カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

祈りの幕が下りる時

2023年09月09日 21時12分59秒 | 映画 / MOVIE

2013年発行の東野圭吾の推理小説。
刑事・加賀恭一郎シリーズの10作目。

小説を先に読んでいるのだが、小説では気にならなかったが、
映画では加賀は何度も自分が「マザコンだから。」と言うのだが、
12歳の時に突然いなくなった母親を慕うのはもっともだと思う。

加賀がなぜ日本橋署に身を置くのかと言う理由も明らかになる。
16年後に仙台で母親が病死。その時28歳の加賀は、
教師生活を経て刑事なっていた。そこから10年・・・
40手前に差し掛かっているが、母親の遺品から日本橋にこだわり、
母親が残した荷物から日本橋に縁があったと思い、
日本橋署に籍を置き、地元に密着したのだった。

話は仙台から始まる。
田島百合子と言う36歳のわけありの女性を、
宮本康代が自分のバーで雇う事になる。

百合子は12歳の息子を残して家を出たと言う。
妻としても母親としても至らなかったと言うのだが、
どうもうつ病であったようだ。

生活環境が変わったおかげで百合子は元気になり、
百合子の働きで康代の店は繁盛したが、
十数年後、百合子は病死してしまう。

康代が百合子の身寄りを捜し、
加賀に辿り着く・・・・・。
加賀は百合子の荷物を引き取り、
母親の人生に想いを馳せながら現在に至る。

10年後、滋賀県から上京した押谷道子の死体が発見される。
道子の捜査にあたるのは加賀の従弟の松宮だった。
道子は明治座に演出家の浅居博美を訪ねた後、
死体となるまでの足取りが不明だった。

博美は道子の中学の同級生だったが、
家庭の事情で転校していた。
道子は地元の施設で身元不明の女性を見つけ、
それが博美の母親だと確信し博美を訪ねて来たのだった。

博美は不幸な子供時代を送ったが、
相当な苦労をして現在の地位を築いており、
過去を蒸し返されるのは苦痛であったが、
アリバイがあった。

河川敷で浮浪者と思われる男性の他殺死体が発見される。
松宮はなぜか道子の事件とに関連性を疑う。
一見、関係のなさそうな2つの事件だが。
そして仙台の加賀の母親との関連はあるのか?

松宮が道子と浮浪者の事件を追っていくと、
博美と加賀が面識があった事に辿り着き、
加賀は持ち前の嗅覚から仙台と関係があったと思う。

 すっかり刑事・加賀恭一郎=阿部寛だわ。

 私はこの作品を読み始めてすぐに思った。
 これ松本清張の「砂の器」だわと。
 かなり昔だが松本清張もほとんど読んだ。

 

 不遇の子供時代に知られざる出来事(本人にしてみたら、
 ない事にしたい出来事)があり、まぁ犯罪だが、
 それを隠しとおそうとする本人の心に闇、
 暴かれる事を恐れて暮らす毎日。
 
 ある日、その触れられたくない部分に、
 近づいてくる人物。知られないようにするために、
 重ねてしまう嘘と犯罪。
 
 映画でもやっぱり「砂の器」だと思った。

 

コメント
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