芥川殿は、何故、この辺りの事を読みだしたのかの。 家康殿、貴公を奉っている金地院がある南禅寺への、疏水側からの入口に、山形有朋の別荘が在るのじゃ。 うむ。 わしが年齢的には若かった時に、うむ。あえて注釈を入れたでござるな(笑)…南禅寺の左隣に住んでいたことがある事は既述の通りじゃが、 うむ。…ここには、一生の間に絶対に行く事はないな、と通るたびに思っていたからじゃ。 うむ。
何であれ、一介の政府高官に過ぎなかった者が…しかも元々は長州藩の25石ほどの者じゃった…こんな、日本の宝物の様な場所に広大な別荘を構えられていたのか、ということと、この男が、日本を戦前の道に導いた張本人の一人だとも、わしは思っているからじゃ。 御意。