北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

北欧スウェーデンの日常を生活者目線でお伝えします。
幸せの国、北欧スウェーデンのなるほど〜な生き方をお伝えします。

ガラスの王国と夏時間

2020-09-28 17:02:45 | スウェーデン

 

北欧スウェーデンの生き方、観光地、グッズ、日常・・・面白くつたえられたらいいな

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今回のテーマは「ガラスの王国」

今日の内容です

スウェーデン旅行を考えている人には必見よ〜〜

 

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その日、泊まりがけの来客のことが気になっていたせいもあって、

朝早く目が覚めた。

 

動き回るには、まだ、早いので、メールをチェックすることにした。

 

コンピュータを起動すると、見慣れないメッセージが現れた。

 

「標準時間に自動変更するので、チェックして欲しい」

という内容である。

 

ああ、そうだ。

 

ヨーロッパは、夏の間、時計を1時間早めるという夏時間を

採用していたのだった。

 

イギリスにいた時も秋の1日を境に標準時間に切り替わった。

 

その記憶があったために、コンピュータのメッセージをすんなり納得。

 

この日を境に、今まで8時だったのが7時になる。

 

つまり、この日だけは、1時間朝寝坊ができるのである。

 

夕方、暗くなる時間を1時間遅らせることになる。

 

英語ではセービングタイムという。

 

そして、また春の1日(三月末ごろ)時計を1時間進めるのだ。

 

それによって、夕方遅い時間まで、明るい時間が得られる。

 

初めてのイギリスで、それを体験した時、不思議なことをする人々だと思った。

 

なるべく、日常生活に支障がないように、土曜日と日曜の間の夜中に

1時間ずらすのだが、そうは言っても、忘れたら、

うっかり1時間早く出勤してしまったり、1時間遅刻したりと

問題が起きそうだ。

 

家中の時計もその度に合わせ直さなければならない。

 

制服の夏服、冬服だって、うっかり忘れたことがあるわたしには、

夏時間のアイディアは受け入れがたい。

 

ちなみに、冬時間とは言わず、そちらは、標準時間となる。

 

それにしても、コンピュータは偉い。

 

ちゃんと覚えていて教えてくれる。

 

感激して早速ホームページのトップページを書き換えた。

 

日本人には馴染みが薄いので、トピックとして書いておこうと思ったからだ。

 

もっとも、戦争前後、日本でも夏時間を採用したことがあるらしい。

 

馴染まなくて、すぐに廃れたそうだが。

 

近年、再び復活させようという動きもあるようだ。

 

 

さて、その日、我が家には、イギリスからの友人一家が宿泊していた。

 

日本で知り合った家族で、全員に会うのはなんと5年ぶりである。

 

子供達の成長には目を見張るものがあるが、大人の方はあまり変わっていない。

 

我が家がヨーロッパに来たというので、

秋休みを利用してきてくれたのだ。

 

土曜日夕方着いたところなので、1時間の時間の遅れはうれしい。

 

朝、慌てなくて済むからだ。

 

その日、私たちは、スモーランド地方にある「ガラスの王国」に

行くことになっていた。

 

夏のスウェーデンには、それなりに見るところ行くところが

あるのだが、秋になると、ほとんどめぼしい観光地は閉まってしまう。

 

コペンハーゲンの遊園地チボリも、

ピッピのテーマパーク、リンドグレーンワールドも・・・・

 

ガラスの王国も夏場は、実演も多いし「ヒットシル」も体験できる。

 

ヒットシル(hyttsill)というのは、ガラス工場で、仕事を終えた職人たちが

余熱でシル(つまりにしん)を焼いて食べた習慣から来るディナーのこと。

 

ちなみに、ヒットというのは、小屋(ドイツ語で言うとヒュッテ)。

 

夏の間は、観光用に、毎日どこかのガラス工場で、夜7時ごろから開催している。

 

窯で焼いたソーセージ、にしん、ジャガイモなどをビュッフェ形式で

食べながら、生演奏を聞いたり、飲んだりして時間を過ごす。

途中、抽選があって、選ばれた10人ぐらいの人は実際に

吹きガラスの体験ができる。

他の客は、間近でそれを見学できる。

 

