに対して、それを満たすための手だてが考え出されたという事実がある。

6. バリアーに対して、反射的に回避することなく、思考という迂路(遠回りのみち)を介して、生活欲求を実現するための一種の道具の発見である。

7. この迂路、思考は、文化が創造されていくプロセスである。

8. 他の生物の行動の中にも選択思考のきざしが見られるのだから、文化の起源も深く他の動物にも見られるが、ただ身体以外に道具を作り出すのには、より高度の工作知を必要とすることは確かだろう。


■私の学び■
 ここから学べることは、
 人間の歴史は何であったか?
 人間の本質的な営みは?
 人間の文化とは?
 その中での仕事の役割とは?


 人間の歴史の本質が、文化の創造(遺伝によらず身体の外に創りだす環境への適応装置)であるならば、私たちの仕事も、その進化・発展の過程の(歴史の)頂点に立ち、さらに使い勝手のよい商品やサービスを創りだすこと、そしてそれらを生み出す道具や、方法を考えること、すなわち仕事をすることが、人間にとっての本来性であると思います。




 ただ、物質的なものだけではなく、人類が仲良く共生していけるようなことをするのも、忘れてはならない仕事の一つだと思います。

 そういった意味では、仕事とは、人間が生きていくためには必要不可欠のものであり、決して受身のものではなく、積極的になすべきものであって、人間を災害や重労働から解放していくものであるとも考えられます。

 但し、文化の発展に役立とうと思えば、人間が本来持っている学ぶ力と、周りからの示唆や介添え、すなわち、教育が必要となってまいります。