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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

リンカン 南北戦争勃発(上)奴隷解放宣言(下) ドリス・カーンズ・グッドウィン著

2011年03月31日 23時37分56秒 | 日記
朝日新聞2011年3月27日(日)14面 〈評〉久保文明 東京大学教授・アメリカ政治 黒字化は芥川。


原題は「ライバルからなるチーム リンカンの政治的天才」。アメリカで本書に注目が集まったのは、オバマが民主党の指名争いにおいてヒラリー・クリントンに対する勝利をほぼ確実にした段階から本書に触れ、「個人的な感情が問題ではありません。危機の中にある国をいかに動かすかが問題なのです」と語っていたからである。実際、オバマ大統領は党内のライバル、クリントンとバイデンをそれぞれ国務長官および副大統領に迎え入れた。 

リンカンについては、すでに語り尽くされている感があり、新しい視点を提供することは容易でない。本書は、政敵を取り込み、国家的目的のために使いこなすリンカンの政治的能力に注目することで、既存の研究に挑戦している。主な登場人物は、リンカンのほか、ウィリアム・シワード、サーモン・チェース、そしてエドワード・ベーツらである。

彼らは皆、1860年に共和党大統領候補の指名を獲得しようとしていた。本命はシワードであったが、勝利したのはリンカンであった。 

第16代大統領に当選後、リンカンは彼らをそれぞれ国務、財務、そして司法長官に抜擢した。政治的ライバルといっても、主義主張をまったく異にするわけではない。基本的には同じ政党に所属していた。にもかかわらず、奴隷制についての見方など、時代の重要問題について、彼らは大きく異なる考えをもっていた。 

このようなスタイルの伝記を選択する場合、いわぱ4人の短い伝記の寄せ集めになってしまう危険がある。その点、本書はあくまでリンカンに焦点をあてつつ、公私両面における彼らとの関係に有機的に話を広げており、巧みに構成されている。
 
本書で注目に値するのは、とくにリンカンとシワードが相互に強い信頼関係を築き、敬愛の情を抱くにいたることであろう。それに対して、大統領になる野心を捨て切れなかったチェースはリンカンを引きずり降ろす活動を継続し、ついに辞任を余儀なくされる。

しかしリンカンは、「あれほど根深く不当に謀略を仕掛けてきた」彼を、最後は最高裁判所長官に任命する。「国のことを考え」ての決断であった。リンカンの 「政治的天性は、国内で最高の逸材を彼のまわりに連れて来る能力だけでなく、彼らに、自らの目標、認識の対象、そして決意のほどを、それぞれ重大な分岐点において強く印象づけることを可能にした」。
 
全体として好意的にリンカンを描写しているが、彼を神格化することは本書の意図でない。政治家として強烈な野心をもち、政治工作を行い、妥協もする。ただし、当初は南部での奴隷制を許容していたが、奴隷制と連邦の維持、そして戦争指導との関係について理解を深めていき、奴隷解放を決断する経緯からは、政治家として学習し、育っていく能力を読みとることができる。
 
巨大な国家的危機に立ち向かう政治家のあり方について、思いをめぐらすことができる書でもある

バルテュス、自身を語る 聞き手 アラン・ヴィルコンドレ/バルテュス 著

2011年03月31日 23時20分18秒 | 日記
朝日新聞2011年3月27日(日)読書欄 評・横尾忠則 美術家 黒字化は芥川。

寡黙で寡作で、孤独と絵画とモーツァルトとロッシニエールの館と神を愛した20世紀最後の画家バルテュスが重い口を闇一いて自身を語った「唯一の回顧録」である。

 私の中でバルテュスは、長い間神秘と謎の画家として、その解明を避け続けることにむしろ歓びを抱いていた画家である。その複雑にして単純な作風だけを眺めていると、一体いつの時代のどこの国のどの様式に属する画家なのかさっぱりわからないだけに、彼を偏愛せざるを得ないのである。
 
そんなバルテュスが重い衣装を脱いで精神の裸身を晒してくれたが、自作の解説だけは見事に黙して語らない。永遠に墓場の中に沈黙を固定してしまったのは、彼が真の画家であろうとしたからだろうか。
 
彼が全く評価しない現代美術家の大半は自作の観念をペラペラ語りたがる。そんな態度を恥ずべき俗界の俗物として彼の世界から完全に排斥してしまう。
 
バルテュスの一語一句に触れる時、私の仮面が剥がされて逃げ場を失いそうになる。彼が光を求める一方、私はその光から逃れようともがき、自分が同じ土俵の画家でいることの羞恥に耐えられなくなるのである。
 