もう一度、ディナーのテーブルに戻って(それも、食堂ではなく、

やはり工場の内部で雰囲気は抜群)窯で焼いた、

アップルパイなどのデザートを食べて、コーヒーでお開き。

 

だいたい10時ごろまで続くのである。

 

客も、国際的で、スモーランドの位置からして、ドイツ人も多く、

夏に我が家が行った時には、英語、スウェーデン語、ドイツ語、

デンマーク語で説明していた。

ただし、学隊のおじさんは、スウェーデン語なので、

その冗談に対しては、ただ、付き合いで笑っていただけで、

ちょっと悲しい。

 

日本語はなかった。

 

ひとり450クローネ(約6000円ぐらい)

 

子供は半額。幼児はさらに安かった。

 

我が家が参加した日は、開催場所がコスタ(大手ガラス食器メーカー)で

くじ引きの商品はコスタのヒット作「スノーボール」という名の

キャンドルスタンドであった。

そして、わたしは当たった!!えっへん。

 

だからというわけではないが、経験としてヒットシルはおすすめである。

 

ただ、450クローネは、観光客でないと出せない値段ではある。

 

夏にガラスの王国へ行く方は、ツーリストインフォメーションで

その日のヒットシルの開催場所を聞くことができる。

 

それぞれの工場のHPでも、予約ができる。

 

 

ところで、ガラスの王国と一口にいっているが、

スモーランドのかなり広い地域に、ガラス工場が点在しているのである。

 

コスタとかボーダとかオレフォシュとかは、日本でもデパートなどで

手に入る高級手作りガラスである。

それらは、工場の名前でもある。

 

と、知ったかぶりしているが、実は、ここに住むまで知らなかった。

 

高級品には全く縁がないもので・・・・。

 

(恥を話すと、イギリスに住んで初めてウェッジウッドってのも

知ったのだよ)

 

それはともかく、工場併設の売店では、それらが安く手に入るし

B級品であれば、日常的に使うのも惜しくない価格である。

 

スウェーデンガラスは知る人ぞ知る有名なもので、

日本人も多く、勉強に来ているようだ。

 

有名なデザイナーのものは、棚が別に設けられ、

写真入りで作者の説明などがしてあって楽しい。

 

 

で、話を戻すと秋なのでヒットシルは無理だが、売店を見に

ガラスの王国に出かけることになった。

 

調べると、日曜日、売店は4時に閉まる。

 

我が家からガラスの王国までは250キロ。

 

大国スウェーデンではこれでも近い方の観光地。

 

600キロも離れているストックホルムに日帰りで出かける人もいるくらいだ。

 

高速で行って3時間ぐらいだろう。

 

長旅の疲れもあって、遅めの朝食を終わったのが11時過ぎだった。

 

早速出かけようかと言ってから、合計4人の子供達の支度や、

ガソリンの給油やに時間がかかり、我が街出発は12時近くになっていた。

 

これではあまり店を見る時間がない。

 

とはいえ、売店など2、3軒もみれば十分である。

 

1時間半もあればいいだろう。

 

 

二台に分乗して、いざ出発。

 

運転しながらイングリッシュカンバッセイションをしたくないわたしは、

さっさと配車を決めて、車が大きいことを理由に、

イギリス人を全員夫の車に追いやる。

 

わたしの車には、我が家の子供だけのお気楽さ。

 

とはいえ、夫の方向音痴は、世界的に有名で、イギリス人たちも、

何かあったら携帯で電話するからと、準備万端。

 

 

大きく迷うこともなく順調に進んだのだが、思ったよりスモーランドは遠い。

 

運転しながら、わたしは、内心焦り始めた。

 

というのも、かのイギリス人夫、大変良い人なのだが、短気なところがある。

 

以前、土浦の花火(これも有名で説明を加えたいのだが、長くなるので残念)

に一緒に行った時、渋滞に我慢できず、怒って途中で帰ってしまったことがある。

 

富士山に一緒に行った時も、渋滞に巻き込まれ、

バックミラーにうつる表情が次第に険しくなっていって、

だんだん無口になっていったこともある。

 

だいたい、狭いところに長い時間いることが、嫌いなのだ。

 

多分、向こうの車の中は、だんだん重苦しい雰囲気になっているだろうと思うと

ここで引き返したいような思い。

 

とはいえ、あともう少し、せっかくここまできたのだから、

ともかく早く着きたい。

 

