北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

北欧スウェーデンの日常を生活者目線でお伝えします。
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スウェーデンの学校 1 (はい、勝手にシリーズです)

2020-09-02 10:02:17 | 学校

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今回は「スウェーデンの学校」

 

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  おはようダンス (毎朝、みんなと握手しながら回るダンスタイム)

 

学校については、書きたいことがいっぱいあるのでシリーズ企画にした。

今回は、娘が通っていたスウェーデンの地元校を中心に書きたい。とはいえ、教育は基本的に日本と似ている。

だからここで取り上げるのは、特に違うなと感じた点が中心になる。


スウェーデンでは、小学校前に1年間を6歳クラスで過ごして
準備期間としている。

これも義務教育だが、学校といわれるのは6歳になってからだ。

日本と同じように、一斉に8月から新年度を迎える。

成長具合によって多少入学の時期がずれていたイギリスの学校とは違う。

そして、娘の学校の場合、基本的には卒業までクラス編成が変わらない。

一年生は4クラスある。

娘はブルークラス。

そうすると二年生になってもブルークラスなのだ。

異学年との交流も基本的には同じカラーのクラス同士で行われる。

これは、6歳クラスから同じだ。


というわけで、1年生になった時、クラスメートの大半は
6歳クラスから一緒だった顔馴染みということになる。

スウェーデンの学校で最初に驚いたのは、教師を呼び捨てにすることだ。

6歳児が、立派な大人を捕まえて「エヴァ」とか「イボンヌ」とか。

日本人には違和感がある。

しかも、その多くは依頼なので、直訳すると
「エヴァ、お水ちょうだい」
「イボンヌ、これ直して」
「クリスティーナ、本読んで」

まるで、召使のようだ。

イギリスでは、高学年になると名前の呼び捨てになったが、
低学年のうちは
「ミスケリー」とか「ミセスカーボロ」というように
尊称をつけてしかも名字で呼んでいた。

日本だって、教師を「たかし」とか「ようこ」とかは、呼ばないだろう。

陰でこっそり「高田がさあ」などと名字の呼び捨てをすることがあっても。

スウェーデンでもかつては、尊称付きで呼んでいたのだそうだ。

いつごろから、なぜ、今のようになったのかは定かではない。

  授業の開始は当番がこんなベルで知らせる
  クラスによって開始時間が違うからかなあ



さて、その教師だが、小学校までの教師はほとんど女性である。

そして、給料もあまり高くない。

男女平等の国とはいえ、結局、女性が多い職場は
給料が低いままという形での不公平はあるようだ。

そして、日本よりさらにサラリーマン化している。

娘のクラスは、とうとう入学式になっても担任が決まらなかった。

そして、資格のない助手的な教師がアシスタントと二人で
とりあえず、担任になった。

2ヶ月ほどすると、正規の担任がやってきた。

隣の町からだ。

彼女の抜けた隣の町の学校では、まだ、次の正規の先生が決まっていない。

つまり、今までの彼女の担当クラスは担任なしになってしまったのである。


どうしてこういうことになるのかというと、教師は、
3ヶ月前に通告すればいつでも職場を替えることができる。

もちろん、次の職場も自分で応募して探すのだ。

学校は、いなくなる先生のために公募を始めるが、
必ずしも3ヶ月で見つかるとは限らない。

教育委員会が配転の全責任を持っている日本とは大きく違う。


担任が決まらなかった娘たちも、途中で担任がいなくなった隣町の学校も
私の観点から見ると、生徒不在のあり方のように思えてしまう。


しかし、義務教育は給食費まで含めて完全に無料だ。

教科書は貸与なので、書き込みなどしてはいけないし、
汚さないように気をつけなければならない。

多くの場合、学校においたままだ。

書き込みの必要なワークブックは支給される。

鉛筆も消しゴムも絵具も全て学校に用意してある。

教科書の貸与は、多分すごく財政節減になると思うので、
日本でも考えたらどうだろう。

小さい頃から、こういう環境に育つので、しかも、高校や、大学などは
手当てまで支給されるので、スウェーデンでは
「教育はお金をかけるものではない」
という考えが定着している。

自腹を切るなら勉強しないという発想にもなりがちだ。

教育の機会均等という観点からは、お金がないので教育が受けられない
ということはない。

大昔、教師をしていた時、給食費の集金が大変だった。
(日本にも貧しくて払えない人がいる)

そんなことで、肩身の狭い思いをする必要もないということでもある。

  小学校のグランドは公園のよう  基本芝生で、陸上トラックとかは、町の施設を使う


入学の時の身上調査の中に、
食事アレルギーなどの記述の他に
「自転車で一人で帰らせて良いか」
「徒歩で一人で帰らせて良いか」
などの質問があった。

親の意向を確認しているのである。

興味深かったのは

「迎えにきても、絶対に引き渡してはいけない人の名前を書く」欄。

別れた父親や母親などの複雑な事情が窺われる。

  みんなで作った「ありの生活」  自由だなあ


スウェーデンでも、学級崩壊が進んでいて、
前年度にマルモ市が調査したところ、
満足のいく公立学校は1校もないという発表があった。

あまりひどいようなら廃校も辞さないという方針を打ち出したので
教師たちの間に緊張感が走ったようだ。

 

  お絵かき 机の大きさもサイズもバラバラ、好きなとこに座って良い
  このクレヨンや絵具も学校の備品



わたしも、中学の授業を見学した時に、板書している教師に

「パトリック、そこに立っていたら見えな~い。どいてっ」とか

「まだ、書いてないのに消さないでよっ」という生徒や

書きなさいと言っているのに完全に無視している生徒とか

机の上に足を上げて授業を聞いている生徒とか

社会人のボーイフレンドと休み時間に廊下でキスしている生徒とか

・・・に驚いた。


全ての人が対等という考え方と、教育というのは、両立しにくいのかなあ。

 

    帰りは、一人一人先生がハグしてくれる

 

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