関心空域 ━━ す⊃ぽんはむの日記

元「関心空間」の日記(引っ越し後バージョン)です♪

食のコンプライアンス、産地偽装バッシング、どっちに振れるか「売る側」「食べる側」の意見だって各社各様、各人各様なんだと思うから…。

2018年12月09日 | 日記

自分は長男ながら高齢の母親と離れて暮らしており、音信を欠かしちゃマズいという意味もあり(郵便局の)月次頒布会に加入してマンスリーで実家に「季節の食べ物」を送っている。まあ相手が相手だからして、調理の手間のない、小分けされた、保存のきく品目だけを選りすぐって。

先日、その頒布会から一通のハガキが届いた。


何と、選んだうちの一品(ひとしな)が「受注キャンセル」だ。

何年も使ってる頒布会だが、これは初めて。郵便局側の「一方的な」判断で販売は取りやめ、てか。客の一部に(自分のような)『重篤な偽装や危険でないなら(事件に構わず)注文通り送ってくれ。月に一度の慣習なんだから、と望む会員がいたとしても、送る送らない?のご意向を個々に聞いてたら事務処理が煩雑になるから(有無を言わさず)やめちまえ、という判断なのだろうな。

いったい、どんな偽装だったのか。

通知ハガキの太字の表題だけ読むと、パッと見「永平寺胡麻豆腐」の製造に当たり産地を偽った事件のように思えるが、偽装したのは豆腐メーカーではない。メーカーのホームページTOPに載る「お詫び文」には、豆腐をつくった側の想いが滲(にじ)む。表題からして(産地偽装の文言は避け)産地名の誤表記だった、としているのだ。


閲覧環境によっては↑小っちゃい字で判読しにくいと思うので、中身を転記させていただく。
 

平素は、弊社商品に格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。

さてこの度、弊社が販売しております「永平寺胡麻豆腐(国産胡麻使用)」(製造者:(有)米又/(株)トップフーズ/共に福井県福井市文京7丁目27-2)につきまして、国産胡麻100%を使用して製造していることになっておりましたが、胡麻の原料を製造する(有)鹿北製油(鹿児島県姶良郡湧水町米永3122-1)は、2015年11月以降に製造していた原料について、国産として納入していた胡麻を偽装し、外国産の胡麻を50%混ぜていたことが判明いたしました。
なお、当該食品を食することで、健康への害はございませんのでご安心ください。 

<対象商品>
 商品名<永平寺胡麻豆腐(国産胡麻使用)> (2015年12月28日以降製造分)

今後は、より一層の原料の品質管理を強化・徹底し再発防止に努めてまいります。お客様、お取引先様に多大なご迷惑をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げます。

2018年11月5日 代表取締役 中川英之


ハテさて。人によっては「誠意のない詫び文だな。実質、謝ってないじゃんと不快になるかもしれない。責任を偽装当事者の(有)鹿北製油におっ被せて事態収拾する気、見え見えじゃんよ、と──。

まあ、確かに。この豆腐メーカートップフーズの「他人ごと」感は、他の関連2社の(取引先や消費者に向けた)言い分と並べたとき、なお一層、キワ立って感じられる。


 
ちなみにトップフーズ自体が頒布カタログに謳ってた商品内容は?というと、次のようなモノだった。


豆腐以前に、混ぜた胡麻の「鹿児島県産」を前面に掲げた売り文句になっており、これじゃ「注文した会員に申し訳が立たん」と郵便局が判断したのも無理ない状況か。

しかしである。実は、もともとトップフーズは自社製の豆腐に「鹿児島県産ごま使用」と謳うことは殆どなかった。実際には鹿児島県産を仕入れてはいても、能書きには大多数の品目において「国産ごま使用」と記載するのが、せいぜい。今回も仮に「国産ごま」としただけの委託販売なら、原料の50%は実際に国産ごまを使用しているのであり、事件が発覚してもなお「産地偽装」とまでは非難されず※、「一部を偽装」くらいにトーンダウンできた。(※もちろん異論はあろう……が少なくとも、法廷闘争まで持ち込めば「悪質とまでは言えない」と解釈した判決を得られるレベルだ)