それは彼が絵画の神秘に宗教的な祈りを捧げる魂の声と対話する画家であるからだろうか

彼は宗教的絵画を描くシャガールを「偽りの人為的」画家、ルオーは創意に欠けた「内面の空間に到達することを知らない」画家と一刀両断。返す刀でシュルレアリスムも血祭り。
 
こんなバルテュスの過激な発言と裏腹に彼の生涯はおよそ波乱万丈とは無縁の家族愛に包まれ、彼の絵が語るような自然の静寂の中を流れる昨日も今日も明日もない反近代的、非連続の時間の中で、私は彼の瞑想と振動を共有するのだった。
 
彼は自らを芸術家と呼ばない。職人であることの誇りが彼を社会と切り離し、孤高の画家のイメージを与え、1960年代の若者にスイスの聖者と呼ばれたヘッセとどこか結びつくが、実はバルテュスが愛したのはリルケであった。

私が目指す芸術教えてくれた…「知と愛」渡辺 えり。 朝日新聞、読書欄から。

2011年03月31日 23時13分00秒 | 日記
黒字は芥川。

それからもう一冊、忘れられない本があります。高1の時、表紙に引かれて買った『知と愛』(ヘルマン・ヘッセ著、新潮文庫)。ずいぶん影響を受けました。
 
私が読んだのは古い角川文庫版で、「ナルチスとゴルトムント」という副題がついてました。青年ナルチスは知の象徴、秩序や規律を重んじ聖職者になる。
一方、愛に生きるゴルトムントは、純潔や服従を好まず彫刻家になる。同じ修道院に育ちながら正反対の道を歩んだ2人が再会し、そしてー。
お互いが片割れだったんだとか、人間は知と愛のどちらが欠けても生きていけないんだとか、考えるほどに泣けて泣けて……。
 
男同士の話だけど、どこかエロチックで、芸術をめぐるやりとりも印象的でした。

「芸術は君の人生に何をもたらしたのか」という問いに、「無常の克服でした。人間生活の道化芝居と死の舞踏から、何かが後に残って、永続する」つてゴルトムントが答えるとか。これだ、私が目指す芸術は!と、バイブルみたいに思ってました。 

こうしてみると、今の私の下地を作ったのは10代で読んだ本。本は読んでおくもんですね。

     

私が目指す芸術教えてくれた 「青い鳥」…渡辺 えり 劇作家・演出家・女優 朝日読書欄から。

2011年03月31日 22時54分10秒 | 日記
聞き手 安里麻理子 黒字は芥川。

 小学生の頃から学芸会といえば脚本を書き、「えりちゃんの劇は面白い!」つてほめられ、おだてられて今に至る私です。高1にしてすでに「私が進むべき道は舞台芸術だ!」つて思い込んでいたから、入部したての演劇部でずいぶん生意気な口もききました。
 
私、当時「アングラ」って呼ばれてた、新しくて熱い演劇がしたかったんです。なのに、先輩たちがやっていたのは、「うちは女子校だから男役を出しとけばウケる」みたいな恋愛もの。
山形育ちで、実際にはアングラは観てなかったんですけど、新聞の劇評を読んで脳内劇場は妄想でいっぱいでしたから、「そんな発想じゃダメだ!」つて、激論になって。「じゃあ、女子校でできる戯曲って何さ」と、東京のいろんな劇団に勢いで質問の手紙を出しまくったところ、ある劇団が教えてくれたのが、メーテルリンクの『青い鳥』
 (新潮文庫など)でした。

読んでみたら、これが絶望的なお話でね。幼い兄妹の「おなかすいたね」で始まって、最後まで空腹がついて回るんです! ところがこの2人は、夢を見ておなかいっぱいにしていくんですね。私と同じだ!つて思いました。

人は貧しくても絵や芝居を見て幸せになれる、芸術は人生を満腹にする。そこに共感したし、初めて私に戯曲の構造を教えてくれたのもこの本でした

今、ニュースで、フランス政府、及び、アレバが援助に来日したことを…。

2011年03月31日 22時18分46秒 | 日記
今の状態から言ったら、本当に、とても有難いことではあることは無論なのですが。

芥川は、サルコジの、アレバのCEOの来日記者会見を見ていて、思うのだ。

これは、別な角度から見れば、…論説員たちを代表とした者たちが生み出した現内閣の、福島に対する数々の失態…それは、彼らが、…サルコジの様な百戦練磨の政治家に比べたら幼稚園児の様な政治家たちで在った事、…その結果としての失態の連続で、終に、福島をフクシマにしてしまったがゆえに、…市場をウォッチングしている者なら、誰でもご存じの様に、…日立・東芝を代表とした日本の…一番のライバルであったフランス=アレバに…完全に、出しぬかれてしまった事を…世界にアピールする場に成ったとも言えるな、と、芥川は思った。

