北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

北欧スウェーデンの日常を生活者目線でお伝えします。
幸せの国、北欧スウェーデンのなるほど〜な生き方をお伝えします。

花見の季節。浜松フラワーパーク自慢。

2019-03-29 15:49:54 | エッセイ

浜松フラワーパークに行ってきた。

以前、園長の塚本こなみさんの講演を聞いて、ぜひ、この季節に行ってみたいと思っていたからだ。

 
だって、「日本一の桜とチューリップの浜松フラワーパーク」ですよ。

 
行くならこの時期でしょ。
 
閉園寸前、市のお荷物だった浜松フラワーパーク。

やたら広いうえに坂道が多い。
花の綺麗な時期が短い。

入園料もそこそこ高い。

当然、入園者も少ない。 

 
足利フラワーパークを復活させた塚本さんに浜松市は白羽の矢をたてた。

 
だって、もともと浜松の人ですよ。そして、今も浜松に住んでいるんですよ。

 
足利の前に地元でしょ。

 
嫌がる塚本さんに無理やりお願いして、浜松フラワーパークも再生中。

 
ビジネス再生のヒントになるかもしれないので、再生プロジェクトのいくつかをご紹介。

 
1. 勝手に日本一を作る 

 

「桜の日本一はある。チューリップの日本一もある。じゃ、桜とチューリップの日本一で行こう!」

で、チューリップ5万本。

 

 下の画像は、池の中にこの時期だけの浮き花壇を作っている。
 

恐る恐る1年間、やってみたけど、だれも文句を言わなかったから、
「桜とチューリップの日本一!は、うちのもの」だそうだ。

 
2. 思わず撮影し、投稿したくなるフォトジェニックポイントを作る

  
 

 


 
一番、下は、うちの卒寿と米寿の両親。
こんな二人でも、絵になっちゃうでしょ?
え、なってない??
 
じつは、人が入っていないのを撮影し忘れた。 

 
3. 思い出が綺麗に残る工夫をする

 
塚本さんが赴任してまず取り組んだことの一つが、高麗芝(日本芝)をエバーグリーン(西洋芝)への張り替え。

 
桜の時期、日本芝はまだ枯れた色。
こんな感じよね。
  

 
 
西洋芝だと、こんなに鮮やかになる。
 
 

「『チューリップが綺麗ね、桜が綺麗ね』という人はいる。 でも、だれも芝生が綺麗ねとは言わない」

「でも、後で、写真を見たときに、綺麗な写真!と言ってもらえる。それは、実は、芝生のおかげ」

 
 4. 入園料を変動性にした

 
花のない時期と、花いっぱいの時期とは価値がちがう。

だとしたら、価値に合わせた価格設定にしよう。


 
花のない7〜9月は、無料になった 。

今は、稼ぎどき 大人一人900円。

10月〜2月は、500円だが、園内で使える300円のクーポン付き。

 
5.  働いている人を作業員から主体的な従業員へと変えた

 



 

キャッチーなコピーを作り(HISの澤田さんもハウステンボス再生に、「作るものは全て、世界一かアジア一か日本一にしろ。2位では客はこない」と言ったとか) 

 
客自らが紹介したくなるしかけをし(よくありますよね。トリップアドバイザーに投稿してくださいとお願いしている情けない施設)

 
主役はお客様、主役を輝かせるのが役目。と心得

 
提供価値も顧客満足もお客様が決めること。と徹底し

 
そして、何より働く人に仕事の意義を伝えてモチベーションを高めた。 


 
ところで、わたしが、親孝行の真似事をしてフラワーパークに両親を連れてきたのは、尊敬する知人柳井さんの影響。

 
柳井さんは、高学歴で、一流企業にお勤めのエリートサラリーマンだった。

年老いたお母さんが、喜ぶような施設がないことに愕然とし、地元に帰って、福祉施設を自ら経営することにした。

「わずかな期間だったけど、お母さんが通ってくれて少しは親孝行ができた」とSNSでup。

 

 
その転身ぶりが鮮やかで、私は一度は、見学に行きたいと思っていた。
で、この間、行ってきました。前橋まで。 


「ありがとうって言ってもらえる仕事って、なかなかないでしょ。ここでは、感謝されるからね。毎日、楽しいよ」 

 
何年か前に、車椅子のお母さんを花見に連れて行った画像もupしていた。

「あと、何回、桜が一緒に見られるだろう」

 
で、真似してみました。

 
 
 
まだ、自力で散歩できる二人の姿を後ろから見て、ともに元気でいてくれることに本当に感謝。
ちょっと、垂直歩行になっていないけど・・・

 

あと、何回、一緒に桜を見られるだろうか?
 