が、トップフーズにとって何より分が悪かったのは、今回の郵便局カタログのお題目である。

表紙には「四季の味だより ─ 日本各地の美味しいものをお取り寄せ」とタイトルされて、各ページ「○○産」のキャッチフレーズが踊る企画。こうなると(ふだんは産地を県名まで絞って強調してなくとも)話は別で「…なら「鹿児島県産」を掲げとかないと(他社製の掲載商品との)釣り合いが取れないよなァ」……と業販担当者は思ったに相違ない。まさか頼みの原料メーカーが産地を偽ってる❕❔なんてことまで、リスク視できてなかった。その油断、見えぬ脆(モロ)さ。安易に納入業者を信じた「ひとの良さ」が折悪しく、裏目に出てしまった。

(有)鹿北製油が明らかにした偽装内容リストの一部

もっと豆腐メーカーなりのホンネを推し測るなら、そもそも創業時は「使う胡麻など、どこでも良いのだ」とさえ思ってたろう。「どこの誰に作られようが、人が苦労して収穫した作物に感謝し、切磋工夫して練り上げ、丹念に醸成、美味しく頂くのが "永平寺の心"である」── と。

堪(こら)え性なく、万象の端々に囚われるのは我ら俗人だ。毒ギョウザ事件などの極端な出来事に狼狽(うろた)え憎しみ、特に平成以降、口に入れる物は何でも盲目的に国産国産と煩(うるさ)く言い添える者が多くなった。だから仕方なく(コストが売値に跳ね返る理不尽を感じつつも)国産ごまだけを厳選してたら、鹿児島に割安で上質な"鹿児島県産にこだわる"練り胡麻を謳う業者がいるではないか。これは有難いと(素直に信じ)馴染みに取引きしてたら、よもやの背信。挙句こっちまで「ずさんな品質管理」云々と叩かれ、紛(まが)い物の「永平寺の豆腐」とか思われた日にゃ、立つ瀬がない。

わたしは、そういう悔しさ、口惜しさ。秘めたつもりの心情が(まんま)出たのが、上述のTOPページ「陳謝の弁」なのだと勝手に推察するのだ。郵便局から大量のキャンセルを喰らい、やむ無しと頭を下げて収めはせよ内心、どこかでカチンとは来てるんじゃないか。

豆腐は偽装されてない。わたしなら、そう理解する。結果、原産地の表記が間違ってたといえ、原料が鹿児島県産でなかったから何だと言うのだ。アフリカ産のごまを使う、そのどこに"悪質"性がある❔❔ そも日本人は、もっともっとアフリカから食材を買うべきだ。それがアジア・アフリカ地域人としての務めだ。

(有)鹿北製油が取引先や消費者を騙したことは許されてならないが、それでも尚「胡麻が(能書きと異なり)他県産&アフリカ産だったから、豆腐は食すに値しない。注文は無かったことに」と製造者に言い放つのは「ひとの器が小さく、愚かだ」と思えてならない。

ただ……とても残念なことに、わたしのように認識する頒布会員は今の御時世「少数」だろう。だから、今回の郵便局の対応も責めない。それに、わたしたちは望むなら、郵便局のコンプラ一辺倒に対し「リベンジする方策」がある。別の業者から、トップフーズの「永平寺胡麻豆腐」を取り寄せれば良いのだ。それが(巡り巡って)、アフリカの役にも立つ。
 
 
チョイとググって(今回のキャンセル内容と)似たような同社製ギフト商品を以下に引いた。本記事の趣旨に賛同されるかたは、ぜひご検討を…❕❕

▼白ごま豆腐ばかり12個、税込:3,888円。
【西武・そごうのe.デパート】 永平寺ごま豆腐(G-12) 
 ●胡麻豆腐(白) 115g×12、みそだれ 15g×12
 ●賞味期限:90日


▼3種ごま豆腐を合計10個、税込: 3,240 円。

【東急百貨店 お歳暮2018】 永平寺胡麻豆腐詰合せ (G-30K)
 ●胡麻豆腐(白)×4、胡麻豆腐(黒)×4、胡麻豆腐(金)×2 各115g、みそだれ15g×10
 ●賞味期限:90日


なお、製造元で直にネット通販もしてる。こちらからだと2個、4個、お試し4個の少数セットでも注文が可能だ。
=了=

 
 
 
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