こんな結果に成るくらいなら、…何故、最初の時に、アメリカの申し出を断ったのだ、と言っても、…もはや後の祭りだが。

日立・東芝等の技術者たちは、臍を噛んで見ているのも事実だろうな、と、芥川は思った。

最初から最後まで、言える事は、アマチュアに等しい政治家を、国のトップに据えたりすることが、どんなに国益を損なってしまう事になるか、と言う事。

被災者に、余分な苦労を与え、福島をフクシマにして、結局…。

勿論、繰り返すが、今は、全ての国の力を借りて…彼らではどうにもならないのだから、…一日も早く、原発を抑え込んでもらう事だけが、わたし達、日本国民すべての願いであり、祈りであることは無論。

以上の感想は、原発が、これからも世界の電力を賄うものとして…使用される事を前提にした上での感想ではあるが。


サルコジよ、アレバよ。どうぞ、よろしく頼む…あなた達の助力が一日も早い抑え込みに繋がる事は、フランスの大勝利でもあるのだから。「ラ・マルセイエーズ」、の様に、…凛として勇猛に、…フクシマを抑えるのに、貴方がたの全知全能を発揮して下され。

小泉の規制改革は、実は、無数の悪を、世に生み出しているのだと言う事も、マスコミは…。

2011年03月31日 21時59分05秒 | 日記
小泉の規制改革は、実は、無数の悪を、世に生み出しているのだと言う事も、マスコミは知らないのだろうな…拝金主義に走って、一時は、大儲け、転落したら、殆ど、企業舎弟…そういう者たちが、小泉改革以降、どれだけ世に放たれてしまったか。皆さま方も気を付けて下され…初対面の者に注意しなはれ、テレビ的な笑いを振りまいて現れる者に注意しなはれ、一見、豪快そうな、屈託がないような態度で、あなたを大いに笑わせたりするような相手には、注意しなはれ。

として、始まる…21世紀に現れた空海の言葉を4月26日発行の、メルマガとしてアップしました。
どうぞ、ご購読下さい。

当初は、閖上中学三年三組に所属していた芥川が、学校新聞に掲載依頼を受けて書いた、アンドレ・ジイドの「狭き門」についての感想文…あまりにも長過ぎて、ボツになった物…をアップするつもりでしたが…これは5月3日以降の号にアップします…勿論、アップする値打ちが有ると思うからです。(笑)

決して、単なる中学3年生の文章というものではないと、我ながら思っているので。

今、日本で一番素晴らしいテレビは、「クローズアップ現代」

2011年03月31日 20時30分06秒 | 日記
今年のテレビ大賞(そんなものがあればですが)は、この番組で決まりでしょう。キャスターの方の名前を知る必要もないぐらい、見事な女性なのだが、今日初めて名前が分かった…国谷裕子さん。

被災者の方たちに届く事はないだろうが、昨日までのテレビがもたらした、世間に在る悪に、携わった仕事のゆえか、神の試練が過ぎているというべきか、既述した…トルストイが言った所の、2種類の人間…言わば、性善説に立つ人間と、性悪説に立つ人間。性悪説に立っていたならば被らなかったであろう、堪え難い苦痛を、このデフレの20年の間に、何度か味わった。…今も、正にそうだというべき時、そんな夜でも、素晴らしい言葉は素晴らしい、在るべき心は素晴らしいのだと、僕の、あなたの目の前の悪が、どんなに酷い物でも、…これらを生み出し続けてきた、テレビやマスコミの、「下品」、を糾すために、紹介し残してあったもの…その中には、渡辺えりさんの、正に、その通りという言葉もある。

芥川が永遠に愛する同級生たちは、「芥川が、なんで、そんな目に遭っているんだよ。信じられん!」と思うだろうが、…人生は、エリートとして約束された道の外側に居ると、皆には信じ難い様な、悪、闇の中の魑魅魍魎が跋扈する世界なのだ…だから、僕は、テレビの、「下品」、は二度と続けられてはならない、と言い続けるのだ。

