文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

下妻が2年前に、突然、第二期分を公園にしたらどうか、と言った時に、届けた文章

2010年07月19日 01時57分16秒 | 真実、公園、階級
大阪から東京に入った時、一定数の人間は「大阪には東京に比して緑が少ない」と言う。当然だろう。東京駅に降り立つ。目の前に広大な緑が見える…然し、其処は誰も入れぬ所であり、この国とAmericaの本質的な違いを指し示している事には気付きもせず。

下妻氏は関経連の会長に就任するなり、北ヤード第二期をニューヨークのセントラルパークの様な公園にしたらどうか、と、仰った。

30兆円の赤字を「国民の税金負担」として残した国鉄清算事業団の土地である事を知ってかしらずか。言うまでもなく、この垂涎の土地は数千億円で売れる。
それで、助けを必要として居る人達を、どれほど救えることか。

東京は見渡す限りの平野ですが、大阪は、北は箕面、東は生駒、西は六甲。
緑の山脈に囲まれた狭い平野なのです。ですから人口密度日本一なのです。

箕面国定公園までは梅田から車で15分です。
六甲や有馬温泉までは45分。生駒は(奈良は一番人口が少ない)少し不便ですが、それでも混雑して1時間です。
梅田から車で10分の千里ニュータウンは緑の街です。

京都!までも車で45分。電車なら30~50分(JR、阪急、京阪)
乗り継ぎが必要な嵐山まででも50分です。
昨年秋、京都を再々発見した僕は、毎週末に絶品としか言いようの無い紅葉、
世界一の町の風情に浸る為に、嵐山、清水寺を一人で歩き回ったものです。
銀閣寺から阪急四条駅まで1時間歩き続ける等と言う、ちょっと呆れるパワー・ウォーキングをしたりして…勿論、京都の町並みと、IPOD中の当代最高の音楽と言う道連れが有っての事でしたが。

此処に、私達の国の名士と呼ばれる人たちの陥穽が有ります。
そして、名士に意見を聞く事が民主主義と本気で思い続けてきた、
朝日を筆頭とする我が国のマスコミの陥穽も。

何故、そんな事になるかは(皆、優秀なエリートのはずじゃないか?温厚にして教養も有る紳士たちじゃないか)僕がHPに、突然の様にして書いた、一行に尽きています。

先週末、この文章を書いた後、東京と大阪の公園について正確な数字を把握しようと思い、日曜日にネットを検索。実に貴重な物を発見しました。

大正12年に大阪朝日新聞に掲載された記事です。同封しましたが以下に抜粋します。
(黒字は小生です)
都市の公園と市民の活用 東京と大阪との比較と優劣
いろいろの設備と手入れの出来不出来 公園研究家大林氏の統計的研究
一口にいうと東京は市内公園で優れ、大阪は郊外公園で優れている東京には上野、浅草、芝、日比谷など設備がととのい利用もされる市内公園があるが、市外公園としては僅かに井之頭と飛鳥山の公園があるばかりだ、そこへ行くと大阪の郊外には箕面、住吉、大浜、浜寺、阪堺平野線股ヶ池の諸公園や宝塚、生駒遊園など郊外公園は頗る豊かであるしかし市内公園は頗る貧弱である

比較的閑散で学問の都市である東京に比べて産業都市である大阪が却って貧弱な市内公園を持っていることは心細い、というのは郊外公園は公園を必要とする階級例えば労働者や貧民に対して余り役立たない、暇の少ない労働者などには手近な市内公園が痛切に入用である

この文章は欧州を真似た日本が、その階級社会まで真似たことを教えてもくれます。

第二期分を緑の森に、と言う発想は、この執筆者の思考の有り様と殆ど同じ物で、環境ブームに乗っかって緑云々と言っているだけに過ぎないと僕は断じます。9/26日の日経新聞、同友会「緑地に」との記事中に有る、「働く人のやる気向上につながる…」は、正に、その事を証明しています。皆様方の発想は、80年前の日本と何ら変わらないのだと言う事を如実に証明していると小生は思いますが如何でしょうか?

朝日を代表とする我が国のマスコミの本質的な欠陥も同様に。取り組んだ問題に対して、とことん思索と検証を極めた意見を著名入りで発表するのがジャーナリストであり、ジャーナリズムであるべきなのに、何かと言うと識者とか称する者の意見を聞こうとする。
自分が極めた意見を先ずは発表し世論を喚起する。それに対しての賛否に対して謝辞、反論を述べるのがジャーナリズムであると僕は思う。大体、突然、聞かれて正鵠を射る事が言える訳が有りません。思いつきにしか過ぎない事は言えても。そんな事が未だに分からないとは。何と言うお粗末なジャーナリズムでしょうか?

彼等は、名士に依る名士の為の新聞作りをして来たに等しく、その事が60数年前に無辜の市民を史上最悪の戦争に駆り立てた事にも繋がっているのです。
今回の第二期分を緑の森に、についてですが、20年も大凋落に喘いでいるとは言え、一生働いて年収500万円であるとは言え、今は週休2日の時代ですし殆ど全ての世帯が車の1台は持っています。否、20歳の若者だって車の1台は、或いは運転免許は持っていますし、レンタカーは何処にでも有ります。

昨日、弊社を訪れた、ごく普通のOLさんと話をしていました。「休みに、緑が、自然が欲しくなったら京都等の郊外に出ます…」

井上陽水の名曲に「長い坂の絵のフレーム」と言う素晴らしい物が有ります。
その中に♪満ち足りた人々の思い上がりを眺めてる♪という歌詞が有りますが、
満ち足りた人々は無意識であれ意識的であれ奢り高ぶるのです。

ネットで検索した時に並んでいた見出しに「大阪は○○だろう、東京と比較なんかしないでくれよ」と言う2ちゃんねる的、言辞が1ページ目に有ったのには驚きましたが、さも有りなん、と思うのです。満ち足りた東京の「本音」自民党の本音にも近いのではないでしょうか。
かつては、政変の折々に自民党のインサイドに精通した記事を流石、朝日は等と愚かにも思い面白いと思ったものですが。平成2年以降は、深い罪人として眺めていました。

今回は眺めている訳にはいかないのです。
何故?私は、この様な事が有り得る事など予想もせず、誰もが向かった東京は一顧だにせず、北ヤードが大阪を再生する事を100%確信して大阪に大きな投資も成したからです。つまり大阪を人生の舞台に選んだように、確信を持って人生の最後も大阪を選択したのです(小生の眼鏡に適う物件は1件しかない状況でしたが)

今回の事は、この国の本質的な病がもたらした2度目の災難です。貴方達には想像も出来無い、絶望と憂鬱に捕われましたが、2度もやられてたまるか、との思い。これは闘い。絶対に負けられない。自分の人生を2度も本当は罪人であるエゴイスト達に無にされてたまるか、との思いで復活しました。TV朝日の常套文句「絶対に負けられない戦いが有る」そのものです。