いえね、足腰の弱った私の方が先にバテそうな予感はしますけど・・・
 

 



 


 

 


カフェ、開きました

2019-03-23 06:54:12 | エッセイ

何を隠そう(隠してもいないが)老後の楽しみの選択肢のひとつにカフェを開くというのがある。

 
 

なんかさ、人が時々来てくれてゆっくり本でも読んで過ごしてくれるスペースを提供したいじゃない。

 


退屈しのぎにもなるし。

 


時々、知り合いの一流講師に友達価格で来てもらって、超お得セミナーなんか開いたり、一芸に秀でていいるアマチュアやセミプロにセミナーやコンサートのチャンスを提供したり・・・夢は、膨らむ・・・。

 



20数年前のやる気はあるけど、きっかけもコネもツテもない私のような人が世の中にはたくさんいると思うのよね。

 



今なら、そんな人たちのお手伝いが、つまり、「20数年前のわたし」を応援できるんじゃないか・・・

 

 

なんて話をあちこちでしていたら、情報は発信するものね。

 

 

友達から「1日単位で貸してくれるレンタルスペースのカフェがある」との情報が飛び込んできた。

 


考える前に行動する私は、翌日、客を装って行ってみた。

 

 

なかなかいいスペース。

 


 

セミナーは難しそうだけど、マーケティングや自分の実力調査には、うってつけ。

なにしろ、光熱費と設備(食器も含む)利用を含めて1日5000円で貸してくれるという。

 


 

厨房も広い

 


 

 

リスクは小さい。

早速オーナーに交渉すると、「是非応援したい」と快諾。

 

 

 

まずは月1回から始めてみる。

 


いつでもいいとは言ってくれるけど、元々のお店の休業日の日曜日が最適。

調理師の息子の休業日でもある。

 


えっと、前の日は準備して、翌日は、体力回復、3日連続して休める日曜日。 

 

 

 

で、3月10日、まずはオペレーションを確認するためにプレオープン。

 

 

かねてより私の夢に賛同して、庭の菜園で作った野菜の料理を提供してくれるといっていた高校時代の同級生ノナカを巻き込む。

 


彼女のおふくろの味系手料理は絶品。

私と二人で厨房担当。

 


息子と夫は、フロア担当。

ひとりでも手があった方がと、夫を誘うと、その気になりやすい彼は、

 


「そうか、マスターか。蝶ネクタイしたほうがいいかな・・・」とノリノリ。

 


 

ノナカと二人で、おおよそのメニューを決め、コーヒー付き1000円と決定。

 


で、実際、メニュー写真撮影のため事前に作ってみたら・・・

 


 

 

いいや、1000円は無理でしょ・・・

 

適切な判断で、な、なんと500円。

 

ただし、コーヒーは別に200円。

ま、妥当!!

 

それを元にチラシ作成。

 


 

 

全部、配って、残ったのはポケットの中のシワシワの一枚だったので、あしからず。

 


 

とりあえずは、家族と親友に声をかけてみる。

でも、万一ということもあるので、幟も立ててみた。

こんなのね。 


 

 

 

メニューもできていない。

 

慌てて100円ショップでファイルを3部買ってきて、

覗きに来てくれた息子の友達に「写真つきのメニューを4枚ずつ入れてね」と頼んだのが、開店10分前。

 

 

そうしたら、まだ、準備もできていないうちに、通りがかりのお客様が4人でご来店。

 

また、その初お客様が、4種類別々のご注文。

 

 

厨房内、大パニック!!

 

フライヤーのコンセントを挿す場所がない!
 

ホットサンドメーカーもコンセントがない!!

 

厨房は広いが、空いているコンセントが全くない!!

 

 

あ、おにぎり定食なのに、海苔わすれた!