表面上の笑い、瞬間的な笑いが、どれだけの悪を隠しているか?或いは、どれだけの悪を生み出しているか。

論説員達が、この2年間、やり続けた、「下品」、に依って作り上げられた内閣の酷さ…或いは、テレビが作りだしたポリティシャン達の酷さを見れば分かる事だとは思うが。

…先に、このポリティシャンについて、…それは、もう、なんとかしてくれよ、という、弾き飛ばしたい悪のようなもの。を最初に抜粋紹介するかも…。

国の危機に体を張って立ち向かうのは、「現場」だけなのだろうかー。

2011年03月31日 16時35分23秒 | 日記
昨日、発売の「週刊朝日」からです。

*先週号のサンデー毎日で、前・福島県知事へのインタビュー記事を読んでいた時に、芥川は、「原発って本質的に駄目なんじゃないか」と思った。…その観点は、誰も思いつかない視点…芥川の、「私の履歴書」(笑)にも重なる、芥川の人生だったからの視点ですが、…近々に、メルマガで発行しますから、御購読下さい…一読の価値は有るものです。

菅首相も東電社長も〝引きこもり″
姿見せぬリーダーに募る不安


…25日には、95年の阪神大震災当時の官房副長官で、震災直後の対策に当たった石原信雄氏を官邸に呼び、対応の指南を受けた。これも苦笑の種になっている。
 
この日の読売新聞朝刊に石原氏のインタビューが載ったんで、首相が反応したらしい。とっくにアドバイスを受けているべきなのに、官邸の情報収集能力のなさに記者団もあきれかえっています」(別の関係者)

原発事故で集中砲火を浴びる東京電力も、勝俣恒久会長、清水正孝社長のツートップが一向に表舞台に姿を現さず、同社には「なぜ逃げるのか」との抗議が殺到しているという。
 
勝俣会長は、社長時代に 「カミソリ」の異名をとったやり手だが、震災後は一度も会見に出席していない。

清水社長も、13日の会見に姿を見せただけ。あまりの〝雲隠れ″ぶりに、清水社長に至っては一時、入院や自殺説まで流れたほどだ。
 
25日に同社の広報担当者に尋ねると。
 
「勝俣と清水は統合連絡本部に入り、仮眠を取りながら24時間態勢で原発問題の対応に当たっています。問題を1分、1秒でも早く収束させたいと、このような態勢を敷いております」という返答が返ってきた。
 
ところが、実際には、清水社長は過労で体調を崩し、16日から数日間、本部を離れていた。同社は「別の部屋で休みながら情報を集め、指示を出していた」(広報部)と釈明するが、故意にせよ過失にせよ、自社トップの動静さえ把握できない

「そもそも社内にいるのに、まったく記者の目にふれないのは不自然。信用できません」(全国紙記者)
 
国の危機に体を張って立ち向かうのは、「現場」だけなのだろうかー。

黒字は芥川。

ソニーの「リーダー」担当は語った…朝日日曜読書欄から。

2011年03月31日 15時24分08秒 | 日記
米国ソニー・エレクトロニクスのシニア・バイス・プレジデントとして、電子書籍の世界戦略で先頭に立つ。日本や欧米など19力国で専用端末「リーダー」を売っている。日本市場に投入したのは昨年12月で、3ヵ月が経った。

IPadなどの多機能端末と違い、字を読むことに特化したモノクロ画面だが、「ひじょうに手応えを感じている」と言う。発売後すぐ、東京・新宿の家電量販店で見た光景が忘れられない。「リーダー」の展示コーナーに、60代後半に見える女性が説明書を持って1人で来て、購入していった。感激した。
  
「本というコンテンツに対し、いまは『リーダー』がベストな端末。電子ペーパーで目にやさしく、字も大きくできるので、集中して長く読むことができる。米国では、年を取ると本好きの人でも読書から離れる傾向かあったが、電子書籍で本に戻っている」
  
「もうひとつ。複数の本を併読できるのも利点。紙の本は3冊、4冊を持って歩くのはたいへんですから」。

発売後1年間で30万台の売り上げが目標だが、実現可能と確信している。
 
本体には通信機能がなく、パソコンにケーブルで接続し、ネット上の書店「リーダーストア」で買った電子書籍のデータを取り込む方式。「リーダー」で購入者は驚くほど電子書籍を買っているという。「詳細は公表していないので言えませんが、週に1冊より多いくらい。まとめ買いする人もけっこういます」
 