あ、ようやくガラス工場の案内が見えてきた。

 

時間は2時30分。

 

早く、どこかへ、入ろうよ。

 

思いが通じたらしく、前の車は、最初の標識にしたがって、車は曲がっていった。

 

脇道に入ってからが、遠い。

 

ようやく、一つ目のガラス工場に到着。

2時45分。

 

あまり大きくない工場だが、とりあえず、さっと見て次に行こう。

 

車が止まると前の車からは、不機嫌そうな一行が降りてきて、

伸びをしている。

 

あまり話しかけずに、店に入る。

 

すると、お姉さんが、

 

「あと、15分で閉まりますよ」

 

店の時計は3時45分を指している。

 

ええっ、標準時間にしてないの!

 

「この時計で4時に閉まります。他の店は知りませんが」

 

とお姉さん。

 

焦りは、強迫観念に変わる。

 

他の店も今日は、夏時間のままだとしたら、早く行かないとどの店も見られない。

 

こんな小さなん店に時間を取られているわけにはいかない。

 

再び、車に。

 

険悪な雰囲気を避けたイギリス人妻が、さっと、わたしの車に乗り込む。

 

一人残される夫。

 

ちらりとすがるようにわたしを見るが、無視して次の工場へ出発。

 

一番近いところへ行く。

 

やはりそこもあと数分で閉まるという。

 

こうなったら、一番大きなコスタへ行こう。

 

他の客がいたら、閉まる時間が少し遅れているかもしれない。

 

大きな店なら、夏時間のままなどというずるい真似はせず、

ちゃんと今日から標準時間にしているかもしれない。

 

しかし、期待は虚しく、3時20分にたどり着いたコスタは

人影すら見えなかったのでありました。

 

日本だったら終業後30分ぐらいはまだ、誰かいるよね。

 

頼めば開けてくれることもあるよね。

 

 

くだんのイギリス人夫、不機嫌そうにポツリ。

 

「3時間ものドライブ。閉まった店を見るために・・・・」

 

また、3時間のドライブをして、家まで帰ったのであります。

 

途中、おすすめのレストランもあったのだけど、こういうついていない日は

行くと休みだったりするかもしれないので、あれこれ迷いながらも

確実な、我が町の中華料理店まで帰る。

 

途中、休憩でお茶とケーキでもと思ったのに、

ピザ屋しか見つからず、夕食に差し支えるからとピザも頼まず

飲み物だけ飲んだのもちょっと情けなかったし。

 

最悪の1日。

 

 

最も、わたしはイギリス人妻と旧交を温めながら、

それなりに楽しいドライブだったけれど・・・夫は・・・

 

後で聞くと、退屈した子供たちが兄弟喧嘩するのを、

どんどん不機嫌になるイギリス人夫が、なだめたり、透かしたり、怒ったり。

 

「おかげで、子供を叱る英語のボキャブラリーがすごく増えた」

そうだ。

 

 

ちなみにイギリス人少年(11歳)のスウェーデンに関する感想は

 

「森、森、森そして森」

そう、風景が変わらないのも退屈する原因なのよね。

 

 

疲労困憊して、帰宅して、全員が寝た後で、コンピュータを立ち上げ、

本日の更新に挑戦。

 

すると、受信トレイの中に、スウェーデン在住のSさんからの衝撃メールが。

 

「ホームページ見ました。わたしのカレンダーによると、

標準時間は来週の日曜日から。

もしかするとスウェーデンのカレンダーより

日本のコンピュータの方が正確かもしれませんが、

一応ご確認を」

 

慌てて、テレビでチェック。

 

そこには、まだ、夏時間のままの時刻が表示されていたのであった。

 

 

EUになるまで、スウェーデンの標準時間はイギリスより1週間早かった。

 

つまり、わたしのコンピュータは古い情報のままだったのね。

 

 

朝は偉いと褒めたコンピュータだったが、褒めて損した。

 

もう絶対に信用なんかしないぞと固く心に誓ったのでありました。

 

 

そして、翌週日曜日深夜、今度はちゃんと標準時間に変わったのであります。

 

 

でも、日本政府に忠告しておきたい、夏時間の導入は見送った方がいい。

 

 

今年は10月25日に標準時間に変わります。

 

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