 

 

サラダがまだ作ってない。2人分だけ慌てて作る。

 

 

うどんはとっくに茹で上がっているのに、天ぷらはまだ、フライヤーが温まっていない。

 

 

ぎゃー・・・ 

 

 

慌てふためく私に、ノナカは、淡々と自分のジョブに取り掛かってくれるばかりか、味噌汁、副菜を並べてくれる。

 

一緒に仕事したことなかったけど最高の気の利くパートナー。

 

 

散々待たせて、なんとか出し終えて、「あ、デザート忘れた!!」

 

追加で届ける。

  


食べ終わった後で、「あ、ホットサンドには目玉焼きのココットが付いていた」

 

なにしろ、メニューがまだ、頭に入っていない。

 

 

すでにコーヒータイム。

 

いまさら、目玉焼きだけだせないよね。

 


 

こんなこともあろうかと、お詫びクッキーなるものを用意。

 

こんなことだけは、気が回るのよわたし。

 

 

「本日開店、初のお客様です。ありがとうございます。

いろいろ不手際で、目玉焼きも忘れていました。

代わりにこちらをお召し上がりください」

 

 

ま、そこは、クレーム対応バッチリのマナーインストラクター。

にこやかにご挨拶。

 

 

ケーキもお召し上がりいただいて、初会計4300円なり。

 

味見もしないで出したけど、フロアの夫が言うには

「これで500円は安いね、また来よう」

と話していたと言う。

 

あ〜よかった。

 

 

 

このケーキも親友サメの店からの仕入れ。

 

400円で仕入れて500円で出しているから、ま、儲けはないわね。

 

でも、私史上最高に美味しいショートケーキ。

 

ぜひ、世間に広めたい。

 

 

この4種類別々の洗礼を受けたおかげで、厨房は、バッチリ。

 

手順も一通り頭に入った。

 

ノナカの「さあ、どんどん、来い!」の言葉も頼もしい。

 

 

ちょっと手が空いた時にフロアをのぞくと

 

夫が慣れない手つきでお客様にコーヒーを出している。

 

がちゃ、がちゃ、がちゃ・・・

 

あちゃ〜、店中に響き渡るコーヒーカップのぶつかり合う音。

 

しまった、ソーサーと分けて運び1客づつ出すと言う基本指導をしていなかった。

 

 

「そうだよ、さっきなんか、ジュースをわしづかみで出してた」と息子。

 

 

飲食業の長い息子はあれこれと注意をしていたらしい。 

 

 

息子は息子で忘れないうちにコーヒーを作るので、

食事中に出してしまい、食後に飲む時には冷めている。

 

夫は、出すのが早すぎると注意していたらしい。

 

 

理由はともあれ、店中に響き渡る親子ゲンカにしか聞こえない。

 

ぎゃ〜、しまった、従業員は私語厳禁、やむを得ない場合も裏で話すという基本指導をしてなかった。

 

 

友達が3人、開店祝いの花を持って来店。

 

「あらら、そんなに大したもんじゃないんだけど、月1回だし」

 


 

「今日開店って言ってたから、毎週日曜日オープンかと思った。だから、枯れない花にした」

 

「いや、今日だけ開店なんだけどね。来月もかざるわ。ありがとう」

 

3人にメニューブックひとつじゃ足りない。

「ほかのメニューはどこ?3つ作ってもらったよね」

 
息子の友達に聞くと、「え、全部ひとつに入れました」

 

見ると、開いても開いても同じメニューが出てくる不思議なメニューブックになっていた。

 
しかも、気づいたのは閉店間際。

 

お客様、びっくりしただろうな、この、水増しメニューブック。

 

 

 

そんなわけで、ばたばたと、通りすがりのありがたいお客様、友達、親戚・・・

が、来てくれて、なんとかプレオープン終了。


ノナカと息子に気持ちだけのバイト料を払って、ケーキの仕入れと材料費で、すでに赤字。

そんな時、タモリの言っていた言葉がしみじみと胸に染み渡る。

 

『趣味なんだから、本気でやらなきゃ』

 
そうです。趣味なんだから、儲けなんか考えないで、本気でやんなきゃ。
 

あ〜、楽しかった。
来月は 14日です。