現在取り扱っている電子書籍は約2万点。「まだまだ不満。もっと増やせるよう出版社と交渉している。電子のいいところは絶版がないこと。将来的には100万点に…以下略。

苦境打破した先人の奮闘…外貨を稼いだ男たち 小島英俊〈著〉

2011年03月31日 14時36分11秒 | 日記
(文中敬称略)

管直人と海江田は、総辞職してもらった後に、福島がフクシマに成ってしまったことに対して、証人喚問を為すとして。…この内閣を見さされ続ける事の苦痛を、以下の、文章で、吹き飛ばして下さい。

外貨を稼いだ男たち 小島英俊〈著〉 朝日新聞3月27日、読書欄。

苦境打破した先人の奮闘
 
戦後の高度成長期を経て、日本は巨額の貿易黒字を毎年計上する国になった。外貨準備はここ数年1兆ドルを超えている。そういった状態に慣れている現代の我々は、明治維新後の日本のビジネスマンが「外貨を稼ぐ」ために大変な苦労を積み重ねてきたことをつい忘れがちである。
 
当時の日本の商社、銀行、製造業等の海外駐在員の「汗、涙、喜び、悲しみ、ときめきなどを少しでも追体験し、それらをできるだけ楽しく、読みやすく表現したかった」と本書の著者は述べている。
 
幕末開港後に貿易は急拡大したが、「甘い汁はほとんど外国に吸い取られて」いた。その状況を打破すべく、多くの企業が海外を目指した。当時の日本人の積極果敢さには驚かされる。明治維新のたった13年後には、ニューヨークに支店を持つ商社は10社、駐在員は31人に上ったという。
 
1917年ごろには早くもロンドンに「いく稲」という日本食屋が開業し、駐在員が集まっていた。

*この1917年というのは、芥川龍之介に深甚な影響を与えた年…レーニンが、人類史上初めて共産主義の国家をロシアに打ち立てた年で、…彼は、労働者の国が出来た以上、知識人の役割も終わったと考えた…芥川は、この事も龍之介が自殺する一因となったと考えているのであるが。

日本から欧州へは船で35日もかかる時代だっただけに、彼らの望郷の念は非常に強かっただろう。しかし、彼らの努力もあって、「明治から終戦までの間、日本は頑張って未開国から何とか一流半国まで這い上がってきた」。
 
本書で描写された先人たちの奮闘ぶりは、東日本大震災からの復興を目指す今の我々に、勇気を与えてくれるだろう。
(朝日新書) 評者:加藤出(エコノミスト)

菅首相も東電社長も〝引きこもり″姿見せぬリーダーに募る不安…週刊朝日から。

2011年03月31日 12時12分53秒 | 日記
震災から2週間がたった3月25日夜、久々に会見を開き、「国民へのメッセージ」を読み上げた菅直人首相の目は、〝うつろ″だった。

「政府は、すべての能力を発揮する姿勢でー」

直前の会見(18日)からI週間、菅首相はぷっつりと姿を見せなくなった。震災前には毎日あった「ぶら下がり取材」にも応じず、記者たちからは「首相は何をしているのか」と疑問の声が上がっていた。

「首相動静」を見ると、17日までは連日泊まり込んでいたが、18日は午後9時47分に公邸に戻っている。以後、19日は午後8時半、20日午後9時39分、21日午後8時33分と、連日、〝有事″の最中とは思えぬ早い時間に〝帰宅″している。

「首相周辺によると、突然いらだったり、涙目になったりと情緒不安定になっているのは確かなようです。〝針のむしろ″になるのが怖いから表に出たくないのが本音でしょう。情けない話ですよ」(官邸関係者) 

久々の見せ場だった冒頭の会見にしても、「原稿は棒読みだし、強いメッセージや危機打開への指針もない。あれもこれもと対策本部や会議を乱立させたので、それぞれの役割分担が不明確になり、党内や官僚からも批判が噴出しています」(同前)

25日には、95年の阪神大震災当時の官房副長官で、震災直後の対策に当たった石原信雄氏を官邸に呼び、対応の指南を受けた。これも苦笑の種になっている。

…続く。

週刊朝日はジャーナリスト魂を発揮し続ける。

2011年03月31日 12時05分17秒 | 日記
「西山さんは以前は、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長でした。まさに原発振興の旗振り役のポストです。技術的には。ど素人”ですが、なんだか詳しく話しているように聞こえるから、こういう場面は適任ですよね。震災直後の会見に出ていた中村幸一郎審議官は原子力の専門家なので、当初から『炉心溶融していると思われる』などと言ってしまい、官邸や大臣官房の怒りを買って差し替えられました」(経産省関係者) 彼らが「大丈夫だ」「安全だ」と繰り返した結果が、いまの深刻な状況だ。いまさら責任のなすり付け合いをしても、国民にとっては同罪である。

事実と真実を伝えているのは週刊朝日29万部だけという、耐え難さ。

2011年03月31日 11時30分31秒 | 日記
事実、今に至るまで、官邸は震災や原発対応で後手に回り続けている。
 
震災発生の瞬間、国会ではちょうど参議院決算委員会が行われていた。
 
「そこで閣僚は全員、官邸に移動して菅首相を本部長とした対策本部をつくったんです。でも何も決まらない。そのうち津波が断続的に起こり、とりあえず様子を見ながら情報収集をしましょう、ということになったのです」(民主党議員) 


何も決まらない、だから何もできないーというのでは話にならない。
 
その後、やったことといえば、雨後のタケノコのような「対策本部」の立ち上げと、「役職」の乱発だ。

経済産業省の中堅幹部がこう言って呆れる。
 
普通なら、災害系と原発系の二つの本部があればいい。それが、被災者生活支援特別対策本部や電力需給緊急対策本部、震災ボランティア連携室と、やたらと 『本部』や『室』がつくられ、蓮肪・節電啓発担当相に辻元清美・災害ボランティア担当首相補佐官、さらには馬淵澄夫・原発事故担当首相補佐官とポストができた。内閣官房参与も6人増やして総勢15人。彼らがバラバラに仕事を振ってくるので、まったく非効率です」
 
「対策本部」は何をやっているのか。官邸報道室や官邸内の危機管理センターに尋ねてみたが、当事者である彼らですら納得のいく説明ができない状況なのだ。 
一つだけハッキリしているのは、官邸も官僚も来電も、国民に事態の深刻さをちゃんと説明しようという気はさらさらないことだ。 

たとえば、連日の会見で、すっかりお茶の問でおなじみとなった経産省の原子力安全・保安院のスポークスマン、西山英彦・大臣官房審議官は、震災後しばらくしてから登場した。

…続く。

黒字化は芥川。  

*立花よ、星よ、お前たちの罪は、海よりも深いぞ。…福島がフクシマに成ったのは、実は、お前たちが選んだ者が為した事のゆえ。

耐え難きを耐える…昨日発売の週刊朝日から。

2011年03月31日 11時06分37秒 | 日記
ここは、掉尾の方に在るから、読み過ごす方も多いだろうと思うから、余計に。


外資系コンサルに「東電破綻」を依頼!? 責任逃れ官邸が描く〝仰天シナリオ″

震災発生から2週間がたとうとするある日、都内の外資系コンサルタント会社に極秘の要請が舞い込んだ。
 
「東京電力が破綻した場合の『再生シナリオ』を作ってほしい」
 依頼主は〝政府筋″ー。ちょうど、東京の水道水から基準値を超える放射性物質が検出され、大騒ぎになっていたころの話だ。
 
コンサル会社の関係者が声を潜めて言う。
 
「発注は日本政府から、ということでした。東電は今後、廃炉にする原発の処分費用や、放射能汚染の補償など、とんでもない額を背負うことになる。東電だけでは払いきれません。その場合は国が補填することになるが、何かしらの理由付けをしないと世間の批判が官邸に集中します。つまり、官邸としては格好つけるために東電を潰したいが、国民から非難を受けないようなシナリオを作れ、ということですよ」 
なんと官邸は、原発事故が収束する見通しがまったく立たないのに、〝出口″を考えたシミュレーションを始めているのである。
 
事実、徐々に布石は打たれている。枝野幸男宣房長官は3月25日の会見で東電の損害賠償責任を問われ、
 「安易に免責の措置が取られることは、この経緯と社会状況からあり得ない」と答えた。
 
「つまり、まずは極力、東電が賠償金を負担し、足りない分を国で負担するということです。そうなれば必然的に、束電は国家管理の下に置かれることになります」(民主党関係者)その一方で官邸は、何かというと「東電から正確な報告が入っていない」と騒ぎ立て、すべての責任を東電に覆いかぶせようとしているフシがある。

…続く。
  文中の黒字化は芥川。